タイムマシンの作り方
あなたは『タイムマシーン』の起源を知っていますか。
その歴史は古く、中世ヨーロッパまで遡ります。
「マシーン」と称されるものが世に現れ始めるのがこの時代なので、最初期に生じた概念といえるでしょう。
ではどうやって『タイムマシーン』という概念・言葉が生まれたのか。
当時まだない機械式の時計を作ろうと試行錯誤していた職人の前に未来人が現れ、腕時計を見せると職人は言いました。
「これこそ『タイムマシーン』だ」と。
作者なりの解説
タイトルと一行目ではタイムマシーンが作れるかのような気をさせて、「未来の話なのかな・空想の話なのかな」という段階
二行目で現実よりも昔の話が出てきたことで、話がいつなのか・異世界なのかわからなくなります
三行目の記述は作者がちょろっと調べた現実の事柄であり、読者にイメージされる「現実世界の中世ヨーロッパ」にある程度話が固定されます
四行目でこの話に出てくる『タイムマシーン』が概念としてのタイムマシーンであることが明かされます。SFじゃないんだなこの話は。と
すると五行目でいきなり腕時計を持った未来人が現れます。いつの時代に出来たものかはわかりませんが、機械としてのタイムマシーンはあったのです。そして話の主題である『タイムマシーン』とは[時間旅行の出来る空想上の機械]ではなく[時間の機械]だったことが分かるという仕掛けです
作者は道筋を描いてその上をなぞるように物語を書き読むわけですから「この文はこんなような意味だ」などと身勝手な読み方を出来ますが、読者にそのニュアンスを伝えるには様々な障害があります
自分の技量ではそれらを取り除けないので、本編より長い解説をつける形になりました
「解説を見てもここをそんな風には読み取れない」というようなことは作者自身には気付けない事柄ですので、お気づきの点がありましたらぜひご連絡を
その他感想もお待ちしております