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Perfect World  作者: M78星雲人(光の戦士)
第1章
5/21

1-4 2-1

とりあえず続きです。ちょっとチャット枠と会話枠がわかりにくいかもしれません、

チャットは[]で会話は「」です。

更新遅すぎてスイマセン...書くのが遅いのもあるんですが、

いろいろ悩んでいたもので.. 今でも悩んでますが...なんか作品を続けるべきかなのかどうか?とか

いろいろと... まあそんなことばっかり考えていて結局前に進まなくなってしまってたんですよね..




 

[おはよう、キシモト…げんき?]

 ゴリポンが話しかけてきたのだ。

 本名はキシモトである。 


[うん、元気やで!!]


 キシモトは関西弁だ。

 そしてキシモトが元気でも、どうでもいい……。


[どうする勝馬? ゴリラ誘う?]

 永栄はキシモトにバレないように別のグループから連絡を送ってきた。

 永栄はキシモトをゴリラとかゴリポンと言う。


[いやぁ、キシモト…ちょっと…臭い…し]

[同感…]

 勝馬も永栄も臭いとは失礼な……。


[キシモト君、空気読めないからね…]


 みんなバレないように別グループで話している。


[なあ! みんな!]


 また何も分からずに話してきた。


[今日みんなで遊ばん?]

「それが一番嫌なんだよ……」とみんな考えていた……。


「いや、やっぱキシモトはちょっとなぁ……」


 2


 結局永栄が断った……。

 現在は昼過ぎ、店の中はお茶をしたり携帯をいじったりしながら、多くの人がゆっくりとした午後の休みを楽しんでいるようだった。ちょうど休憩の時間だ。

 大して高級な店ではないが、奥のキッチンの方から豊な香気が漂う客席に3人は座っていた。


「ああ、アイツと遊ぶには消臭剤がいるんだよな……」

「がぁっはは! 同感、臭ぇもんな……ここのいい匂い台無しだろ?」

「それひどいでしょ……」


 実際本当に臭いかどうかは分からないが、どうもキシモトは空気が読めないから一緒に遊んでるとみんなが不快になる。それが困るのだ。

 また、どっちかと言うと……臭い……。


「ホラ、勝馬食えよ。お前肉食わないだろ?」

「俺は道徳法則を重んじてるからな……へへ……」


 と言ってもこの時代は、生きた動物の肉はほとんど存在せず、クローンで生産された人工の肉がほとんどであるが……。


「そんなこと言わず食えよ……」



 永栄が鶏のから揚げのようなものを勝馬に進めた。

 勝馬は、普段からあまり……と言うかほとんど肉類を食べない。

 何かしらの道徳法則を考えているのだろう……。もっとも今の時代は、バイオミートのようなものだが……。

 そしてとりあえず勝馬は、とりあえず一口だけ頂いた。

「……ってうまいな……」


 実際食べてみると、これがなかなか旨かった。

 キツネ色のサクッっとした表面から柔らかい肉の旨味とスパイスの香りが口いっぱいに広がり、安物がどうとかクローンがどうとかなど、味も見た目も全然分からなかった。

 やはりこれは唐揚げだったようだ。

「旨い!」

 勝馬は連続でガツガツ食べ始めた。やはり旨いようだ。


「だろ? まあ、安物だろうが旨いだろ……」

「安物に関しては仕方ないよ……学生だしね」


 そもそも学生がそんな高級なものは手が付けられないだろう……。それは仕方がない。

 

「しかしほんと、ストイックだな……」

「勝馬は知っての通り昔っからそんなだよ」


 実際あんまりいないだろう。

 15歳ぐらいで道徳法則まで考えて自分で食事まで制限を掛けてしまう人など、ほぼゼロだろう。


「さあみんな、なんでも喰え……もう何でもいいからたらふく胃袋に飯を詰め込め……俺らはは特になるんだよ……」


「もう、何でもいいから喰えよ」と永栄が押し進める。

「永栄君、そんなに喰えないよ……」

「勝馬よお、体重プラス10キロは目指さないとな! それぐらいは増やさねぇとな!」

(無理だ……だが言えない……)


 実際、プラス10キロはかなり難しいだろう。勝馬はやせ形である。永栄もやせ形ではあるが、沢山食べるようだ。

 そして、なんでここまで焦ってるかと言うと、この時代でこの3人は生きてるだけで得になるのだ。ただ生きてるだけでも……。


「どうせ俺らは大して金がかからねぇんだからよ、たらふく喰えばいんだよ」

「永栄君、でも無理なものは無理だよ……」


 実際本当にそれほど金はかからないのだ。

 この時代では人の階級によって、物の単価や価格が異なる場合がある。

 それは、得にも損にもなるが彼らは特になる。


「永栄君、確かに得になるけどこれはちょっと無理じゃない?」


 もう、すでに誰が頼んだのか(ほとんど永栄だが)大食いでもすんのか? ってほど大量の食事が並べられていた。


「これ入んないよ……」


 勝馬は「これ無理だろ?」的な感じの顔をして言った。

 確かに無理そうな量だった。と言うのも、メニューの種類も何も関係なく、テーブルにぎっしりと頼んだものが広がっていた。


「……まあゆっくり片付けるか……ああ、そうだ!」

 勝馬はカバンから、何やら本を取り出した。

「ん? なんだそれ……」

 永栄がどうも不思議そうな顔をしながら聞いた。

「“ダメ人間攻略ガイドブック2080年度版”……いいと思わない?」


 名前からして気味が悪い本だ。

「勝馬ぁ……なにそれ……」

「なんかそれ気味悪ぃぞ、攻略? 訳分かんねぇもんかったな……」

「訳分かんなくないよ……ガイドブックな」


 普通そんなガイドブックは存在しないだろう……。


「まあ、要するに……ダメな人間の攻略法とか見極め法とかが書いてある訳よ」

「ダメ人間って、低ランクな価値の人間でしょ?」

「そうそう」


 水口は多少知っていたようだ。この時代は国民に階級が存在している。

 ダメ人間とは階級が低い人間でもある。


「なんでもダメな人間の特徴……『すぐに話を無視する・勝手に人のせいにする・言ってはいけない冗談を言う・話がメチャクチャ・勝手に決めつけて話をする……』とかだって」


「プッッ! ……やけにピンポイントな事書いてあるなそれ……あんまり読みたくねぇなぁそれ……リアルすぎねぇ?」

「確かにピンポイントだね、それにそれ、キシモト君当てはまってるよね……」


 まあ「こんな人間とは仲良くしてはいけない」と言うことである。

 そのガイドブックだ。

 実際意外に難しいのだ。ダメな人間の見極めや攻略、対策などガイドが必要なほど難しいことが多い。


「まあこんなの見なくても分かるけどな……『もしこんな人間が近くにいたとしたら避けるように』って書いてあるぞ……気を付けないとな……」

「要するにそこに書いてある内容に当てはまるヤツが低ランクなダメ人間って訳だね」

「そう。『もしいたらすぐに避けるように』だってさ」

「勝馬それちょっと見してくれよ」


 永栄は興味が出てきたようだ。勝馬は永栄にガイドブックを手渡した。

 永栄は本をパラパラめくりながら話した。


「これ細けぇな……『一度話しただけで勝手に仲のいい友達と思い込む人間はダメ人間である……』ハハハ……なるほどな……」

「それは言える!」

「粘着系人間がいるもんねぇ……」


 水口も勝馬も同感だったようだ。

 ガイドブックにもかなりピンポイントに書いてある事柄は当てはまっているようだ。


「『自分の行動も間違いだらけでありながら他人ばかり批判する人間や自分の間違いを全然理解できない人間等……』……ってこれゴリラじゃんか! いや、やっぱりこの本いいじゃんかよ!」

 どうやら永栄は気に入ってきたようだ。

「お、気に入った?」

「永栄君……ゴリラって」

「ゴリラだろ? これさあ、いいなあ! 結構すぐに使えるじゃねぇか……それにこんなガイドブックが必要なほどキショイやつ沢山いるもんなぁ!」


 実際のところ本当に沢山いる。

 そしてその本人(ダメ人間)は自分が迷惑な人間と全く自覚がないから「自分は違う自分は違う」と思ってしまってるから尚更困る……。


「そういやさみんな見たことある? 昔の学校の情報サイト……永栄君見たくないって言ってたけどさ……見たことはある?」

「見たことぐらいならあるけど、あんまりいいものじゃねぇな……」

「ボクも見たことはあるけど、あんまり……」


 この時代は昔の学校自体があんまり誰も知られていないから、昔の学校の制度や授業の内容などを後世に伝えるためか、サイトや動画などが沢山作られている。


「あれが結構、当てはまってるんだよな……昔の学校の教師の言動が、そのガイドブックに書いてある内容とな」


「え? マジで……」

「って事は、昔の制度も学校も教師も間違った事をしてるって事になるよね」


 このガイドブックに書かれてあることは、間違ったやってはいけない事であるため、当てはまってはいけないのだ。

 当てはまるとダメな人間になってしまう訳だ。


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