6-4
つづきです。
「はぁ……」
そして、なんとも適当な一日だったが今日の勉強の時間は終了した。
現在は夕方の6時ごろ、ちょうど学生が一休みをするころだ。勝馬はいつも通りに適当にネットをしていた。
(メールチェックとSNSチェックと……あとは……調べものでもするか……)
勝馬は、いつもパソコンを使うときは、絶対メールチェックとSNSチェックは欠かさない。
(……って……また来てる……)
[勝馬君、おつかれ!]
さすがに、ここまでしつこく連絡が来ると考えてはいけないことを考え始めた……。
(ここはひとつ仲良くなるふりをして情報を聞き出してみるか……)
[どうも、おつかれです]
[実は今日、なんか変なメールが沢山来たんだよね…]
(……)
勝馬は笑いを堪えた……。
(あの時だな……)
どうやらあの昼間の攻撃が影響したようだ。
[変なメール?]
[いや、実はね、いきなり変なメールが“ダーーー”っときたんだよ…]
「アハハハハハハッ!! 知ってるって。それ俺のせい……」
これは、なかなか面白い状況になってきた。
[ああ、それは大変でしたね…]
[大変だったよ…「なんか迷惑うぜぇ」「邪魔しないでよ」とか…そんなスパムが来てね…]
「ハハハ……この人、ほんと鈍感だなぁ……もしかして公安じゃないのかな……」
メールでのやり取りのため、声に出しても問題ないので言いたい放題だ。
「バカなのかな……それとも公的機関の人ってみんなこうなのかな……」
正直、芝辻がまじめな人間なのか、ただのバカなのかがよく分からなくなってきた……。
「ほんとに気づいてないのかな……まあいいか……」
実際はバレている。
[ところで何か用ですか?]
しかし勝馬も本来めんどくさかったら、わざわざ芝辻の相手をしなくてもいいのだが……。
[勝馬君、この前変な事件があったよね……そのことで聞きたいことがあるんだけど]
(やっぱそうか……結局あれが目当てか……いつもそうだな。適当にあしらうか)
[ちょっと風呂行きますね]
これはかなり適当な話の切り方だ。そして適当ながら大胆である。
(ああ、切られたか……)
やはり芝辻も勝馬が明らかに避けていることぐらいは気づいた。
「やっぱり無理かな~~、どうせこっちの目的もバレてしまってるんだろうしな……」
(勝馬君も今回が初めてじゃないだろうしな……ちょっと難しいかな……時間がかかりそうだな……)
芝辻は、非常に見晴らしのいい綺麗な景色の見える高層なマンションの自室から景色を眺めながら勝馬と少し前まで通信をしていた。
(しかし、今日も疲れたな……)
どうやら彼も仕事終わりのようだ。また芝辻はそこそこ金持ちのようだ。
(まあ、勝馬君は嫌いなタイプじゃないし、もう少し時間をかけて接していくか)
(時間をかけて接するつもりは全然ないよ……)
同時刻、同タイミングで勝馬はこのように考えていた……。案の定。
だが当然だろう。勝馬は誰とでも仲良くなれるような人間ではないのは明白だ。尚更芝辻のような暑苦しい人間は最も苦手である。
(なんかまたメール来てるし……)
また、連絡が来ていた……。
[明日もまた話してねww]
(なにが、wwだよ。もう……)
しかし所詮相手はただの他人なので、無視をしようと思えばいつでもできるため、勝馬は大して気に留めていなかった。
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