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Perfect World  作者: M78星雲人(光の戦士)
第1章
14/21

6-2

つづきになります。


(オヤジの発明した物はレベルが違うからなぁ……)

 また、勝馬の父親はマッドサイエンティストのようなものでもあり、この時代では実現できないようなものでも沢山開発している。

(俺は結構、お零れもらってるからな……それがほしいんだろうな……多分)


 勝馬はそのお零れをよくもらっている。恐らくそれが欲しくて芝辻は近づいてきたのだろう。

(……本当にうざいなぁ行政機関なんか特にな)


 この時代では実現不可能なようなすごい技術があったとしたら、まず、いろんな人間が欲しがるはずだ。

実は、芝辻以外にも今までに何度か、このように勝馬に付きまとってきた訳の分からない人物は何人かいた。

「どうせ芝辻に関しても、今までと何も変わらない変な組織の人間だろう」と勝馬は考えていた(実際そんなもんだが)。


(オヤジは絶対なにも売らないからな……)


 勝馬の父親は全くではないが、ほとんど自分の発明品を世に出さないのだ。と言うより出せないのだ……。

 常軌を逸するような発明があったとしてそれを世に出してしまったら世の中がめちゃくちゃになるだろう。そのため出せない訳だ。


(それも、意地でもな……)

 また、どれだけ大金を出されても意地でも売らないようだ。自分が嫌いな人間には特に……。


 [勝馬? どうかしたか?]

 永栄からだった。少々、勝馬と連絡が途絶えたので気になったようだ。

 [いやいや、なんでもないよwww]

 勝馬はいろいろと他のことを考えてしまっていた。まあ芝辻のせいでもあるが……。


 [えっと、勝馬君…]

(またかよ、ウザいなぁ……)

 あまり頻繁に連絡が来ると迷惑だ。

 [わかったから用件だけ書いて送って…]このように返した。

 面倒くさいのでだらだら相手をしたくなくなったようだ。


(えっと、何考えてたっけ……ああ、そうだ……オヤジが売らないから俺に集ってくるんだった、そうだそうだ)


 つまり、勝馬の父親が自分の物を全然売らないからそのお零れをもらっている勝馬に近寄って来る奴がいると言う訳だ。

 お零れと言うのは、もう要らなくなったものや、中には勝馬専用に特別に作ってもらった物もある。そんなお零れでもすごい価値があるのだ。公的な機関も含めて色んな訳の分からない組織の人間などには。


 そのためよくこんなことが起こる。もちろん場合によっては単にしつこく付きまとうなんかより、もっとマズイことが起こる可能性もある……。

(ちょっと眠くなってきたな……転ぶか……)


 眠くなってきた勝馬は布団の上に転がった。そして布団の横にある小さい予備のテーブルに置いてある予備のノートパソコンを起動させた。


 勝馬は、アクティブのパソコンを変えるようだ。そして布団の上で休みながらパソコンを使っている。

 また、勝馬の部屋は(先日片づけたけど、それでも)荷物がごちゃごちゃである。大まかに分けて部屋には布団の部分と机があるが、部屋の中はかなり散らかっている。

 と言うのも、荷物が多いのだ。そのため、なかなか片づけても片付かないのだ……。


(そんで何だったっけ……えっと……まあいっか……)

 [勝馬~~]

 永栄だった。

 [おはよ! 勝馬]

 そして、ここでようやく水口も連絡をしてきた。

 [おはよ、水口]

 [あれ、勝馬寝てんの?]


 ノートパソコンにもカメラがついているので様子は見える。また授業中でも体勢はあまり関係ない。


 勝馬は上体だけ起こしてるような体勢だった。

 [いやちょっと眠いからさ…横になってて…]

 ちょうど眠かったのだ。

 [眠い訳ね。確かに眠くなるよね]

 [そうなんだよ…そんで、]


 [吉川君!]

 芝辻だった……また出てきた……。

(もぉ、コイツ……しつこいなぁ……)


 本来温厚な勝馬もウザくなってきた……。

 芝辻が絡んでくると、こっちの会話ができなくなるのだ……。

(ちょっと相談してみるか)

 勝馬は上体を起こして布団の上で座って横にある小さいテーブルに向ってパソコンを使えるよう体勢を整えた。


 そしてパソコンをいじり始めた。

 勝馬はアプリでグループのチャットを始めた。

 [みんなちょっと聞いてほしんだけどさ、なんか最近ウザい人が絡んでくるんだよね……]

 [ウザい? どんな人だよ?]


 永栄が聞いた。


 [公安らしき人物……]

 [そりゃウゼェだろ?……ってか、なんでそんなのが絡んできたワケ? 勝馬なんかして……ないよな?]

 [勝馬は何もしないでしょ…]


 普通なら何か危険度のある人間だから公安が警戒していると思うだろうが、ずっと家にいるし危険度も永栄や水口が知る以上、無いに等しい勝馬になぜ公安が近づいてくるのかが、二人とも謎だった……。


 [何もやってないよ…ああ、この人が絡んできたことを説明すると長くなるんだよね…]

 [で、ソイツ、ウザいワケ?]

 永栄は、考え方が単純なせいか、ウザいウザくないとか単純な聞き方をすることが多い。

 [まあ、どっちかと言うとウザいね…]

 [だってよ水口、そいつ追い払うか!]


 実に単純な選択肢である。ただ追い払うと……。

 [え? 追い払っちゃっていいの?]

 水口は疑問だったようだ。確かにそうだろう。何か勝馬に用があるのだったら追い払うのはマズイだろう……。


 [勝馬そいつ何なの? 何の用があるわけ? 俺の予想では公安なんかが近づくってことは、何かを探ってるってことだろうと思うけど…]

 [永栄君、その考え合ってるよ。たぶん何かを探ってるんだと思うよ。多分…]

 [ってことは、なんかそんな大事な情報を勝馬が握ってんの?]


 そんなものは握っていないのだが……。

 [別に何も…まあどうせ俺の持ってるものや、その情報が欲しいだけだろうな…正直うざいよ…]

 [決まりだな!]

 永栄が言った。


ありがとうございます。

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