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ログ・ホライズン ~わっちはお狐様でありんす~  作者: 祈願
〈ススキノ〉:狐がいる町
7/47

裏切ったな!セララ!図った『7』!シロエェェェ!

〈アイテム〉

〈冒険者〉の皆さんには聞きなれた言葉であろう。私もザックリと言ったものだ・・・

此処では〈アイテムのランクについて再度、確認してみたいと思う

大きく分けて〈アイテム〉には〈通常品〉〈魔法級〉〈製作級〉〈秘法級〉〈幻想級〉と言う5つのランクが存在している


〈通常品〉簡単に言うと店に売っているもの。魔法的な効果は無い物の安価な為、使用する〈冒険者〉は多い


〈魔法級〉簡単に言うと魔法的付随能力があるもの。レアと言う訳でもなく商品として取り扱っている〈大地人〉も存在しているので入手したら売却してお金にしても問題はないはずだ


〈製作級〉簡単に言うと〈冒険者〉が作ったもの。これはランクに幅があり、下は〈通常品〉から上は〈秘法級〉まで。・・・しかし、勘違いしてもらっては困る。〈秘法級〉まで製作可能なのはサブ職業に生産系職業の能力をブーストする者の協力があって可能なのだ!高LV生産系職業でも〈秘法級〉に近い物は出来るが、所詮〈魔法級〉く〈製作級〉く〈秘法級〉の法則は変えることは出来ない


〈秘法級〉簡単に言うとレアアイテムである。モンスター、クエスト、ダンジョン等で入手は可能であり、毎日のようにプレイしているハードなゲーマーならば、90レベルに達するまでに数個は触れる機会がある品物だ。・・・しかし、入手出来たとしても自分が装備出来ない物であった〈冒険者〉は少なくはない

自身にあった〈秘法級〉を入手出来たのなら、それは良き相棒になり〈二つ名持ち〉の第一歩になるであろう


〈幻想級〉簡単に言うと〈二つ名持ち〉確定アイテム。・・・少し言い過ぎたようだ。存在個数に制限があり、流通する事はない。〈大災害〉前は入手するとサーバ内にメッセージが流れた為、それを由来に〈二つ名〉が付けられる


入手するのは非常に困難ではあるが、〈エルダー・テイル〉をプレイする者としては一度は見てみたい品物である




『第12回!ドキ☆エルダー・テイル追加パック!~人の不幸は蜜の味』著作者:くずのは

より抜粋・・・




「今回の見出しはコレで決まりでありんすな。しかし・・・」


彼女は持っていたペンと本をストレージし扇子を取り出し・・・


「まさか『扇狐』がセララを匿っていたとはな!」

「・・・有名になりすぎるのも困り事でありんすな~」


〈ブリガンティア〉参謀から向けられる視線を扇子を広げて遮っているのであった



ログ・ホライゾン ~わっちがお狐様でありんす~


わっちを嵌めるなんて!?セララ、恐ろしい子!



〈ブリガンティア〉参謀ロンダーグの言い放った言葉により、この場にいる全ての〈冒険者〉の視線が彼女に向けられた。そもそも原因は、シロエ達の作戦である〈ブリガンティア〉リーダー・デミクァスとの一騎打ちの舞台を作る為に〈ブリガンティア〉参謀のロンダーグに話し掛けたのが切欠だ


シロエがロンダーグの装備するアイテムを言当てた事により、ロンダーグはシロエ達を注意深く警戒した

そして『あるアイテム』に片手に持つ〈狐尾族〉に目が止まったのだ


彼女の持つ魔法具、『玉藻前』と言う扇子に・・・・

ここ日本サーバー〈ヤマト〉には〈武士〉や〈神祇官〉と言った日本伝統の職業が存在しており、それに由来している武器や装備も数多く存在している。そして過去に日本伝統武器が入手できるクエストが発生した・・・『妖怪達の宴』

入手出来る武器は〈秘法級〉から、刀〈平清盛〉和弓〈源頼朝〉布鎧〈静御前〉など歴史に名を残す人物が武器の名前に付けられているのが有名だ。〈幻想級〉になると大妖怪の名前が付けられているが・・・


そして彼女が装備する魔法具『玉藻前』は、それに該当しているのだ

シロエも参加はしたが、もとより入手困難な〈秘法級〉に更にドロップ率低下と言うクエスト状況があった為、手に入れられなかったものであった・・・


「流石〈秘法級〉をお持ちになる人ですね。そうです、彼女は『玉藻前』を所持しています。「なんで言うのでありんすか !?」・・・いや~、あのデミクァスより軽薄だ。にゃん太班長、久しぶりの強敵ですよ?なんなら同じ妖術師の彼女と一対一をしますか?」

「嫌でありんす!動きたくないでありんす!」

「そうですにゃ~。吾が輩のレイピアが恐くて一斉攻撃しか脳にないデミクァスより楽しめそうですにゃ~。くーちもそれでいいですかにゃ?」

「わっち にきかな いでくんなまし!」

「ごちゃごちゃとうるせぇ!、俺がやろうじゃないか!お前みたいなふざけた野郎は、俺の拳で引導を渡してやっ――るっ!」


約一匹、断固として拒否の姿勢を示しているが事はシロエが想像していた通りに進んでいった

挑発に乗ったデミクァスはにゃん太の不意を付く形で戦闘が開始された

デミクァスの職業は〈武闘家〉。主な特技の再使用規制時間が長い〈武士〉と比べ、〈武闘家〉は使い勝手の良い主要な特技の再使用規制時間が短い為、手数を多く出し間断のない波状攻撃でにゃん太に仕掛け続けている

デミクァスの腕もあり、にゃん太に距離をとらせないまま、試合を運んでいった



自分達のリーダーの奮闘ぶりに〈ブリガンティア〉のメンバーにも安堵が広がる。このままリーダーが完全勝利を収めると予想したのだ。・・・・しかし、それは大きな間違いだと言う事に気づいていった

試合が進むに連れて、デミクァスの身体に傷が刻まれて戦闘開始時の速度も攻撃能力も無くなっているのだ


にゃん太の職業〈盗剣士〉。 近接攻撃系のひとつで、二刀流を用いる数少ない職。その本分は両手の武器を活かした目にも止まらぬ連撃と回転を生かした広範囲攻撃。だが〈盗剣士〉を特徴付けるのは、様々な付帯効果付きの剣戟だ。「攻撃速度低下」、「回避性能低下」、「防御性能低下」など、余りにも正確な〈盗剣士〉の攻撃は、対象の長所を奪い、短所をより致命的な弱点として暴き出していった


しかし・・・・


「くそっ! しゃらくさい。こんな決闘ごっこなんてやってられるかっ!! ヒーラーっ! 俺の手足を回復しやがれっ、〈暗殺者〉部隊っ! この猫野郎をぶち殺せッ!!」


 目前の剣士の技の冴えに耐えきれなくなったデミクァスが、〈ブリガンティア〉達に一斉攻撃の号令をかけたのだ


僅かな躊躇の後、ロンダーグの支持の元、デミクァスの回復が開始された。にゃん太が付けていった付帯効果が解除されHPの方も満タンまで回復し、残るメンバーはにゃん太に怒声と共に襲い掛かったのだ!


・・・・だが、その僅かな隙も見逃さずシロエ達は次の指示を出していた



「直継!」

「おう!〈アンカーハウル!!!〉」


一陣の疾風となって現われた直継が特技を発動し8人の〈ブリガンティア〉の脚を止めたのだ

追撃は阻止できたが、にゃん太の方は雲行きが怪しいままであった。にゃん太がいくら攻撃しようにも直ぐに〈ブリガンティア〉のヒーラーが回復させてしまう為、事実上サンドバックになっていたのだ


「セララさん、にゃん太班長に回復開始」

「え?あ、はい!」

「・・・アカツキ、準備の方は?・・・わかった。・・・くーさん!」

「嫌でありんす!」


即答!みんなが頑張っているのに我関せずの姿勢を続けるのが彼女クオリティ!


「他にも手はありますが、くーさんが手伝ってくれた方が早いです。お願いします」

「嫌でありんす!」

「そこをなんとか!」


シロエがお願いするが、一向に首を縦には振らない彼女。もとより、戦闘には参加しないと言っていたのが彼女の言い文であろう。シロエもダメ元で頼んでいたので仕方なく、次の指示をだそうと直継に声を掛けようとした時、少女の悲痛な声が彼女に届いた・・・


「くーさん、にゃん太さんを助けてください!私のレベルじゃ耐切れません・・・お願いします、お願いします!!!」


19レベルという限られた自分の実力の幅を限界まで使って「知っている限りの回復呪文」を、前線に送り続けるセララの額には汗が浮かび上がり必死に詠唱を続けている。


・・・・その表情を見た彼女は苦情の表情の後、動いた


「~~~!!!今回だけでありんすからね!シロエェェ、わっちは!?」

「ふっ・・・くーさんは、デミクァス以外の行動を止めてください。終わらせます」

「わかりんした」

「え!?」


漠然とした指示にセララは驚いた。シロエが出した指示は指示とは言えない程、雑なモノで了解を得られないと思っていたのにすぐさま、返事を返す彼女とのやり取りは、先程のシロエとにゃん太のやり取りを復興さるものであった


「パンツ君!いきんすよ!」

「パンツ神か!了解だ!〈キャッスル・オブ・ストーン〉っ!!」

「広範囲魔法とおりやすぇ?〈狐火〉っ!!!」

「〈狐火〉だと!?くっ!!回避しろ!」


 直継は叫ぶと共に、盾を引き寄せて不動の構えをとる。直継の盾も、鎧も、そして剣さえも悠久の歴史を感じさせるような大理石の光沢を帯びて魔力と気をまき散らす。そして、彼女の9本の尻尾から青みを帯びた炎が一斉に燃え上がった!

炎は直継を含む8人の〈ブリガンティア〉を飲み込むだけではなく、後方に控えるヒーラー達にも襲い掛かったが、ロンダーグだけは遅れながらも回避に成功したようであった


「シロエェェ・・・わっちは、もういいでありんすよね?」

「はい、ありがとうございます。にゃん太班長行きます!」

「はいですにゃ、シロエっち」

「まだ俺がいるぞ!・・・ッ!?なに!?」


シロエ達を行かせない為にも、自ら動こうとしたロンダークであったが、自身に起きている事態に驚愕した

・・・体が動かないのだ。それだけではなくHPとMPが凄い勢いでなくなっていっているのだ


「これは・・・〈麻痺〉?それに〈感染症〉に〈魔吸〉だと!?」

「おぉ!うまくいったでありんすな?」

「な!?」


ロンダーグの目の前には、いつの間にかバットステータスをつけたであろう彼女が笑いながら佇んでいた


「どういうことだ!〈狐火〉の効果は直撃して効力を発揮する!直撃していない俺には効果が無いはずだ!」

「ふふふん♪答えは『コレ』でありんす」


ロンダーグをおちょくりながら彼女が見せたのは『玉藻前』であった・・・


「わっちの舞は、無色無害でありんす」

「なにを言っている・・・まさか!?」

「ふふ~ん♪せいか~い」

「攻撃の迷彩化、か・・・・さすが〈秘法級〉だ」


彼女がやった事は簡単で9本の〈狐火〉中、2本を迷彩化し背景に同化させて見えなくし、解き放っただけであった


「わっちもぬしが一番あぶな~思んして、2本ともいかせてもらいんした」

「ふっ・・・あの〈九尾のくずのは〉に目を付けられるとはな、俺も運がないものだ」

「照れてしまいんす 、やめてくんなまし?それと、わっち は『くー』でありんす 」

「まぁいい、もうじき決着は付くだろう。俺に構わずヤレ」

「潔い事は美徳でありんす♪でわでわ・・・・〈黄泉送り〉」


ニコニコと笑いながら棒立ち状態のロンダーグに、己が手に持つ扇子を突き立てた

突き立てた先に淡い光が灯った瞬間・・・・ロンダーグのHPバーは一気に0へと変化し彼は絶命したのであった・・・

絶命し消えていった彼の後には少しばかりの金とアイテムが散らばり、彼が聖堂に送られた事が証明される

彼の周りにいた〈ブリガンティア〉も参謀である彼の敗北が信じられないのか只沈黙するのみであった・・・


「・・・まったく、やっとおわりんしたか」


 凍り付いた沈黙を切り裂いたのは、〈鷲獅子〉(グリフォン)の鋭い鳴き声だった。西の空から現われた三騎のグリフォンは矢じりのような編隊を持って些か乱暴にシロエ達に向かって舞い降りてくる


「お~い!パンツ神!行くぞ!」

「わかりんした、パンツ君」


こうして三頭の巨大な飛行生物は、呆然とした〈ブリガンティア〉が見守る中、雄大でどう猛な羽ばたきを残して、南西へと飛び立っていった





next 家に帰るまでが遠足です!

「……主」

「どうしたんだい、アカツキ?」

「私の出番が……」

「…………」

「なにか言ってくれ、主!?」

「ほ、ほら!他のモブ倒したし?」

「描写が……」

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