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ログ・ホライズン ~わっちはお狐様でありんす~  作者: 祈願
〈裏表〉 :東の狐と西の狐
34/47

『3』ぁ、フライングだ『4』!色々と…

〈林檎の砂糖漬け〉


りんごは八つ切りにして芯を取り、更に5mmほどの厚さに切る

熱湯消毒した瓶に砂糖と交互に詰め、常温で3日ほど置いておく。

水分が上がってきたら冷蔵庫で3ヶ月ほど保存できます。

食べ方の例:そのまま食べる、アップルパイの具にする、紅茶に入れる、トーストに乗せてシロップをかけて焼く・・・etc.



「v密※項来g法目:世#※魔!とp険者」著作者:cznh

よりf粋……


あは~♪

これはこれは~クーさんはびびっと電光石火中ですね?!Bダッシュ過ぎて思考停止中してます!

書き直しもしない程、忙しかったんですね~

ちょっろっと盗み見てるのもココロ苦しいのでフォロー入れるです!


林檎の砂糖漬けは、甘く甘いボクみたいな食べ物ですね!

あ、でも…林檎と違ってボクは甘くないぞ?もし手を出して来るようなら白い車に乗ったお兄さんに連行してもらうです☆

ボクはみんなモノ!それが銀河系アイドルですね!


by Galaxy idol  tetora



この一文は後日、12月に書かれたものである

のちにこれが原因で第一次銀狐戦争が始まったのであった……





ログ・ホライゾン ~わっちがお狐様でありんす~


腹黒眼鏡と狂騎士!並べるとこちが敵役でありんすね?




〈くずのは〉が翔るグリフォンは瞬く内にルディ達やキャラバンを米粒になるまで上昇した。もとよりアキバから然程、離れていない『八の運河のハイコースト』では少し高度を上げるだけでアキバの町を象徴する古代樹の緑を拝む事ができる


〈くずのは〉はそのままの高度を保ちながら一気に加速しアキバの町へと向かい始めた

途中で街へと向かうキャラバンやポニーに荷物を背負わせた個人の交易商などがポツポツと伺えたが、今の高度では気づく事はない、気づかれて騒ぎになってしまうと時間を捕られてしまうので人目に隠れ高度を保っているのだ


……空の王者とも呼ばれるグリフォンが超高速で移動してるのを見たら〈大地人〉だけではなく〈冒険者〉もビビるよ


風圧に目を細目ながらも、まるで巨大な爆発でなぎ倒されたような、瓦礫の堆積でしかない、アキバ南方特有の景色を抜け〈くずのは〉はアキバの町へ突入した


―――湧き上がる歓声、行き交う人々、そして港に見える大きな船

町は賑わい誰もが出店や露店、出し物に夢中になってグリフォンが町に侵入した事も上空に停滞している事も気づかない、町の防衛は大丈夫なのか?と疑問を抱く事態だが、これは好機とばかりに、懐から細く小さい望遠鏡を取り出し辺りを観察し始めた


「町の妨害は……概ね大丈夫そうね。事前に予行練習を行い連携や体制を強化してあるし……シロエの策かしら?人的被害は色香と人を使い対処している。……それとあの船は噂の精霊船ね。西の貴族が来ているのだから来船しても可笑しくはないけれど、貴族を運ぶだけで出航するには損失が大き過ぎる。裏があるとしたら貨物、かしら?……被害内容がもう少しわかれば目的も明確にわか……いるじゃない情報」


一通り、考えられる事柄から予測を立てた〈くずのは〉の視線の先には、柔らかそうな布地で作られたシャツの上に、丈の長いフード付きチョッキをまとった姿の青年、シロエが行く方向から考察するにレイネシアの居住する『水楓の館』へ足を進めていたのだ


〈くずのは〉はシロエの方にグリフォンの手綱を向けて、そのまま通り過ぎるかと思いきや何の躊躇もなく飛び降りた。いきなり乗り手がいなくなった事に驚くグリフォンが声を上げるが、当の本人は何事もないようにシロエの前方にストンと重力を無視したように降り立ったのだ


「ッ!?〈くずのは〉!?」

「ごきげんいかがかしら、シロエ?随分やり込められたようだけど」


いきなり現れた事に驚き、声を上げるが〈くずのは〉の言葉に納得したと眼鏡をかけ直した


「気づいていましたか……えぇ、相手が子供だったので対応に困りましたよ」

「子供?…――ッ!?まさか、無計画犯行なんてね。叱る大人が大勢いれば子供も大人しくなるでしょう」

「流石ですね、僕は答えに行き着くまで頭を抱えっぱなしでしたよ」


肩をすかし、おどけるとシロエは危ない笑みを浮かべながら笑った


「なので僕は主犯に仕返しと天秤祭りを盛り上げて参加者を満足させる為にレイネシア姫へのもとへ行きます」

「あら?レイネシアに泥を塗るようなら……殺すわよ、シロエ?」

「いえいえ、〈くずのは〉……どちらかと言うとクーの方がお気にめすと思いますよ?」

「ふん、いいでしょう、今回は貴方の策に乗りましょう。でも……」


何時のもにか出した扇子で口元を隠すと、横目にシロエを睨んだ


「主犯は私が貰うわ。優しいシロエは相手を奈落の底に落とす事をしないでしょうからね?」


低く嗤う〈くずのは〉の口元は扇子で隠されていて、見えなかったがシロエには狂喜で歪めている事が容易に想像できた


「そうね……貴方も手伝いなさい、立場とか黒い所とか色々使えるわ。断ってもいいけど……わかっているでしょうね?」

「ハイ、手伝ワセテイタダキマス」


もはやシロエの返事はYESしかなかった







「ふんっ。どうしたのですかね? よもや準備が出来てないなどとは云いますまい? あれだけ事前に申し込みを行なったわけですし」

「その……」


レイネシアは窮地に立たされていた

ことは、ルンドスタード卿が輸送船でアキバに向かうに当たり、事前に倉庫を借りられるよう、レイネシアの方に打診してレイネシア自身が倉庫の準備を確約していたのだが、それを祭りの準備の中で失念してしまったのだ


もちろん、実際には何が起きたかは判らない。伝達の事故で連絡そのものが届いていなかったのか、それとも事務メイドが失念したのか、それともレイネシアがあまりの忙しさに書類をどこかに紛れ込ませてしまったのか……。


しかし、今更それを問い直している暇はない。

ルンドスタード卿は、レイネシア側からの返事も所持しているのだ。事ここにいたってはレイネシアの落ち度という他はないのだが……


「いい加減、返答を返して貰いたいものですな!こちらは貴女みたいに暇なのではないのですよ?さぁ!」

「その……」


謝ることは、容易い。

しかしこういった交渉に不慣れなレイネシアは、頭を下げて良い場面なのかどうなのか判断がつかないのだ。


「それがコーウェンの作法ですかな? それとも〈冒険者〉――アキバの街との協力関係を作ったというのが眉唾であったのかな?」


せせら笑うような声に俯いたレイネシア。

云い返したい言葉はあふれているのだが、そのどれが正しく、あるいは危険なのかが判らないのだ。

とにかく謝罪し、船荷の保証を含め、事を穏便に処理しなければ。細かい手順については追々考えるとして、今はこの問題を、せめて宴の後に繰り延べられないか? レイネシアは痺れきった頭でそう考える。


「こんばんわ!」


豪華な絨毯に視線を落とし、凍り付くように固まっていたレイネシアは、その色がふと陰ったことにより、自分の前に誰かが立ったことを知る。弾かれたように上げた瞳に映った背中は、ザントリーフへと向かった運命の演説の日、レイネシアを引き返せない崖から突き落とした犯人である、シロエと……


「ごきげんよう、レイネシア」


マイハマで条約が結ばれた際に行われた祭典で突然と現れ、自分の味方になってくれると言ってくれた狐の女性であった


「……シロエさま、クーさま?」

「これはどちらかな」

「失礼いたしました。僕は〈円卓会議〉11ギルドのひとつ〈記録の地平線〉を率いるシロエと云います」

「同じく〈記録の地平線〉にてシロエを補佐する〈くずのは〉と云います」

「お二人は……。家名は無いのですな? ほうぅ」

「ええ。私達は〈冒険者〉ですからね」


レイネシアの目の前で、街着を身につけた青年は、西の大貴族を前にしても、飄々とした態度を崩さなかった。言葉につまったレイネシアはそれでも半歩踏み出す。〈大地人〉の礼節や風習を知らない〈冒険者〉では、どのようなトラブルを呼び込むか計り知れない。彼女はそれを防ぐためにアキバの盾となる決意を固めたのだ。


しかしそのレイネシアの肩をそっと、だが有無を云わせぬ力強さで制止する手があった。絹のように滑らかで白く美しい手は、〈くずのは〉のそれである。レイネシアを横から制止した〈くずのは〉はそっとレイネシアの耳に優しく囁いた


「言ったでしょ?傍にいると」


ルンドスタード卿が目の前にいると言うのに優しく微笑んでくれる彼女にどこか安心と安らぎを感じてしまう


シロエ達の登場により事態は急展開した

レイネシア側の不手際で、マルヴェス卿の積荷受け入れ不可能というトラブルを積載量500トンの商船の積荷全てを〈海洋機構〉の倉庫が受け入れることでトラブル解決に導いたのだ


一方、険しい表情になったルンドスタードはいらだたしげに舌打ちを行ない激しい怒気をみせ叩きつけるように辞去の言葉を残し、大広間から去って行こうとしたのだが……


「少しお待ちを…ルンドスタード卿」


今まで沈黙を保っていた女性が上げた停止の声に足を止めたのだ


「……なんだ、まだ私に用があるというのか?私は忙しいのだ」

「いえ、直ぐに済むことですわ。こちらに署名を……」


〈くずのは〉から差し出された書状を乱暴に受け取ると内容を確認し始めた

ルンドスタードも最初は倉庫に用いる許可書類だと思い読み進めていたのだが、突如、怒声を上げて〈くずのは〉に攻め寄り胸倉を掴み上げたのだ


ホール内は騒然となった〈大地人〉が〈冒険者〉を、しかも女性に手を出したのだから…


「ふざけるなっ!なんだこの書状は!我々を陥れようとしているのか!?」


ルンドスタードの罵声にレイネシアの顔に緊張が走った

折角、無事に解体できた爆弾がまた作り直され爆発しそうになっているのだから……


「陥れる?…ご冗談を、この書状の通り、レイネシアが倉庫を用意するにあたり、保管費・管理費・運搬費含め金貨200万枚をお納めになると事前に約定が成って御出でではないですか、こちらには何も非はございません」


金貨200万枚と言う言葉に辺りはざわめきはじめた

その多額な金貨、なによりレイネシアはそんな約定など知らないと目を見開き驚いた

傍に立つクラスティに視線を送ると此方も初めて知ったのか口を開けて驚いている


「……レイネシア姫、クラスティさん」


二人にしか聞こえない程度の声をかけて来たのは先のトラブルを見事解決に導いたシロエであった


「……シロエくん、これは」

「すみません、うちの駄狐が……今回の件、相当頭に来ていまして…『只では帰さん、絞り殺す』だそうです」


シロエの言葉にクラスティは大きくため息をついた


「……やり方はアチラと同じだね?ここで文句を云い様なら自分が不正した事を明かす事になる。貴族とは云え〈大地人〉、護衛の〈冒険者〉も含め対した障害にはならないだろう」

「えぇ、彼女に言われてありもしない書状を書かされましたよ。……本当にレイネシア姫も大変な人に目をつけられましたね?」

「へぇ!?私ですか?」

「貴方は彼女のお気に入りだそうですよ?」

「ははは、は……」


もはや乾いた笑いしかでなかった

傍にいる、力にもなると言ってくれた人は同じ〈冒険者〉に変人のレッテルを貼られている事に気づいてしまったのだから


「積載量500トン、しかも神聖皇国の斎宮家へも降ろされる最高級があるとか…警備費も含めれば当たり前の金額ですが……こちらにはレイネシアの件もありますので、ミチタカさん、金貨100万枚でお借りできますか?」

「ん?あぁ、構わない。もしろ貰い過ぎな―――ッ!?き、厳しいがなんとかして見せよう!」

「そうですか、よかったですね。ルンドスタード卿、半額になりましたよ?」

「だまれ魔女め!こんな約定など私は知らない!」

「あら、それは其方の落ち度では?書状には確かにルンドスタード家と、かの〈十席会議〉第三席の返事も確かに受け取っておりますわ?それでも知らないとは……先程のレイネシアみたいですね?」

「き、きさま!私を小娘と同じだと言いたいのか!」

「同じではないですか……それでどうします?……倉庫、使いますよね?なにせ神聖皇国の斎宮家への品もありますから」

「ぐっ!つ、使わ「あぁ、使わなくてもいいですよ?“約定”では『用意する』とあり、使用する有無は関係ありませんから」き、きさま!?」




「……どちらが悪者なのかわからなくなって来ましたわ」


レイネシアは、両脚からへなへなと力が抜けていくのを感じた。あんなに恐れを抱いていたルンドスタードが彼女によってプライドをズタズタに傷つけられ、更には思いがけない副収入まで得られそうなのだから……


「良し、こっちは処理終わった。後はよろしく」

「判りましたわ、シロエ様」

「了解だ。主君」


その精神的な隙を突くように、レイネシアはずるずると引きずられてゆく。契約延長をしたはずの自分の騎士が小さく手を振って見送った事に、レイネシアが気づいたのは下着だけに剥かれた後のことだった。




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