異世界恋愛で良くあるクソな聖女が召喚される件
え、何故、聖女がクソっかて?
そりゃ、当たり前だ。
女神様がクソだからだ。
当然の帰結だ。
「そんなことあり得ませんわ・・」
だって、そうだろう。女神様が慈愛に満ちている存在なら、何故、この世界は戦争、差別、貧富の差に満ちている?
何故なら、女神自身が狡猾で性悪に違いない。
「根拠はございますの?」
「ああ、俺は女神に会った。転移するときにな。『魔王を倒して下さいませ』と頼まれた」
☆☆☆
女神様は金髪碧眼、古代ギリシャのような服を着ていた。とても美しい女だったよ。
『・・・貴方は選ばれました。どうか、我が世界に行き女神教徒を魔王から守って下さい』
魔王を倒せば世の中が平和になるって言うのか?違うよな。
だから、俺は断った。
『まあ、どうしてかしら・・・』
『日本に帰してくれよ』
『それは出来ませんわ。転移しなければ魂は永遠に闇を彷徨いますわ』
『いや、それで良い』
『なら・・・特別にスキルは好きな物を授けます』
『なら、銃や弾薬を使えるようにしろよ。後、現代日本で使える物』
『まあ、特別ですわ。承りましたわ』
『おお、64式か、懐かしいな』
俺は自衛隊から傭兵に行った変わり種だ。
弾丸はやっぱり7.62ミリが良い。
いや、話は脱線した。
『ほお、ほお、魔素でコピーするのか・・』
『ええ、左様ですわ。なら、行って下さいますよね』
『ああ、お前を殺してな』
引き金を連射で引いた。
実体があったようだ。
女神の顔は半分吹き飛んだ。
吹き飛んだ方の顔を片手で押さえて・・・笑っていやがった。
『フフフフフ、それで良いわ。それでこそ我が子たちは強くなるわ』
トチ狂っているだろう。
・・・・・・・・・・・・・・・・
「生物として人族を見たら、ズルい方が生き残る。だから女神は喜んだのではないかな?」
「信じられませんわ」
「なら、自国に現れた聖女をどう見る?どう見てもただの尻軽女、婚約者だっけ?あんたの王子を取ろうとしている」
「そうかもしれませんわ・・・私はどうしたら宜しいですか?」
「その聖女の名は?」
「パラリラ・スズキ様ですわ」
「うわ。これは・・・殺してOKでしょう?依頼する?」
「・・・マツナガ殿、我が家門の名誉にかけて殺人の依頼は出来ませんわ。解決策の提示をお願いします」
「ああ、分かった。あんたの家門とやらは誠実だ。だから女神は嫌って聖女をアンチとして出したのかもな」
・・・・私は異世界人から話を聞いた後、そのまま王宮に戻った。私は王太子の婚約者、イシュルタ。王宮は半年前に現れた聖女に皆夢中だわ。
「キャハハハハ~、パラリラは楽しいな」
「ああ、どこぞの公爵令嬢と違って表情が豊かだ」
「チョー、嬉しい」
ちょうど王宮のテラスで戯れているわ。
聖女のお勤めもしないで贅沢三昧、指の全てに指輪をはめている。男達から贈られているのね。
「パラリラ様!」
私は声をかけた。
「あ~、何?今、取り込んでいるのですけど!学校に行かない」
「そうだ、イシュタル、また、小言か?」
マツナガ様から渡されたスマホという小型の魔道具を向ける。
そして・・・言われた詠唱を述べる。ところどころ異世界語が混じっている。
「チョー、ご機嫌、王宮、王子と聖女のラブラブ~配信、(キックトッキン)にあげる系、いいネヨロ~」
するとパラリラ様の顔は変わった。
「ああ、もう、いいネついている感じ~、パラリラ様、見て!」
この世代は(いいネ)が付くことを至上命題にしているようだ。意味が分からない。
パラリラ様は食いついて来た。
「それ、iPhone?頂戴!」
「パラリラ?」
このアイフォーンと言うものを投げる。テラスから地面に。
「キャア!」
「パラリラ!」
パラリラ様は追いかけて落下した・・・これは、パラリラ様がした選択かしら・・・
マツナガの言葉が浮かぶ。
☆☆☆
『俺は32歳だがもう10歳下の気持は分からない。こんな事件があった』
富士山という山で遭難した奴がいたのだ。
捜索隊が救助した。
命は助かったが、また、すぐに山に登って遭難した。
何故なら自分のスマホを探しにいったのだ。
『スマホは遭難より猛だな』
『意味分かりませんわ』
『命より軽いって事だ。まあ、どうするかはパラリラちゃんの決める事だ』
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「「「パラリラ!」」」
私は業を背負ったわ。
あら、日食だわ。最近多いわね。
辺りは暗闇に包まれたわ。
☆☆☆
「あ、日食か、女神を殺した時もそうだった」
女神がDNAだったらすぐに再生するだろう。
俺は松永、転移した直後もそうだった。どこか神殿に転移したらしい。
俺の転移そっちのけ日食で大騒ぎだった。
だから、こっそり逃げだした。
追いかけて来る者は銃で殺した。
今はしがない冒険者だ。
俺は女神に好かれているらしい。
だから、いつも幸運が舞い込む。
女神教会から追っ手が来ても謎の全滅をする。
「すごいな。マツナガ、ダンジョンでお宝発見するなんて、金貨1000枚だよ」
「ああ」
「侯爵令嬢から縁談が来ているぞ」
女神の言うことを聞くものか。
だから、孤児院に寄付をして。
貴族のお抱えを断る。
しがない冒険者で終わるように頑張るのだ。
これが神を殺した世界へ近づく第一歩だと思う。
最後までお読み頂き有難うございました。




