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転生貴族の荒れ地開拓日誌 魔力詰め込み放題って本当ですか?  作者: 雪
一章 実家脱出編

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2/18

2 オリジナル魔法

〜1週間〜


どうやらここは地球じゃなさそう。


まず言語が聞いた事のないものだ。

そして何より、この世界には()()があった。

部屋の室温を一声で変えたのは音声操作で説明がつくかもしれない。

だけど、メローがおれをあやすために指先に火を灯したり、手から微風を送って来るのを見ると、魔法だと信じるしかなかった。


何で転生したのかは分からないが、おれも魔法覚えたいな…あ、もう眠い…


〜3ヶ月〜


少しずつおれの周りの事が分かって来た。


おれの名前はエルロンド・レイ・オーウェン。

オーウェン家の三男。

メイドがいるし、たぶん貴族。

父はライアン・レイ・オーウェン

兄は、

長男 レオナルド 5才

次男 ヴィルトン 3才

おれにレオ兄様、ヴィル兄様と呼ばせようとして来る。

ただのレオ兄、ヴィル兄で充分だろ…


父はイカつい顔をしてるが整ってはいて、よく難しい顔をしている。


レオ兄は父にそっくり。しかも父を真似ておれの前ではよく難しい顔をする。

剣が好きらしく、いつも木剣を持って現れる。時々それでおれの頬をつついて、ケイトに怒られる。


ケイトはレオに付いてるメイド。

メイド長で、年齢は不詳。

おれが産まれた時、真顔で観察してた女性だ。


ヴィルトンは細面でシュッとしたイケメン。

母親がレオナルドとおれとは違う。

側室のダリアの子だ。

ダリアと一緒に来るが、だいたい無表情でおれを眺めてる。

3歳だし、よく分かってないのかもな。


家族は皆んな色の濃い金髪で、おれとレオナルドは目が青く、ヴィルトンとダリアは目が緑だ。


そして、おれの面倒を主に見てるメイドのメロー、14才。

メローはおれ付きのメイドになるらしい。

ちなみに、王都のメイド学校を若くして優秀な成績で卒業したらしいが、いくつかズルをしたとおれの前で独白してる。

大丈夫なのかこの娘…


茶髪に黒い目、ちょっと日本を思い出す。

よく見ると愛嬌のある顔をしている…ような気がする。

成長したらきっと美人になる…かもしれない。


今日もおれを、おれよりもご機嫌にあやしている。

「は〜い、エルちゃん〜 ベロベロベロ〜ブ〜♪」

もともと抜けてる顔なのに、さらに至近距離でヤバイ変顔を決めてくるので、つい笑ってしまう。

悔しい。


メローは2人の時はおれを“様”ではなく、ちゃん付けで呼んでる。

おれを見て、「まるで女の子みたい!」と言って勝手に決めていた。


母の名前はノエル。

ヴァージル侯爵家から嫁いで来た。

可愛い系の美人。

今世のおれは母似の可愛い顔をしているらしい。


〜 3才 〜

ここでの生活も慣れて、言葉も文字もマスターした。

家では天才扱いされてる。

メローが世話を焼きなおかげかも?


絵本の読み聞かせなんて、「メローが読みたいだけでは?」と思うぐらい毎日読んでくれる。

将来、妹や弟が出来たらおれも絵本を読んであげよう。

ノエル母さん、ダリア母さんの様子を見るに、近いうちに出来ると思う。


この世界の事もだいたい分かった。


この世界の科学技師は未発達だ。

魔力で火も風も起こせてしまうせいだと思う。


魔法の本を読んだ感じだと、

基本は7属性。

誰でも適性がある、火、水、風、土、雷。

滅多に適性がない、光、闇。


我が家は光属性のマジックアイテムで明かりをつけてるけど、一般庶民は火を使ってるらしい。


複合属性もあるみたいだけど、伯爵家のうちですら見た事がない。

たぶんかなり使い手が少ない。


5大属性のうち、雷属性は制御が難しく、我が家では危険なので使用が禁止されてる。

(機械が出来い理由かもな…)

ちなみに、雷属性を使えるのは我が家ではノエル母さんだけ。

母さんはヴァージル侯爵家の6女で、うちに嫁いだ来たらしいが、なんと基本の7属性を全て使える!

そういうユニークスキルを持っているらしい。


言葉をマスターしたのはいいんだが、日本語訛りなのと、まだ舌足らずで上手く喋れてない。

メローはまだ赤ちゃん言葉で話しかけてくるので、そっちに引っ張られる。

メイド達には可愛いと評判だけど、恥ずかしい。


普通に喋ってるつもりだったのに、一人称が「ぼくちゃん」というニュアンスだった時の衝撃は忘れられない。



基本順調だが、問題も起きてる。


次男のヴィル兄がおれの自我に気付いてそう。

最近おれを化け物のように気味悪がって見てくるのだ。

(もしかして、ベットの上でこの世界の言葉を練習してるとこを聞かれたか?)

3歳の子供が「あいうえお、かきくけこ…チッ、ラ行が言いずらいんだよ!舌が絡まるわ!」

とか言ってたらビビるか…


みんなが天才ともてはやすので、調子に乗りすぎたかも…これからは赤ちゃんらしくしようと思う。


現在、兄達と同じ部屋で勉強中。

兄達は文字の読み書き、計算の練習をしてる。

ヴィル兄はちらちらとたまにおれを見てる。

うちは財務系に強い家系らしく、優秀な文官を輩出してきたらしい。

将来、良いスキルを得るために子供にしては厳しい教育を受けてる。


おれはその横で魔法とスキル関連の本を読んでる。

我が家のカリキュラムから逸脱し過ぎて、自由にやらせて貰ってるのだ。

ダリア母さんがやたら魔法の本を薦めてくれるのでありがたく貰ってる。


おれは前世と違って、めちゃくちゃ記憶力がいい。

不思議だったが、たぶんスキルのせい。

そのスキルを意識して本を読むと、一度でほとんど覚えられる。


魔法は、呪文+発動前の魔力のイメージ+発動後の魔力のイメージ、の3つから構成される。


まだ覚えた魔法は、"ステータス表示"、全身に魔力を流す"魔力循環"、好きな場所から魔力を放出する"魔力放出"という、3大基礎魔法だけ。

この基礎魔法は意外に奥が深いので、飽きることなく改良を続けてる。

おれは属性魔法は火と水、雷の才能が高いらしいので、いずれはそっちも学ぶ予定。


スキルは日々の反復で勝手に身につくことがある。

例えばおれは《速読》を覚えた。


例外はユニークスキル。

これは12才の洗礼でしか身につかない。

おれのような貴族の子息は、これで人生の進路が決まるので、逆に得られないと苦労しそう。


おれは転生者なので、すでにそこらの12才より知識がある。

確実に強力なユニークスキルを授かる!…と期待されているが、


(皆んなの期待が怖い…)

おれはステータス表示で発見したスキルを眺める。

()()()()

(どう見てもユニークスキル。)


たぶん、おれの物覚えがいいのはこれのおかげ。

知識を頭に()()()()でるから。


ただ、ユニークスキルって1人1個らしい。


例外的な存在もあるけど、おれは該当してない。

スキルを消す方法なんかも調べたが、現実的なものは見つからなかった。

悩んでもどうしようもないので、せいぜい良いユニークスキルがもらえるよう願って、知識を詰め込んでいこう。


ガタッ!

タタタタタッ!

「待ちなさいっ!」

「あ〜ばよ!」

……

レオ兄が勉強に耐えかねて、窓から飛び出て行った。

家庭教師は目が点になってる。


ヴィル兄は無視して自分の勉強を続けている。

(あっ!レオ兄の問題も解いてあげてる!優しいなあ。)


おれも家庭教師ぐらい驚いてる。

(ここ三階だぞ。もしかして魔法の身体強化と、スキルの《身体強化》をもう両方覚えた?!)


身体強化のように、たまに魔法とスキル両方に同じ効果があるものがあり、両方使うと効果が倍増する。


(レオ兄は、肉体の強さだけなら、すでにオーウェン家一かもしれない…)


〜 5才 〜


魔法の練習の時間。


庭では兄達が的に向かって小さい火の玉(ファイアーボール)を連射してる。

いつ頃からだったか、幼い頃からたくさん魔法を使えば、魔力量と最大火力が増えるという理論が提唱され、今では貴族はなるべく小さい頃から魔法を撃たせるのが常識となっている。


「え〜い」

レオ兄が出した火の玉がゆる~い放物線を描いて「ぽんっ」と的に当たる。

なるべく力を使わずに遠くまで飛ばしてるのが丸分かり。

頭の中では、木剣でも振って英雄ごっことかしてそう。


よく見ると、魔力循環で体に魔力を流しているのが分かる。

身体機能が上昇するのだが、小さい火の玉には何の意味もない。

(まったく、何やってんだか。)


「....」

ヴィル兄はたんたんとこなしている。

火の玉は綺麗に真っ直ぐ撃ちだされ、的に一定のリズムで「シュボッ!シュボッ!」と当たる。


規則正しい音に瞼が重くなってくる。

おれの一番の敵は眠気だ。


おれは三階の自室から兄たちを眺めながら読書をしている。

おれの《詰め込み》は、魔法に魔力を過剰に込めて、威力を強化できる。


ある時、《詰め込み》を使って火の玉を打ったら、威力が高過ぎて庭を抉ってしまった。

それから、攻撃魔法は危ないと、魔法書を取り上げられ、庭で打たせてくれなくなった。

なので、読んでいるのはステータス表示などの基礎魔法の本。


だが残念!

おれはすでに4才の時に家の魔法書は《速読》で読み終え、《詰め込み》で頭の中に入ってる。


最近は確認のために読んでただけ。

今も兄と同じように小さい火の玉を出してる。

さすがに体の周りを衛星のようにグルグル回してるだけだけど。


「ふん♪ふん♪ふん♪」

魔法が無い世界から来たおれにとっては、これだけでも楽しい。

訓練と言うよりお遊び。


そんな事をしていたおかげか、水魔法の小さい水の玉(ウォーターボール)も同じように使えるようになり、スキルの《魔力制御》も覚えた。


雷魔法は危ないから後回し。

いちおう指と指の間に静電気を起こせるようになったけど、それ以上の威力になると感電しそうで怖い。

最も下級の呪文、サンダー(手から目標地点に向かって雷を放つ)ですら、熟練の魔法使いが自滅することがある。

(誰か師匠になってくれないかな〜?)


残念ながら土魔法と風魔法は才能が無いみたいでそれぞれ土がちょっと動く程度と、そよ風が起こせる程度。

(ノエル母さんみたいに、全属性を使いたかったな。)

なんと、ノエル母さんは全属性を使えるユニークスキルを持っているらしい。


「レオナルド君!真剣に撃ちなさい!!」

外から家庭教師の怒声が聞こえてきた。

セレーナ王国の北にあるエメリコとかいう魔法研究が進んだ国から呼び寄せた火魔法使いらしい。


(あー「真剣」なんて言ったらダメなのに...

ほら、レオ兄が剣に意識を持っていかれて魔法が乱れてる。)


(あれ?)

おれの目に、一瞬火の玉が剣みたいな形になったように見えた。

もしかして火の玉の形を変えた?


グルグルさせていた火の玉をいったん止めて、動きよりも形に意識を向けてみる。


(《魔力制御》を使って…)


玉が少し細くなった?

でも剣の形とは程遠い。

(レオ兄、どんだけ剣のイメージしてるんだよ....)


魔法のキモは、最初の呪文、そして発動前と発動後のイメージの3つ。

すでに玉をイメージして発動させた魔法の形を、後から変形させるのは難しい

3つのうち2つがもう決まっているからだ。


なら、初めから剣の形で放出してみたら?


…さっきより断然変えやすい!

でも、呪文が玉使用のままだと完璧な剣にはならないだろう。


呪文をいじる?つまりオリジナル魔法だ。

さすがに転生者のおれでも簡単にはできる事じゃない。

でも、火の玉ができたら、水の玉もできるかもしれない。

そしたら剣以外の形にも!

わざわざ形を変えても、威力は変わらないし、使う魔力が増えるだけ。

意味があるかはわからない。


(でも面白そう!)


おれはオリジナル魔法の開発に日々を費やしていった。


ーーーーー

エルロンド・レイ・オーウェン 5才

【魔法】

ステータス表示、魔力循環、魔力放出

【スキル】

《詰め込み》《速読》《魔力制御》


反応などいただけたら幸いです。

誤字脱字、気になる点も遠慮なくどうぞ。

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