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転生貴族の荒れ地開拓日誌 魔力詰め込み放題って本当ですか?  作者: 雪
一章 実家脱出編

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14/18

14 vsワイルダー②

馬車の中で待機していたシーナとメローは、食い入るように前方の様子を伺っていた。

「視界が白くなって何も見えなくなってしまいました…ご主人様は大丈夫なのでしょうか…」

「エル様はきっと大丈夫です。賊ごときに遅れは取りません。」

メローはきっぱりと断言した。


その時

「誰か来ます!…2人!」

「そんな!?」

急いで馬車の小窓を閉じ、扉に鍵をかける。

メローは剣を構え、念のため鍵穴を槌で潰した。

(エル様にわたし達以外の味方が現れたとは考えにくい…そんな、まさか…)


シーナも震える手で短剣を構える。

(ご主人様の仇!)


馬車の前で2人分の足音が止まった。


ガチャガチャ

バキンッ


「お待た 」

「「はあー!」」

「うわぁ!」

エルは何とか2人の攻撃を避けた。



「「申し訳ございません!」」

「ご主人様の仇かと思って…」

気まずさから、メローは話を逸らす。

「あの、後ろのかたは確か…」


「あぁ、彼はアストン。レオ兄の元家庭教師だ。」

「やっぱり!」

「あの、いったい何が…」

「いま説明するよ。」


〜〜少し前〜〜

臨戦態勢を取ったワイルダーを、エルが慌てて止める。


「待て!依頼書は無いが証明は出来る!」

せめて、飛び道具を避けれるぐらい動けるようになるまで、時間を稼ぐ!

「…」

「おれはすでに標的を始末してたんだ。」

「それで?」

「これを見ろ。」


おれは自分の冒険者証を、シーナの鼻血を拭いたハンカチで包み、ワイルダーへ投げた。

「おれの標的はこの街のE級冒険者エルだった。そいつは指名依頼を受けるほどの実力の持ち主。奴が秘密裏に毒草を採取し、ライアン様に盛ろうとしていたのを察知し、おれが始末した。」

「エル?…」

まずいか?もっと、別の名前にすれば良かった…


「エルなんぞ珍しい名前じゃないだろう?冒険者を殺した事がバレればどうなるかはお前も知ってるはず。おれはオーウェン家の名誉を守るために人目を忍んで家を出るしかなかったんだ。」


「…鑑定…」

こいつやっぱり鑑定を使えたのか。

「うん。これは本物のE級冒険者証だね。」

そのとおりだとも。

「…鑑定…」

ん?今度は何を鑑定した?


「この血も本物か。君のらしい血も混ざってるけど、ほとんどは若い女の血。エルとやらは女冒険者か。」

「そうだ。まあ武力じゃなく、毒を盛って殺そうとするような奴だからな。」

男って言わなくてよかった。


「いいだろう。ただしメイドと御者は殺すよ。あの2人はどう見ても同業者じゃないだろう。」

「待て、メイドはおれの生まれた時からの付き合いで信用できるし、御者はおれの奴隷だから裏切れない。」

「奴隷の手下まで持ってるのかい?分かった。奴隷紋を見たら信用する。でもメイドはダメだ。あれは口が軽い信用できないね。」

「…分かった。」

時間は稼いだ。


ワイルダーがこっちへやって来た。

冒険者証とハンカチをおれの方へ手渡してきた、


シュッ!ヒュン!

小魚とワイルダーのナイフが交差した。


ワイルダーは後ろに飛び去る。

「やっぱりお前もおれを殺すつもりだったか。」

今の距離で3匹動かしてカスりもしない?

こいつ、レオ兄のように身体強化を魔法とスキルで習得してるな。

こいつには、100匹出しても当たらないな。


「当然だろ。僕の鑑定も騙されたからね。ギルドの鑑定水晶が騙される可能性もある。こんなんじゃあ証拠不十分だよ。」

互いに信用する訳がなかった。


おれは最後の魔力を振り絞って魚達に魔力を注ぎ込む。属性は雷。

「おれのオリジナル魔法だ。名前は魚雷。受けてみろ!」

ワイルダーへ魚達を集中させた。


ーーーー


「あはははは!すごい制御だねえ。ヴィルトン様の《精密》並みかな?でも、こんな遅い魚じゃ当たらないね!」

ワイルダーはまるで踊るように飛び回って魚雷をかわしていく。

(魚雷達より僕の方が速い。このまま魔力切れを狙ってもいいし、一度退散してから出直してもいい。僕の勝利は揺るがない!)


ワイルダーは《隠密》で匂いと音を消して近づく事が出来る。

最初の急襲で、エルが《隠密》に対処出来ない事を把握済みだ。


「君の魔力は後何分もつかな?」

魚雷をかわしながら観察していると、エルが胸ポケットに手を突っ込んだ。それも()()()ずっぽりと。

(何だ?まさかアイテムボックスになってるのか?)


妨害のために投げナイフを放つが、短剣で防がれる。

(動きが戻ってきてる。解毒魔法でも使えるのか?)


エルが取り出したのは大瓶だった。

(何だ?うっすら光ってる?)

エルが大瓶から何かを飲み始めた。

(魔力水か!!)

まさしく、エルが飲んだのは魔力水だった。

それもお手製の超高濃度の。

(どんな魔法を出してくる!)

場合によっては撤退を視野に入れるワイルダー。


エルが出したのは火と水の大魚だった。

(威力重視だろうがどっちも遅い。僕なら避けられる!)

しかし飛んできた魚はワイルダーの前で衝突事故を起こした。


困惑するワイルダーの視界が真っ白になった。

(何だ!ミスじゃなかったのか!?)


そこら中で火と水の魚が衝突して霧が発生していた。


エルの声が聞こえてきた。

「痺れろ!」


「ぐああぁあ」


ワイルダーは意識を失った。

反応などいただけたら幸いです。

誤字脱字、気になる点も遠慮なくどうぞ。

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