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ま~しまろぅう

作者: たかさば
掲載日:2026/01/15

 ……とある山あいの村に、神様と呼ばれる存在がいた。


 神様は、木くずを寄せ集めて作られた粗末な箱の中に住んでいた。

 毎朝、日が昇ると、神様はゆっくりと姿を現した。そして、日が沈むまで太陽の光を浴びながら、気ままに村人と語り合った。


 その姿は、人のようでありながら…どうしても人とは思えない、不思議なものだった。


 サワサワとした白と黒の毛が蓄えられた頭、顔の一部には細工の施されたきらりと光るものが覆いかぶさっており、見たこともないような色の衣をまとっているうえに、信じられないほど…大きかった。

 背丈のほどは確かに村の女性と同じくらいなのだが、幅と厚みが二人分…へたをすれば三人分くらいあったのである。


 しかし、村人たちは、その異形を恐れることはなかった。

 むしろ、神様の存在は村にとって欠かせない“幸福の源”だったからだ。


 神様の体は、到底人間とは思えぬほど柔らかかった。

 それは、触れた者の胸の奥に…温かい充足感を満たした。

 この場所に村ができたのも、神様と懇意だった村長の曽祖父が幼い頃より十二分に幸福を与えられ続けた結果であったのだ。


 普段は顔や手を触らせてくれる神様だが、時折、別の部分に触れることも許した。


 上腕の裏側の柔らかな部分は、悲しみを吹き飛ばすほどの心地よさを持っていた。

 腹のあたりは、触れた者のあらゆる負の感情を溶かし、生まれ変わったような気持ちにしてくれた。


 そして、腹の上にある…二つのたゆみ。

 それは“幻の聖域”と呼ばれ、滅多に触れることができない部分であった。

 無理に触れようとすれば、神様はすぐに箱の奥へ隠れてしまう。

 しかし、もし触れることができれば…、底知れぬ力が湧き出し、奇跡すら起こるとされていた。


 神様は、ずっと村人と共にあった。


 共に笑い、時に怒り、悲しむこともあった。

 そして時折、遠くを見つめて…沈黙した。

 自らの過去や使命、名前を語ることはなかった。


 神様は…常に村人たちと寄り添い、助言を与えた。

 誰も思いつかないような視点で物事を見据え、問題を解決する事も少なくなかった。


 唯一無二の存在として、村の中心にいた、神様。

 村人たちは、神様がたまに口にする不思議な言葉を拝借し…愛情を込めて『ま~しまろぅう様』と呼んだ。


【ま~しまろぅう】…それはあまり自らのことを語らぬ神様が、かつて口にしたという…幻の食べ物の名前である。

 白くて、ふわふわで、甘くて、口の中が幸せでいっぱいになる…夢のような”オカシ”。

 何度も作ろうと試みて、結局達成に至らなかった…神秘の物体。

 人体にも適応される言葉であるようだったが、村にはそれにふさわしいものが一人もいないのだと…神様は語った。

 だからこそ、唯一相応しい姿を持つ神様を『ま~しまろぅう様』と呼び、慕うようになったのである。


 いつまでも続くと思われた、のどかな毎日。


 だが、村が発展するにつれ、少しずつ…変化は訪れた。


 ……神様に似た姿をした者たちが、村の中に現れ始めたころから、急激に環境が変わり始めた。


 神様ほどではないが…同じような柔らかさを持つことができた、村人。


 最初は確かに、「ま~しまろぅう様とにてる!」と、はしゃいだだけだった。

 誰が一番神様と似ているか、触り比べては盛り上がる、それだけだった。


 その体を使って…、金を稼ぎ始めるものがあらわれるまで。

 それほど、時間は…かからなかった。


 やがて、神様そっくりの体を持つ者たちは『マーシビト』と呼ばれはじめた。

 そして、その生産と出荷が、村の主要産業となった。


 ……村は急速に大きくなり、山は切り開かれた。


 神様の箱は、景観にそぐわない“古いもの”として扱われるようになった。


 いつしか、誰も…神様の元を訪れなくなった。


 そして、ある日。

 神様は誰にも知らせることなく、誰一人知らないうちに…忽然と姿を消した。


 空になった木箱は取り壊され、その跡地にはマーシビトのエサを作る工場が建てられた。


 神様がいなくても、村は繁栄を続けた。

 その繁栄は、80年ほど続いた。


 ……とある寒い冬の夜。


 増えすぎたマーシビトが、反乱を起こした。

 そして、その事件をきっかけに、村は一気に衰退した。


 自由を自慢の肉厚で奪い取ったマーシビトたちは、新たな村を作った。


 彼らは、懸命に働くうちに…小さくなり始めた。


 小さくならない者もいたが、皆短命だった。

 協力できない者もいたが、やはり短命だった。


 そして、いつしか…マーシビトしかいなかった村には、普通の人間だけが暮らすようになった。


 人々は、かつてこの地にいたという神様を思い出し、小さな祠を建てた。



 村人たちは、いつ神様が戻ってきてもいいように…、毎日欠かさず掃除をしている。

 記録や言い伝えをもとにして神様の姿を再現し、毎日ひたすらに硬い像を磨いている。



 しかし、どれほど祈っても、願っても、神様は現れない。




 ……ある日、一人の少女が祠を訪れ、静かに手を合わせた。



「ま~しまろぅうさま、あのね…、ミユ、おなか…空いたの。ましゅまろぅ、おなかいっぱい、食べたいの」



 くぅ~、きゅるる‥‥‥



 少女の腹が鳴った、その瞬間。

 祠の奥から、ふわりと温かい光があふれ出した。



 目を見開き、光の中に浮かぶ影を見つめる、少女。



 かつて村に幸福をもたらしたという“あの姿”に、どこか似ているような……?




 ………新たな物語が、今…、始まろうとしている。


~神様サイド~


…げえ!!!

なんかいきなり、異世界転移、キタ――(゜∀゜;)――!!!


うぉおおお、 マ ジ か ! !


なんであたし?!

こんな…何のとりえもないただの中年太り若白髪おばさん、需要なんてあるわけないじゃん!!!


ええと、ステータス表示…って、ちょ!!


明らかに過体重の老婆寄りのおばちゃんって…誰の事だアアアアア!!!

レベル621?!

明らかに誕生日から引っ張ってきたな、手抜きすんな!!!

てゆっか…なんかスキル欄がみっちりと…はい?!

【時間外生命体】?!

この世界の時間の流れはあなたにマッチしてないので年も取らないし疲れない♪今の状態が永遠に続くお♡ってナニ?!

【ご都合魔法】?!

ノリで魔法が発動するお♡マジックポイントとか気にすんなし☆って、はあ?!

【透け透け人生クン】?!

気になるあの子の人生がバッチリ見えるお♡頑張れば前世も来世も見えちゃうぞ(@_@;)とか…なんそれ?!

【ガッツリ丸見え大サービス】?!

この世界の設定資料集を出血大サービスで丸見せしちゃうんだお♡…もしかしてフルに利用しろっていうこと?!


ナニこの…やっつけ&押し付けっぷり!!!

しかも…変なお財布とスマホが…、うん??

メール来てる、なになに…。


【しばらくマルっと任せるお♡美味しいもんいっぱい詰めたお財布サイズの無限収納もあげるからヨロ♪そのうち迎えに行くからガ~ンバ♡なおこのメールは送信専用です(;^ω^)あしからず…m(__)m】


…ッ!!!

か―――――――――――――!!!


これ、逃げられない奴じゃん!!

くっそー、 ハ メ ら れ た ! ! !


と、とりあえず家を…ええと、自分の時間は止まってるから、トイレは必要ない、眠らないからベッドもいらない…いや、横になる場所は欲しい!


とりあえず大自然バンザイテイストで住処を…って。

なんか…ちびっ子がこっち見てるー!!!


…うう、口減らしのために捨てられた子供かぁ。

ガリガリにやせてるじゃん、息子はプクプク系男児だったから心が…痛い!!

これはみっちり太らせねばなるまい!!

まあ、あたしほど膨らむ必要はないけど…。


ちびっこの面倒を見ながら森を開拓してたら、でっかい鶏が兄ちゃんと姉ちゃん持ってきた。

チラリとみて鑑定すると…ああ、どこぞの国の訳ありカップルね。

ふむふむ、面倒見るお♡

おなかのあかたんが育ったら、ぜひともちびっ子の嫁に!!


なんか知らんけど、いつの間にか人間増えたな~。


でっかいのがどこからともなくつれてくる人間が多すぎるんだよね、生贄に差し出されたらしいんだけどさ!

神獣が人間の肉なんか食うわけないのにさあ、ホントこの世界に暮らしてる一部の頭でっかちってのはショーもないよね!


…いっそのこと村を鬼進化させて世界そのものを改変するか?

でもなあ、異世界で令和ジャパンの常識に塗り替えるとかさあ、どこぞのラノベ臭くて…いい年したおばちゃんにはこっぱずかしいおwww


ま、なんとかなるか!

ノリと雰囲気で、ちゃっちゃかできる事してこっと♪


…って、なんかおかしな展開になってきたorz


ヤバいなあ、ちびっ子が寝ぐずってる時にぷにぷに触らせてた二の腕の脂肪部分やおなかのブヨブヨ、気付いたらみんなが触りに来て…ありがたがってんだけど?!


確かにさあ、食べ物も貧弱でみんなガリガリにやせてるから…豊満な肉の手触りに憧れるのはわかるよよ? 若い女子のマシュマロボディとかさあ、ホント触り心地のトップオブトップだと思うし…。ま、一番の手触りは、張りのなくなりはじめた頃の中年のほんのすこーし萎み始めたぷにぷにのお肉だけどね!!


それにしてもさあ、この展開は…あんまりじゃない?

勝手に人の脂肪を神聖化して、思い込みから自分のスキルをグレードアップさせて無双始めちゃってんのは…どこのどいつだい?!…この村の、住人だよっ!!!

てゆっか妄信がすごすぎる、老いも若きも男も女も獣人に妖精にショボい神様に幽霊その他もろもろ、人魚までわざわざ足生やして訪ねてくるとか…勘弁してえええ!!!


ようやく食糧事情が安定して、村の中に肥えた個体がボチボチ確認できるようになってきた♡

このままみんなでむっちり肥えて、タプタプ族ブヨブヨの里にするのもよきかな、よきかな♡


…って、ちょっと待て。


なんか思いもしない展開、キタ――(゜∀゜;;)――!!


肥えさせて出荷とか、どこのブロイラーだよ!!!

これは実に宜しくない、どうにかして修正をおおおおおおお!!!


うーん、なんともならんくなってきたorz

そうだなあ、デブが増えたからあたしのありがたみが埋もれちゃったんだね、脂肪だけにw


ヤバイ、これってもしかして…絶滅ルート?

さすがに後味悪いぞ…って!!!


このタイミングで、失礼千万無礼大魔王の諸悪の根源が…へらへらして迎えにキタ━(゜∀゜)━!!


ちょ、有無を言わさず強制帰還?!

結末、見れないパターン?!


そんな、バカナー!!!


め っ ち ゃ  性 格 、 悪 す g … …


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