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「制度の縛り」と「文化の魂」の断絶:倫理再設計の緊急性
この「グローバル倫理」の輸入と、基盤テクノロジーによるその強制力は、「制度の縛り」と「文化の魂」の間に決定的な断絶を生み出した。
創作は、本来、人間の内なる情熱や文化的な文脈に根差した「文化としての営み」である。
しかし、決済インフラやプラットフォーム、そしてAIといった「制度」は、その創作を「経済としての統制」の対象としてしか見ない。
倫理が文化であり、金融が制度であるならば、この本質的なズレが、文化の魂を蝕むのである。
「金にならなければ存在しない」という論理は、日本のデフォルメ表現やニッチな性癖といった、市場原理やグローバル倫理では評価されにくい、しかし深く文化に根差した表現を排除し、文化的多様性を破壊した。
この断絶は、クリエイターに深い苦痛と、創作意欲の喪失をもたらした。




