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未来への宣戦布告:変態は死なない
本章の最後に、私は改めて問いかけたい。
あなたの性癖は、誰の許可を得て存在しているのか?
あなたの作品は、どこまで戦っているのか?
あなたの欲望は、本当に解放されているのか?
変態の自由とは、誰にもわかってもらえなくても、それでも描くという決意に宿る。
それは、社会の規範やテクノロジーの支配に屈しない、個人の魂の叫びである。
VISAがマスターがアメリカン・エキスプレスが、あるいはAIやSIDが、私たちの性癖を殺そうとも、人間の欲望は決して滅びない。
なぜなら、たとえ表現が消され、存在が抹消されようとも、人間の内なる衝動は、形を変え、姿を変え、「死んだら、AIが生成してくれる!」
という、挑発的かつ楽観的な、しかし深い哲学を内包しているからだ。
AIは「創造の主体」ではなく、「遺言の証人」として、人間の欲望を記録し続けるだろう。
この戦いはここで終わるのではない。
それは、第3章で論じる「誰のための倫理か?」という、新たな倫理と存在の地平を切り拓く、始まりなのである。




