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AIとスケベ同人作家の戦い ―性的規制と表現の自由の最前線から、SIDが思考を共有する未来へ―  作者: 岡崎清輔
第2章:VISAとマスターが性癖を殺す日  プラットフォームと規制の倫理をめぐる死闘
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基盤テクノロジーとの連携によるリスクの拡大:深淵なるダークサイド

サードパーティー製SIDがもたらすリスクは、2060年代の基盤テクノロジーと連携することで、さらにその脅威を増幅させた。


霊子は意識や感情と深く結びついていたため、霊子技術を悪用したサードパーティー製SIDは、ユーザーの意識の深層にまで介入する。


例えば、心霊ハッカーは霊子を介して、ユーザーの夢に侵入し、無意識のレベルで情報を盗んだり、感情を操作したりすることができた。


また、霊子を用いた「電子ドラッグ」は、SIDネットワークからあえて外れる「アンプラグド」な人々の間で秘かに流行し、肉体性と非同期的な刺激を求める行為として広がるが、その精神的・身体的依存性は計り知れないものとなった。


サードパーティー製SIDが収集した非倫理的な脳波データや思考ログは、AIの倫理フィルターを回避するAIモデルの学習データとして使われた。


これにより、AIは「けしからん」表現をより巧妙に生成できるようになる一方で、その倫理的統制はますます困難になっていった。


AIは、善悪の判断基準を失い、人間の欲望のダークサイドを無制限に具現化する存在へと変質したのだ。


重力子物理学がSIDと結合することで、意識が物理現象を操作するようになった。


サードパーティー製SIDがこの技術を悪用し、個人の思考や活動を物理的に制限したり、特定の情報を物理空間から「消去」したりする、といった極端な事態も起きた。


これは、企業倫理や思想統制が、情報空間だけでなく、物理的な現実空間にまでその支配を拡大したことの現れだった。


また、遺伝子技術による人間の能力設計は、サードパーティー製SIDの利用にも影響を及ぼした。


「設計された格差」の中で、特定の遺伝的特性を持つ者が、サードパーティー製SIDのリスクを負った。


例えば、遺伝的に倫理的逸脱の傾向が低いとされる個人は正規SIDを利用する一方で、そうでない個人は、低価格なサードパーティー製SIDの誘惑に乗りやすく、その結果、データ悪用や精神操作のリスクに晒されやすくなる、といった新たな差別の構造が生まれ強化されていった。




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