表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
薔薇の名前   作者: 山口三


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

42/74

余韻


 フロウは帰りの馬車の中でもぼんやりしていて気づいたら自分の部屋のベッドに座っていた。


 着替えのためにホテルに部屋を取っていたので、そこへ戻り変装を解いてまた馬車に乗り屋敷へ戻ってきたはずなのだが、その行程を全く覚えていなかった。


 レンの優しく語りかけてくれた声、何度も踊った手の温もり、舞踏会での出来事がぐるぐると頭の中を駆け巡り何往復もしていた。


 まるで夢をみていたみたいだわ…。いえ本当に夢を見ていたのかもしれない。あまりにも強く望んでいたからこんな夢を見たのに違いないわ。


 だが膝の上に乗っているパースを開けてみると、きちんと畳まれた『オペラ座の惨劇』のチラシが入っていた。




 レナードはフロウより少し先に屋敷に着いていた。

 馬車の中でカツラを取り仮面を外し上着を着替えた。

 ケイトがレンの帰りを見計らって玄関で待機しており、着替えや仮面を受け取った。


「おかえりなさいませ、お着替えはこちらで処分しておきます」


「ありがとう、ケイト。フロウはまだみたいだね」


「はい、まだお帰りになっておりません。お部屋にお茶をお持ちいたしましょうか?」


「今日はもう遅いからいいよ、あなたも休んで下さい。色々ありがとうケイト」



 舞踏会はうまくいったようだ。ケイトはレナードの上気した顔を見てそう結論付た。声も明るい。


 本当はどうだったか本人に聞いてみたかったがまた次回にしよう。ひとまず安心したところでケイトは自室に戻っていった。




 レナードは部屋に戻るとすぐベッドに横になったが、なかなか寝付けなかった。


 フロウは俺だと気づかなかったな。そして本当に楽しい夜だった。


 今夜のフロウは俺だけのものだった。すっかり大人びて美しいフロウとのダンス、楽しいおしゃべり。


 楽しい時はあっという間に過ぎてしまうものだ。一度だけで諦めるつもりだったのに次の約束をしてしまった。次で最後だ…本当に。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ