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薔薇の名前   作者: 山口三


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若い当主


 執事長のジョージさんに大まかに仕事の説明を受けた後、この屋敷のご主人様に紹介されることになった。執務室の扉がノックされると


「どうぞ」


 と若い男性の声がした。フットマンか執務の助手か誰かかしら?と思いながらジョージさんに続いて入っていくとそこには一人しかいなかった。


 奥の大きなデスクに座っているその人は本当に若かった。まだ20代そこそこに見えるわ…。


「旦那様、新しい侍女長のケイト・ロウさんです。ケイトさん、こちらがカーライル家のご当主のレナード様だ」


「ケイト・ロウと申します。よろしくお願いいたします」


 お若い旦那様は少しニコっとされ


「学園長から話は聞いています、とても優秀な方なのですね。ここで働いている人たちは皆いい人ばかりですが、もし何かトラブルがあればすぐ報告して下さい」


「はい、ご期待に沿えるよう努めたいと思います」


 若い旦那様は笑顔のままで頷かれた。


「今日は疲れたでしょうから休んで下さい。本格的に仕事に入るのは明日からでいいでしょう」



 執務室を後に私は自室に案内された。前任の侍女長も使っていた部屋だそうだ。入ってみると、調度品は派手さは無く落ち着いた雰囲気の物で部屋は広くテラスまであり、使用人の部屋には見えなかった。


 ケイトは学園で家政科の講師をしていたことがあった。その時にあてがわれた部屋の倍以上はあった。


「こちら・・ですか?」


「そうです。お好きなように使って構いません。今の家具は前任者の選んだものです。新しいものと取り換えても構いません。ここはあなたが寛がれる部屋です。仕事は別の部屋を用意しています」


「そうなんですね。少し驚きました・・その、待遇の良さに」


「ここには部屋が沢山ありますからね。ハハハハ」


 ジョージさんはさっき会ったロバートさんのお父様だそうだ。笑顔がとても似ている。


 それにしてもご当主様があんなにお若い方だとは思わなかった。先代の侯爵様が急に亡くなられたとは聞いていたけれど、あの若さでこの侯爵家を取り仕切るのは大変でしょうね…。

 会ってみた感じだと頭の良さそうな方だけど。まぁこれからね。明日から少しずつ慣れて行こう…。





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