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兄だから

作者: 時計塔の翁

 

「お兄ちゃん、長男」


 私はそう呼ばれるのが嫌いだ

 それは私の心を縛る鎖だ

 言霊だ

 お前らがいる限り

 いや

 お前らがいなくなっても

 私はお前らの兄なのだろう

 お兄ちゃんなのだろう

 お兄ちゃんでいなければならないのだろう

 …最低だ


 一番最初に生まれたものは先導者にならねばならない

 後に続く弟妹に道を作り

 看板を立てねばならない

 出来がいい兄を持つと後が困るから

 私はろくな兄にはならない

 周りが何と言おうと

 これはいまさら変えることができないのだ

 …最低だ


 1番最初に生まれたものは

 1番愛情を注がれると誰かが言ったが

 私はそいつに唾を吐きつけたかった

 そんなものは私にとっては幻想だ

 1番最初に愛情をもらうが

 1番最初に目を離されるの

 次男の体が病弱ならばなおさらであるし

 長女が生まれれば溺愛されるし

 次女が生まれれば私は奴隷だ

 …最低だ


 私の両親は毒親ではなかった

 父親は長男ではあったが

 同時に末っ子でもあった

 母親もやはり末っ子だった

 そんな2人が1番上を生んだのだ

 私と意見が合わなくなるのは当然の結果であった

 私の苦しみを理解してくれないのは当然だ

 …最低だ


 私が書きたいのはこんな詩じゃないんだ

 もっと暗く

 汚く

 最低なものだ

 だがかけないのだ

 文字にしたら終わる気がして

 言葉に出したら壊れる気がして

 かけない

 いえない

 苦しい

 痛い

 気持ち悪い


       あぁ










  …最低だ


 

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