007 火
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大阪猫先生が優しく俺に語りはじめた。
「ありありのなしなし。なしなしのありあり」
「今のこの世界も。今のドグラマグラ太郎も」
「ありありのなしなし。なしなしのありあり」
「今のこの世界のことから説明するで」
大阪猫先生は少し考えた。
「今のドグラマグラ太郎と俺らのほうがわかりやすいな」
「ありあり。ドグラマグラ太郎の日本刀」
「なしなし。ドグラマグラの服」
「ありあり。モヨコの服」
「なしなし。ドグラマグラ太郎の靴」
「ありあり。大阪鳥の肩甲骨が進化した翼と腕」
「なしなし。かつてあった星から星への移動もどうかしら」
モヨコ先生が参加する。
「ありあり。熊人間と羆ベアー」
大阪鳥先生が参加する。
「なしなし。ドグラマグラ太郎の記憶」
「ありあり。前も今もお兄さま」
「なしなし。いつも安全ワイライフ」
「ありあり。何回やるねん。約10年単位の超文明の興亡や」
「なしなし。便利ツールどこやねん。日本刀ソードは謎技術」
「ありあり。お兄さまと1日1回はある温かいご飯」
「なしなし。北海道?ロシアの可能性微レ存リアル」
「ありあり。何個目の地球?この地球オリジナル?」
「なしなし。刀を修理できる方法や」
「ありあり。ダブルソードルートも槍ルートもあるで」
「なんとなくわかったか」
大阪猫先生が俺を見た。
「魔法は?」
俺は聞いた。
「もちろん。魔法も」
「ありありのなしなし。なしなしのありありや」
「見せた方が早いな。これで伝わればええんやけど」
大阪猫先生の実演か。
俺はワクワクさんである。
「わかりやすくファイアでええか」
大阪猫先生は手のひらサイズの石を左手で拾った。
ファイアなのにストーン?
右手は刀を握った時に切れたので布が巻いてある。
大阪猫先生は川の方を見た。
「ファイア」
大阪猫先生は呪文を唱えた。
◇