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006 木



ヒグマに会う前の話だ。


伝聞だから証拠らしき証拠はない。


俺とモヨコは兄妹。


両親が同じかどうかは不明。


「私はお兄さまは本当のお兄さまです」


モヨコが言う。


モヨコの顔を見る。


目が合う。


俺とは違う透き通るような白い肌。


『本当のお兄さま』って何だろう。


どんな定義かと考えてみた。


「少し年上で一緒にご飯を食べる時に一番安心する男の人」


俺の沈黙に気がついたモヨコが答える。


「それが私の『本当のお兄さま』です」


モヨコが微笑む。



大阪猫と大阪鳥は途中合流組。


大阪猫が先。


大阪鳥が後。


最初に旅を始めたのは俺とモヨコ。


モヨコによると旅を言いだしたのは俺。


旅の目的は鬼ヶ島にいる鬼退治。


或いは京都か高野山に有るという噂のお経を授かる。


今この場所は北海道。


試される大地。


温かい南に行く旅。


「そういう話や。わかったか猿モンキー」


大阪鳥が言った。


そういう話か。


大体わかった。


空を泳ぐ。河童役。鳥役。大阪鳥。トリックスター。


地を駆ける。豚役。犬役。大阪猫。サイドキック。


死で足掻く。猿役。猿役。ドグラマグラ太郎。ヒーロー。


信じる美人。僧役。桃役。モヨコ。ヒロイン。


西遊記と桃太郎か。


「みんなが死なない話か」


俺以外がみんなが笑った。


「そういう話やったらええなあ」


大阪猫が言った。


「熊ベアー死んどるやん」


大阪鳥が腹を抱えてまだ震えている。


「お父さまもお母さまも。生きてるかも知れませんね」


モヨコが泣き笑いをした。


「ありありのなしなし。なしなしのありありや。わからんで」


大阪猫が言った。


ありありのなしなし?


なしなしのありあり?


「どういう意味だ?」


俺は聞いてみた。


「出来るだけわかりやすく話したるわ。大丈夫やで」


大阪猫はいいやつだな。


俺は少しワクワクした。


大阪猫先生が俺に優しく語りはじめた。


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