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036 血


「マママママミィ。生き返ったの?」


「どんな設定のお話を聞いたのよ」


「ママママミィとね」


「うん」


「モモモモモフィが死んじゃう話」


「ヒナは誰のお腹の上でお話聞いてたのかな」


「モフモフモフィ」


「息はしてる?」


「してる。フンスフンス。寝てる」


「夜にちゃんと寝るのは偉いことよ」


「そなのかぁ」


「ヒナは出来るかな」


「はぁい。パパ。おやすみのチュー」


ヒナは当たり前のように俺の首に噛みついた。


血を吸うヒナの背を撫でる。


血を吸われていると生きている事が実感できる。


飲み終わったようだ。


残念。


癖でトントンと肩のあたりの背を叩く。


「おやすみヒナ」


「おやすみパパ」


乾いていく大地。


豊かになり続ける神樹的な物。


本当は頂上まで登る予定だった。


真ん中にちょうど良い場所が有ったのが悪い。


そこに一家で住んでいる。


ヒナの額の突起物は筍ということになった。


モヨコが決めた。


授乳中の女は神々しいから反論の余地が無い。


モヨコは筍的な物を筍にする。


そういうの好きなんだと思う。


雑なカテゴライズ。


お兄様とか筍とか。


意図的だとしたら?


やめよう。


筍はそんなこと考えない。


安全な生活だ。


結構暇もある。


俺はヒナに聞かせる話をノートに書いている。


本当はステータス可視化しようと考えていた。


今はもういい。


ノートとペンはやっぱり役に立つなあ。


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