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033 業


約1時間竹林で筍を掘りながら様子を見た。


噴火しない。


あれだけの木的な物なら根も凄い筈だ。


どれかの根がマグマ溜まりに当たる可能性は有った。


でも噴火する様子はない。


噴火してここじゃない場所に灼熱のマグマが流れたら。


そしたら少し面白かったなと不謹慎な俺は考えた。


見た事が無い事を安全な場所から見たい。


俺はそういう人間らしい。


作業で喉が渇いたモヨコと大阪猫が川に行った。



数分後わかりやすい悲鳴が聞こえた。


大阪猫は悲鳴が上手だな。


やべえ。


ワクワクする。


不謹慎な俺は駆けながら思った。


すぐに大阪猫が見えた。


モヨコも見えた。


大事な何かが見えない。


石狩川だ。


石狩川が無い。


石狩川だった場所が地面になっている。


横幅30mはあった筈の石狩川が無い。


水位がどんどん下がっている。


対岸の火事がこっちまで来てしまった。


楽しんでいる場合じゃない。


水の確保が必要だ。


困ったら竹だ。


竹筒作って少しでも水を確保しとかないと。


川から竹林に振り返ろうとした瞬間変な声が出た。


「ヴぇ」


俺って悲鳴下手なんだな。


川の上流の方から左にゆらり右にゆらり。


サイズがおかしい。


ゆれてゆれてどんどんこっちに近づいてくる。


大きな何か。


今ここに流れてくるはずのないもの。


あれに関わっては駄目だ。


本能がガンガン警鐘を鳴らす。


そんな余裕は無い。


そんな余裕は無いのにモヨコが行った。


吐きそうになりながら俺も大阪猫も追従する。


きっと女の本能なんだろう。


流れてくる桃を見過ごせないのは。


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