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031 碁
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下顎の無いヒグマが真上を向いて立っている。
猫がいない。
吹っ飛んだか。
距離約18m。
槍を構えて勘で即断する。
「猫。モヨコ。投石頼む」
左手で槍を構えたまま右手で手榴弾を追加で抜く。
「十」
誰かの投石が視界の右を通っていく。
「九」
手榴弾を投げる。
「八」
猫らしき投石が来ない。
「七」
追加の手榴弾を引き抜く。
「六」
これを。
「五」
ヒグマ目掛けて投げる。
「四」
当たらない。
「三」
やっぱり来た。
「二」
ヒグマが3m前。
「一」
ヒグマが最後の跳躍をする。
全部最高だ。
俺は槍の石突を地面につけつつ後ろに倒れる。
ヒグマが俺を守る角度で最初の手榴弾が爆発した。
上空に投げて良かった。
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