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026 燈


翌朝三人で武器庫に行く事になった。


大阪猫が作ってくれた松明を量産する。


これは簡単だった。


先頭が大阪猫。


松明係がモヨコ。


荷物係が俺。


松明は熊対策。


川を登って竹林迄行く。


途中の神居古潭に直接行く案を検討した。


結果は有り有りの無し無し。


無し無しの有り有り。


まずは竹林近くの高い木に大阪猫が登る。


そして武器庫への到達可能か判断する事になった。


歩いて30分。


竹林に到着する。


大阪猫は近くの高い木々に登り始めた。


高さ垂直約3mずつ木を蹴りながら駆け上る。


忍者かよ。


すげえ。


種族の差は歴然だ。


努力より道具で補うのが現実的だと考えてしまう。


数分後大阪猫が駆け下りてきた。


「武器庫らしいもん有ったで。建物灰色?」


「灰色ですよ。もふもふちゃん。行けそう?」


「徒歩2時間かなあ。草原?森?どの道で行く?」


「森で行こう」


「なんでや太郎」


「地面からは未だ建物が視認できない」


「森なら何時でも方位が確認出来ると。了解や」


「了解です。お兄さま」


「ついでに神居古潭の神樹も川上に見えたで」


「神居古潭迄はどれくらいかかりそうなんだ」


「神樹は遠いで。今日は無理や。数日は歩くで」


「武器庫寄って筍取って温泉戻る案に賛成です」


「了解や。一個一個確実に行こうか」


まずは竹林でしばらく休憩する事にした。


使用済の松明用の竹を立て掛けて熊除けにする。


筍は沢山有った。


夕方戻ってきた時には既に伸びているんだろうか。


どうでも良い事を考えてしまう。


その頃には別の筍が生えているだろう。


新しい松明用の長竹を補充する。


未使用の汎用長竹約2mを5本ずつ竹紐で括る。


片手に5本ずつ合計10本を俺が持つ。


中は空洞なのにかなり重い。


熊手袋が有って良かった。


竹紐が掌に食い込む感触がする。


持ち切れるギリギリまで主に俺が運ぶ。


大阪猫とモヨコは野生動物の警戒班の為荷物は少ない。


きっかけは無限アイテムボックスだ。



「この世界には無限アイテムボックスってあるのか」


「有り有りの無し無し。無し無しの有り有りやで」


「またそれか」


「簡単な話や。無限に筋肉鍛えたら無限に運べるで」


「お兄さまが拳だけでヒグマを倒す話をしてます?」


「鍛錬の果てに可能性はあるらしいで」


「そこにいくのですか」


「遠過ぎやろ。辿り着く前に死ぬわ」


「では何の話ですか」


「竹で熊を殺すのは難しいけど可能やで」


「本当ですか」


「ほんまや。竹で熊を逃走させるのはもっと簡単やで」


「さすが私のもふもふちゃん」


「その為の松明や。火を持つ獲物と火を持たない獲物」


「襲うなら火を持たない獲物ですね」


「そやろ。とりあえずこれで熊対策としよか」



休憩を挟んで挟んで昼頃に武器庫に着いた。


入り口が鉄の扉に閉ざされている。


「どうやって入ったんや」


「屋上に入り口が有ったんです」


「ここ3階建かなあ。外に階段も出っ張りも無いな」


「登るのは厳しいか」


「鉄の扉を壊しますか?」


「どうやって壊すんや?」


「丸太を槌にして城門を壊す感じは如何でしょう」


「ええんちゃう。試そか」


倒木で良いのが無かった。


適当な太さの木を切る。


切れない。


全然切れない。


これ一日中かかるぞ。


「鋸無いと厳しいなあ。手榴弾使っちゃう?」


「もふもふちゃん正気?鉄の扉に手榴弾?」


「下手したら武器庫の手榴弾まで誘爆するぞ」


「ちゃうちゃう。木の幹に」


「もったいないよう気がするが合理的かもな」


「破壊力次第ではそもそも槌になりませんよ」


「破壊の大小を問わん木に使えばええやん」


「そんな都合の良い木。・・・。有りましたね」



結果的に手榴弾3発を使った。


ようやく手頃な丸太の槌を手に入った。


丸太の槌を3人で持ち上げて叩く事約30回。


ようやく片側の鉄扉の破壊に成功し内部に入れた。


武器庫の中は正確には弾薬庫らしい。


色々なサイズの銃弾と手榴弾が有った。


銃が無かったのは残念だが収穫は大きかった。


色々実験して手榴弾が大体わかった。


これ駄目な奴だ。


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