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002 肉
トリアージ。
最優先。
女。
「静かに」
目線で位置を知らせる。
俺は周囲に聞こえる声で言う。
「あそこにヒグマがいる」
緊張が走る。
女をヒグマの目線から隠す位置に立つ。
「女。逃げろ」
女動かない。
動けないのか。
「鳥。女を掴んで逃げれるか」
「1分あれば」
「頼む」
1分か。
ヒグマがゆっくり近づいてくる。
間に合わない。
「猫。策はあるか」
「無い。女逃がせたら奇跡」
猫は両手から爪を出している。
長さ3cm。
勝てない。
「わかった」
時間がゆっくりになる。
秒で装備を確認する。
ふんどし。
ベルト。
ベルトに刀。
何だこれ。
左手で鞘を押さえて右手で刀を抜く。
約1m。
脳検索。
ヒット。
示現流。
アフリカのライオンから獲物を獲る部族。
「猫。今から嘘をつくぞ。頼む。騙されて乗ってくれ」
「何や」
「足手まとい達が逃げる。だから俺たちは勝てるぞ」
俺は刀を上に構えて笑った。
ヒグマが足を止めた。
「ははは」
猫が笑う。
「狩るぞ」
「応」




