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018 石


落下する大阪鳥。


なんとか着地する。


右手の手首を左手で握りしめている。


焼けた石を掴める鳥か。


かっこいいねえ。


葉の付いた3mの竹1本。


左手で鳥の頭の斜め右1mの距離に火の長竹に掲げる。


パチパチと小気味の良い音が聴こえるかな?


乾いた茶色い竹の葉が燃えている。


右手に火の2m竹を握る。


左手の下をゆっくり通り交差させる。


12時方向に長針竹と9時方向に短針竹。


鳥包囲用と猫牽制用。


凪の腰回転の準備は出来てる。


時間が無い。


だから更に時間を減らす。


「焼き鳥か。たこ焼か。選べ」


俺は大阪鳥を追い詰める。


鳥が殺気を放つ。


ファイアに触ったお前が全部悪い。


「悟」


新しい猿真似呪文を並べる。


「与」


カウントダウン気付くかなあ。


「砂」


大ヒント。


「似」


火竹をどんどん近づける。


「遺」


綺麗な火が邪魔で鳥の醜悪な顔が見えない。


「たこ焼」


大阪鳥が答えた。


あんまり使わない言葉を使ってみる。


「あ?」


「たこ焼オクトパス」


「は?」


どんどん火を近づける。


あと30cm。


「ドグラマグラ太郎ティーチャー」


鳥が絞り出すような声で流れる動作で土下座する。


土下座で火から自然に離れやがった。


こいつ最高。


「たこ焼オクトパスが食べたいです」


俺は左手の握った燃える竹を鳥の背中の上に落とした。


「うおエアああアアアア」


大阪鳥が転げ回って火を消そうとする。


賢い鳥だなあ。


旨そう。


右手に残った2mの火の竹を両手で掴む。


示現流。


一歩踏み込んで叩き込む。


「グボぇあアアアア」


斜め上段火炎凪。


鳥の腹に火が映える。


炭で出来た黒と赤って最高に綺麗だ。


でも残念。


「猫。水をかけてやれ」


鳥から離れ猫とポジションをスイッチする。


大阪猫が竹筒を拾い水を掛けようと駆けつける。


でも残念。


鳥は竹筒水筒から逃げだした。


仕掛けられていない罠を警戒したんだよな。


超わかる。


中途半端な火の鳥が逃げて逃げて川の中に飛び込んだ。


河童かよ。


俺は残心し続ける。


半刀拾って構えていて正解だったな。


猫を行かせて良かったな。


やっぱり余力を残しているよな。


両手に水入りの竹筒を握りしめて猫は呆然としている。


鳥戦続くかなあ。


次は猫戦かなあ。


たこ焼オクトパスが遠い。


本州が遠く晩御飯も遠い。


北海道はまだ朝になったばかりである。


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