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017 生


「ファイア」


俺は呪文を唱えて石を高く放り投げた。


俺の一晩かけて考えた戦略も準備もプロットも燃えた。


鳥にはただの石に見えるだろう。


正解。


ただの石だ。


「遊ぼうぜ。大阪鳥」


「ワッツ?」


高さ50m行くかな。


鳥が翼を広げる。


取りに行くのか?


俺は適当な高さの竹を拾う。


鳥が高さ20mで石をキャッチ。


「ただのストーンやんけ」


そのまま投げるか?


俺は竹バットの一本足打法で迎える。


「大阪猫。観戦頼む」


本命はモヨコの護衛。


伝わるかなあ。


鳥が石を持ったまま着地する。


予想外。


飛びながら投げるのはきついか。


鳥が振りかぶって石を投げる。


いいフォーム。


羽が邪魔してるな。


でも関係無い。


球が小さい球技は全部苦手なんだよ。


大振りした。


空振りした。


掠めもしない。


「ストライク」


大阪猫が言う。


野球の概念は有りか。


「ちょっとタイム。刀貸してくれ」


大阪猫に頼む。


鳥が身構える。


まだ大丈夫なのにな。


思考リソース削っておくか。


借りた刀を抜き身で適当な竹を2回凪。


竹筒が出来る。


適当に何度か大阪鳥を視線を送る。


これを3回繰り返す。


3本竹筒出来上がり。


残った余りの材料を意味ありげな場所に投げて配置。


鳥の注意先を増やす。


「テンポ悪いなあ」


ごめんな大阪鳥。


熊皮を羽織っているからあったかいな。


熊腕と熊足を適当に結ぶ。


爪と歯は使えるかな。


懐があるって言うのはいいもんだな。


刀で熊手袋を2つ作って鳥にわしわし自慢する。


両爪に注意分散。


妹と猫にも爪自慢。


「ニャー」


俺が言う。


「ニャー」


大阪猫が返す。


サイン完了。


大阪鳥を視界に入れる。


用意させるパターンは増やせたかな。


鳥も猫も爪が鋭い。


熊手袋くらい勝手に作っても大丈夫だろう。


刀を猫に返して川に水を汲みに行く。


小川かな?


魚は見えない。


竹筒3つに半分水を入れる。


川の石を3つを懐に入れる。


石は黒い石を選んだ。


乾いたら白くなるかな?


まあいいや。


大阪鳥が待ってる。


水をこぼさないように歩く。


焚き火右横2m。


武器竹置き左横2m。


道具竹置き斜め左横2m。


モヨコと猫は俺の斜め左10mで竹で何か作っている。


ベストポジションだな。


大阪鳥は20m前にいる。


野球ってこの距離感だっけ?


水入り竹筒と黒川石を右手側に置く。


「ファイア」


呪文を唱えて水入り竹筒をもっと強く投げる。


放物線の途中で水が全部出てしまう。


石ほど高さが出ない。


20mかな?


熊手袋がまだ馴染んでないか。


「ウオーターとバンブーやないか」


悲しそうに鳥がまた飛ぶ。


おまけを用意しておいたから大丈夫。


黒石を鳥に当たらないように高く投げる。


「ドグラ!」


大阪猫が気づいて叫ぶ。


もう遅い。


俺は竹バットをすでに構えている。


多分40mか。


高さ出ないなあ。


「鳥!やばい奴や!取るな!」


大阪猫が叫ぶ。


「なんや下手なコンビ芸やな。仕込みが甘い」


意に介さず鳥が黒石をキャッチ。


空中で身体を腕を上に足を下に弓なりにする。


空中投球フォームか。


そして鳥は俺に投げ落として当てる筈の黒石を。


掌から零れ落とした。


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