表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
16/36

016 殺


「お兄さまって非道い人ですね」


モヨコが言う。


「もっと非道い道の死を妹に選ばせるんですね」


モヨコが言う。


「私は一番良い道を用意したんですよ」


モヨコが言う。


「今日の晩御飯は?」


俺が尋ねる。


「ハンバーグ」


モヨコが業の深い回答をする。


「俺も食べていいか?」


「あの肉はあげませんよ」


熊の皮を開ける。


朝か。


完全に寝過ごした。


「ちょっと羽織ってみる」


モヨコを熊の皮からどかす。


「ぶかぶかだ」


「大きくて当たり前です。熊のお母さんですよ」


モヨコが笑う。


笑いどころが掴めないなあ。


今日もモヨコは子熊を食う予定だ。


あの熊の中には2頭の子熊の胎児が居た。


解体した時には既に息絶えて居た。


「私がこの子達のお母さんになります」


そうモヨコは言って独り占めを決めた。


この子達の命を食べる。


いつか子熊の命を引き継いだ子を産む。


どうやらそういう意味らしい。


俺はその時モヨコが命を孕めたらいいなと思った。


今はよくわからない。


首から下はモヨコの身体なのだろうか。


俺の首から下は誰の身体なのだろうか。


俺に子が出来たとして其の子は俺の子なのだろうか。


根本的なところがグラグラする。


朝から有戦ルートだったな。


鳥戦延期。


仕方無いか。


朝から疲れた。


妹戦まだ続くのかな。


いつを終わりとすればいいんだ。


大阪猫が割り箸らしきものを10本くらい作っている。


俺の半刀かえして欲しいな。


心細い。


「おはよう大阪猫」


「おはようドグラマグラ太郎」


先代ドグラマグラ太郎の事を少し考える。


俺は当代か。


俺は先代の部分的な記憶喪失状態か?


先代とは違うところから来た意識か?


首から下の話は?


あー駄目だ。


ヴィトゲンシュタインだったっけ。


答えが出ない問題を解くのは馬鹿がやる事だったかな。


材料が足りない。


「グッアフタヌーン。役立たずの猿モンキー」


大阪鳥が待ちくたびれた顔をしている。


腹立つ顔が俺に期待している。


夜準備していた何かを期待してる。


期待に応えたいが朝から連戦はきつい。


「ごめんごめん。遊ぶ気分じゃないんだ」


「早く猿モンキーが死にますように」


こいつ最高。


「ファイア」


俺は呪文を唱えて適当な石を高く放り投げた。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ