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014 擬
◇
「呪」
モヨコが言う。
なんだ?
また魔法?
「窮」
カウントダウンか。
何が正解だ。
設定が多すぎるるるる。
「刃」
モヨコを孕ませたい。
これは駄目だ。
さっきまでそういう気持ちが確かに有ったが今は嘘になった。
「泣」
俺だけ助かる事は出来る。
庇護者がいないと俺が死ぬ。
俺殺しモヨコ殺し両方止めるのどうすんだ。
「路」
わかった。
これモヨコ戦だ。
勝利条件定義開始。
「誤」
先代ドグラマグラ太郎が旅に出た理由がわかった。
みんなを救うって妹も自分も救いたかったって事か。
関係ない事考えるな。
「夜」
とりあえず延長戦狙いに絞る。
納得出来る理由を出せば良いんだよな。
最強は確か相手自身が放った言葉。
「狭」
モヨコ語録を思い出す。
検索は動かない。
このままモヨコと死にたくなる。
「兄」「ごはん」
?
モヨコが不思議そうな顔をする。
俺も不思議だ。
そういえばそんな事言ってたな。
口が思考より先に走ってくれた。
「モヨコとあったかいごはんを食べたい」
俺は始めて御飯に自分の命を載せた。
◇