表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
4/5

どうせなら勇者になりたかった姉と、聖女さまになった引きこもりの妹 3

視点が変わります。このお話はw主人公のため、章によって姉妹で視点が変わります。


「聖女サキ様。この国を守るために、魔王を倒すために、力を貸してくれないか」


「イヤデスケド」


「「「「「「「え、えぇーーー?!」」」」」」





 突然、聖女様と呼ばれ、魔王を倒してほしいとか言われて、もう何が何だか分からないって思って、頭もパンクしそうで、そんなの考えられないし、軽々しくいいよなんても言えなくて、どうしようと思う間もなく、姉さんは光の速さよりも速く、お断りしていて、周りはもちろん、私までびっくりして思わず声を上げてしまった。


「いや、ユキ、様に聞いたのではなく、私達は聖女様にお願いしたのであ「いや、そんなのは関係ないよ。私の紗希ちゃんが死ぬかもしれない危なそうなところに、ハイいいですよなんて行かせるわけないじゃないですか。そんなのは、そっちで勝手にどうぞ。お家へ帰してください、神官サマ?」


 有無を言わせぬ勢いと圧で姉さんが神官様、エリオさんに言葉をぶつける。

 姉さんは、とても過保護だ。

 私のせいでもあるとは思うのだけど、私に危険が及ぶかもしれないことに対しての警戒心がものすごく強い。それは、肉体的に危ないことだったり、精神的に負担があることだったり、様々ではあるけれど、いつだって、私が平穏に暮らせるようにと体を張って守ってきてくれていた。

 それがとても助かってはいたけれど、申し訳ない気持ちでいっぱいだった。

 今回も、どうやら私の事情に姉さんを巻き込んだ形になってしまっているみたいで、それなのに、またも判断を姉さんにゆだねて、私は楽をしてしまっている。


 光の速さで返事をしたのは姉さんだけど、姉さんはいつだって私の言いたいことがわかるらしく、私が、自分自身の気持ちに気づく前に気づいてくれて、こうして代わりに、私が私に対して悪い印象に、悪い気持ちにならないように、自分勝手な発言と思われるような言い回しで、自分が悪者の様にふるまって私を守ってくれる。


 そんな姉に、いつまでも頼って、後ろに隠れているのでは駄目なんだと、いつかは、姉に頼らずに一人で立たなければならないんだと、震える体に気合を入れて声を出す。


「...さん、...姉さんっ!私、大丈夫だよ。大丈夫。何が何だか分からないけど、誰かが、困っていて、私の何かが、役に立つというのなら、皆さんの、協力をするのは、構わない、です」


 それが、たとえ、死ぬかもしれないという危険な事だったとしても、他の誰でもない、紗希、にしか出来ないことならば、と。


「サキ様!!有難う御座います!!流石聖女様、素晴らしき考えのお方だ」


 そんな、素晴らしいことなんてとんでもない。

 すべては、自分のため、自分がなかなか踏み出せない一歩を、自分にしかできないという状況であるが故に、利用させてもらっただけ。

 全然すごくなんてない。

 エリオに言われた言葉に、心がちくりとする。

 紗希の表情は、やる気に満ち満ちて自信満々の様子ではなく、とにかくただただ苦しそうに顔を強張らせただけだった。


「っ!!」


 そんな紗希の表情を見て、紗雪は一瞬悲しそうな顔をするが、すぐにまた飄々とした感情の読めない顔に戻り大きくため息をはいた。


「...オーケーわかった、わかったよ。紗希がいうならいいけど、絶対に約束してほしいことが三つある。紗希をマオー様討伐に向かわせるのに了承する代わりに必ず守ってほしいことだ」


 紗雪は、喜んだりほっとした様子の彼らに、渋々といった体で、条件を提示する。

 何を言われるのか、無理難題を提示されたらどうしたものか、思い思いに緊張した面持ちで紗雪の次の言葉を待つ。


「まず、一つ目は、紗希の知識も実力も、充分についてから討伐に参加させる事。ようは、ココでの知識はもちろん、そこの神官サマが使ったような魔法?ってーの?の使い方、その、魔法を使った実際の戦闘訓練、私たちの世界と違うことはすべて教わり身に付けるってことだ。その際に、何をするか、どこでやるか、全て私の許可がなくちゃやったらダメな。次に、二つ目は、紗希と私の住まいの確保かつ、聖女と凡人だからと別々にしない事。家を一軒くれとか贅沢なことは言わないさ。宿でも何でもいいが、二部屋とかではなく、二人で住めるような広さの部屋を一部屋貸してほしい。別々の部屋で、いつの間に紗希が攫われて殺されたりとかしたら、私はあんた等を殺しかねないからな。というか、そんなことになったら、マジで容赦なくこの世からなきものとするから覚悟しておいてくれ。そして最後に、三つ目だ」


 紗雪は一息にここまで言い切ると、いったん言葉を切り、最後の条件を口にする。


「私を、その、魔王討伐に連れていく事、だ」




キリが良いため、短いですがここで切ります。

視点が変わることで若干、書き方が統一感無いかもしれません。

気になったら突然書き直すかもしれませんのでご容赦ください。

早く異世界生活を満喫させたいです

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ