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どうせなら勇者になりたかった姉と、聖女さまになった引きこもりの妹 2

 ここは、どこだろう?


 小さな女の子が泣いている


 あれは、だれだろう?


 私の知っている人だろうか?


 ならば、あれは、


 紗希ちゃん?


 私の大事な大事な妹


 私の命よりも大事な大事な紗希ちゃん


 紗希ちゃんをいじめる人は誰であろうと許さない


 紗希ちゃん、


 紗希ちゃん、


 泣かないで?


 おねえちゃんが、ずっと、ずっと、側にいるから


 紗希ちゃん、


 紗希ちゃん、


























 ---うそつき


 ---ずっと一緒に、なんて、守れないくせに


 ---おねえちゃんなんて、















 ダイキライ




























「---っ紗っ希ちゃん!?」


 勢いよく体を起こす


 今のは夢?


 夢に決まってる。紗希ちゃんが私を嫌いなんて言うはずがない。

 そもそも、私が紗希ちゃんに嘘なんてつかないし。


 どきどきと、激しく鳴り続ける心臓を落ち着かせながら周りを見渡すと、どうやらとても綺麗な部屋にいるらしいと言うことだけはわかった。なんていうか、中世ヨーロッパみたいな?部屋にキングサイズのベッドは、まるでお伽話のお姫様が使ってそうなヤツ。でも、我が家はそもそも布団だし、寝た記憶もないんですけど??と、頭にはてなを浮かべ、意識を失う前の記憶を思い出そうとする紗雪。

 

「そうだ!!紗希!!」


 変な人たちに取り囲まれて、動物園のパンダ状態だったことを思い出し、紗希ちゃんがいるか辺りを確認すると、すぐ隣に紗雪の上着をつかんで離さないまま目を閉じている紗希がいた。

 慌てて顔を近づけ息があるかを確認すると、すうすうと穏やかな寝息が聞こえた。


「よかた...生きちょる...」


 紗希が無事なことに安堵し、自分の上着をしっかりとつかんで離さないのをみて愛おしそうに見つめる。


(小さいころをおもいだすなぁ)


 まだ、歩けるようになって間もないころ、紗希は紗雪の上着をつかんで離さず、どこにでもついてこようとし、学校があるからと、離してくれと言っても、頬をぷっくり膨らませてもっと強く握り、なかなか離そうとしなかった。


(あの頃の紗希は本当におねえちゃんっこで可愛くて可愛くて、食べちゃいたかったな~)


 当時を思い出してにまにまとしていたが、今の自分の状況を思い出し、いかんいかんと、紗希を起こさないようにそっと上着を脱いでベッドから出る。今の自分たちの状況の手掛かりがないかを探そうと辺りを見回すが、普通の寝室らしく、これと言って手掛かりになりそうなものが見当たらない。どうしたものかと、唸っていると、足音が聞こえてきた。どうやらこちらに向かってきているらしく、そっとドアの近くに寄り、死角になるだろうドアの後ろに隠れる。

 ノックと共に、女性の声がしてガチャリとドアが開く。


「失礼いたします。聖女様?お目覚めでしょうか?」


 なにやら布らしきものと、飲み物?っぽいものをもってあらわれた女性は、日本では見かけないようなメイドさん?侍女さん?ちょっと私に違いは分からないけれど、ドレスというには質素で、けれど品のある服を身にまとっていた。じっくり観察していたが、紗希の方へとゆっくりと歩を進めるメイドさん(仮)にあわてて話しかけた。


「ちょいとお前さん。紗希に、私の妹に何か用かい?」


 驚かせないように、怯えさせないように、一切の気配を消したまま後ろから声をかけると、そのメイドさん(仮)、


「!?ッキャーーーーーー!!!!!!」


 と、ものすごい声で絶叫し、めっちゃめちゃビクッ!!となってしまったよね!?

 めちゃめちゃお化けでも見た!!みたいな目で、青ざめた顔で見てきましたけど、私そんなお化け顔!?メイクしてないから!?そんなやべぇ顔してる!?

 おろおろとしながらも、紗希を庇う様にベッドに乗り上げ、困惑していると、その絶叫に紗希が驚いて起き上がり、ドアの外からは沢山の人の足音と声が聞こえてくる。


「な、なに!?何かあったの!?」


 目覚めたばかりの紗希も、その異様な叫びに困惑しながら辺りを見回す。


「わ、わかんないよ?私何もしてないけど、突然そこのメイドさん(仮)が絶叫を...!!」


 眉をハの字にしながら紗希を心配させまいと、自分も落ち着くために紗希の手を強く握る。

 すると、たくさんの人たちが入ってきて、先ほどまで静かだった部屋が一気に騒がしくなる。


「聖女様に何かあったのか?!」


 すごい形相でメイドさん(仮)に詰め寄る騎士さん(仮)


「いえ、も、申し訳ございません。部屋に入り聖女様の様子を見ようとした際に、突然後ろから気配もなく話しかけられたため、盗賊か何か侵入者かと...」


 そう言いながら私の方を指さすメイドさん(仮)と、駆けつけてきたであろう人々の目線が全て紗雪に集中する。


「え!?私!?わたしナニモシテナイヨ!?」


 盗賊、侵入者と言われ、びっくりしつつ何もしませんよ~って意味も込めて手を上にあげる。


「.........」


 とりあえず、みんなの沈黙が、こわいんですケド


 紗雪をみつめ、暫し沈黙した後、真っ先に飛び込んできた騎士さん(仮)が、はあ~と大きくため息をつくと皆も重そうに息を吐きだし顔をそらした。

 なんだよ、失礼な奴らだな。


「聖女様。と、付き人の方、ひとまず話がしたいので、そこのものから替えの服を受け取り、着替えてから大広間に来てくれませんか」


 言うことだけ言ってメイドさん(仮)だけおいて部屋からぞろぞろと出て行ってしまう。

 こちらも言いたいことは山ほどあったが、メイドさん(仮)に着替えを渡され、お手伝いをしますと言われ服を脱がされそうになって慌てて自分でできると言って外へ追い出し部屋に鍵をかける。


「...よくわからないけど、とりあえず、服着替えて、大広間?に、行ってみる?」

「うん。そうだね...なんか、私だけすごい扱いが雑っぽいのがものすごく気になるけど、多分、その辺も説明してくれそうだし...」


 別に、貶されたわけでもないのだが、気配が、態度が雑だというのは紗希にも伝わったようで、慰めるように紗雪の肩をポンポンと叩く。それに対して気持ちを切り替える様に「うしっ」と気合をいれて渡された着替えを広げる。


「...ええー?ナニコレ」





















 何とか着替えを済ませて大広間へと向かうと、気絶(多分)する前に見た覚えのある神官さん(仮)や騎士さん(仮)やらが集まっていた。


「おお、これはこれは、聖女様。こちらの世界の服装もとてもよくお似合いです」


 神官さん(仮)が紗希を見て真っ先に褒める。

 紗希が着ている服は、私たちのいた世界、には無い服で(正直着方がわからなくて死ぬほど困ったのは秘密だ)、ドレスというほど煌びやかではないが、腕や首までしっかり覆われている真っ白いワンピースみたいなものに、縁から五センチ位のところに一周する様に何かの模様が深い藍色の糸で刺しゅうされている真っ白いケープみたいなものを羽織り、つま先のとがったこれまた真っ白な三センチくらいのヒールを履いている。

 うーん、まさしく聖女様って感じ。


「あ、ありがとうございます...」


 神官さん(仮)の視線から逃げる様に紗雪の後ろに隠れながらも真っ赤になりながらお礼を言う紗希。

 うんうん。いい子だ。天使。


「では、そちらの、付き人もこちらへ。自己紹介からさせていただこう」


 紗雪の服は一瞥しただけで話を進める神官さん(仮)。

 そんな紗雪の渡された服は、襟が無く、真っ白いスタンドカラーシャツ?みたいに台襟のみで、シャツの長さが腰下、けつが隠れるほどで、腕周りは手首に近づくにつれ大きく膨らんでおり、紗希のケープと同じような刺しゅうが施された茶色のベストみたいなものを重ねて着、腰回りには黒い革っぽいベルトを巻き、膝辺りまでのハーフパンツに太もも辺りまでのタイツみたいな白い靴下を履き、茶色でつま先の丸いロングブーツみたいなものを履いていた。

 

 いや、わかるよ。わかるけど、なんか言えよ。

 ってか、渡してきたのあんたらだからね!?

 なんか、付き人ってか狩人っぽくない?違う?これが普通なのか??

 そう思いつつも、今、この場にいる人たちはみんな騎士っぽい恰好の人たちばかりだから、分からない。


(くそう。服装が気になってそわそわする)


 そわそわしつつもとにもかくにも現状を、と意識を目の前の人物たちに集中させる。


「まずは、私から。エリオ・モンテグロと申します。恐れ多くも、聖女様の召喚をさせていただいたうちの一人でございます」


 神官さんもとい、エリオ・モンテグロさん。喋り方でおっさんだと思ったけど、よく見たらまだ二十代半ばっぽい?なんかごめんねってなってる。隣の紗希もそう思ってるらしく、盗み見た顔が申し訳なさそうになってる。


「先ほどは、怯えさせてしまってすまなかった。私は聖騎士団第一部隊隊長のヨシュア・スペランザという。この国の第一王子であり、この度は王の代理でこの場にいるのだが、かしこまらなくてもいい。気楽に接してくれて構わない」


 こちらに近づき綺麗な一礼をして手を差し出す騎士さんもとい、王様代理の第一王子にして聖騎士団第一部隊隊長のヨシュア・スペランザ

 このひと王子様だったの!?

 めっちゃ脅しちゃったよ!?

 死刑かな?


「ええと、はい、ヨロシクデス...」


 紗雪は内心冷や汗をかきながらも握手を交わし、紗希には跪き恭しく手を取り甲にキスをするヨシュアさん、いや、ヨシュア様。

 王子様かよ。

 いや、王子か。と心の中でノリ突っ込みを入れる。


(やばいやばい、自己紹介しかしてないのに突っ込みどころ多すぎて集中できないんだけど!?)


 そんな紗雪の胸中など知らず、次々と前に出て挨拶をしていく騎士様方。


「先ほどは、隊長の危機を感じたため、手荒にして済まない。聖騎士団第一部隊副隊長のリベリオ・スタッコートと申します。聖女様」


 私には一瞥だけして、隊長さんと同じく紗希に跪いて手の甲にキスをする、剣を吹き飛ばしてくれちゃった美少年もとい、聖騎士団第一部隊副隊長リベリオ・スタッコートくん?見た目では十代半ばくらいに見えるけど、ちょ、なんかにらんでねえか?この子...


「直接顔を合わせてねぇが、あそこにはいたから俺としては初めましてではないんだが...お初にお目にかかります、この国の聖騎士団団長のガストラ・ニコラージと申します。宜しくな?聖女様...とー、付き人さん、よ?」


 今度は、紗希だけではなくきちんと紗雪にも手を差し出し跪いて手の甲にキスをする団長さん。


(意味ありげな目線が気になるが、この人、絶対モテるぞ...!)


 確信しつつ紗希の方を見ると、度重なるお嬢様扱いに顔を真っ赤にして、今にもぶっ倒れそうになっていた。おおお、わかる、わかるけど、頑張れ紗希~!!!と目だけで応援し、最後の一人と顔を合わせる。


「......魔剣士セオルド・ペロッティだ」


 名前だけ言ってすぐに黙り込む無表情な男、セオルドさん。紗希の方をちらりと一瞥してすぐにまた視線を外してしまったが、どうやら紗希は見たことがあるみたいだった。私が気絶(多分)した後に来た人なのかな?いや、それより、ペロッティ...ペロッティ!?めちゃめちゃ可愛いな?見た目と違って!?

 見た目は、黒髪で前髪のせいで目がよく見えず、着ている服も団長さんたちみたく、白や金を主体としたものではなく、全身真っ黒で、なんていうか、根暗みたいな感じである。


「それで、こちらの紹介は一通り終わりましたが、聖女様たちのお名前をお聞きしても?」


 遠慮がちに聞いてくるエリオに対し、慌てて答える。


「すみません、えっと、私が相澤紗雪で、こっちの、皆が聖女様って呼んでるのが、私の妹の相澤紗希です」

「...紗希、です。」


「ええと、アイザワサ・ユキ?サキ?」


「ああ、ええと、そうだな...私は、ユキ、で、妹は、サキ、でいいです。ユキ、と、サキ」


 聞きなれないような名前のようで、若干間違えているのだが、いつも言いずらいと言われているので、特に不快に思わず、寧ろこちらから呼びやすいように愛称で伝えながら交互に顔を指さす。


「ユキ様と、サキ様ですね。お気遣いおかけして申し訳ありません、有難う御座います。

 それでは、早速ですが、何故、あなた様がここにいるのかを説明させていただきます」


 エリオは椅子に座ると、団長さんや隊長さんも、エリオの右手側の三人かけ位のソファに腰かけ、紗雪と紗希も机を挟んでエリオの左手側の同じく三人かけ位のソファに腰掛ける。リベリオは隊長の少し後ろに控えて立ち、セオルドは窓際に寄り掛かった。そこから長い長いこの国の名前や歴史、この世界のことをつらつらと話し出したエリオに、二人は今にも寝てしまいそうになりながらも理解しようと必死に耳を傾ける。

 どうやら、先日、闇と絶望の都ってところで魔女が召喚されて?魔王がいつ襲ってくるか分からない状況で、恐怖に陥ったこの国、ええと、光と希望の都「ルーシェ」?ってところで、過去に魔王と戦争になったときに魔王を倒したとされる聖女様を召喚するべく大掛かりな儀式が行われ、呼び出されたのが、紗希、らしい。

 話を聞いてると、


 紗希 聖女


 紗雪 おまけ


 らしいのだが、紗希ちゃんが聖女かどうかはわからなくないか?私はぜんぜんおまけでいいんだけどさ。


 その疑問が顔に出ていたのか、エリオが丸っこい石みたいなものが入った箱を懐から取り出した。

 大きさにして、野球ボールとバレーボールの真ん中位??


「サキ様が聖女様であるかどうかは、私自身、人の魔力量や魔力の流れを見て感じることが出来るからなのですが、そういったものが見えなくても、簡単にわかる方法がございます。この、神に一番近い山の山頂から取れた石に触れるだけで、その者の魔力が何かわかるのです。」


 聖女かどうかわかるまるっこい石

 試しにと、エリオが箱から取り出し触れると、少し経った後にほんのりだが金に光った。聖女様だと、それはもう光り輝く透明な球になるらしい。らしいというのは、エリオでさえ、古い文献の中でしか読んだことが無く、実際に見たことは無いらしい。

 そんな怪しい石を私が紗希ちゃんに触らせると思います?触らせるわけないですよ。


「なんか、怪しいので、私が先に確認してもいいですか?」

「ええ、どうぞ。」


 全然怪しくないし、心配なんてないけど?って顔で見てくるエリオにムっとしながらも恐る恐る石に触れる。触れる寸前に、紗希が心配そうに腕を掴んだが、心配ないよと、安心させるように笑顔を向け、そっと石に触れた。


「.........っ?何も、オキナイケド...」


 触れてから、体感二~三分程経っている気がしたのだが、待てども待てども何も起きない。そのことに、エリオも、周りも、不思議に思ったのかざわざわとし始める。


「こんなことは、初めてだ...。この国に生まれたものは、どんな生物も、何かしらの魔力を持っているのに」


 驚きを隠せないエリオに、紗雪たちからしてみれば光るほうが変だけど?と思い、そんな危険もないと判断し紗希に触らせてみる。

 すると、触れた瞬間に、石を中心に光だし、一瞬にして光で何も見えなくなってしまった。

 

 ちょちょちょと!?

 こわっ!?何も見えない!?


 何も見えな過ぎて怖くて「紗希ー!?」と叫ぶと、紗希が手を離したのか辺りの光が一瞬にして消えた。


 「おね、えちゃん...」


 紗希も心底びっくりしたらしく、顔をこわばらせながら紗雪の腕にしがみつく。

 紗雪も、顔には出ていないが、腕にしがみついてきた紗雪の手を強く握った。


「...と、このような、これほどまでに強い光を放つとは思いませんでしたが、サキ様が聖女様としての魔力を持っていることが確認できましたね」


 エリオが冷静に話しているが、驚きは隠せておらず、団長さんや隊長さんたちは、立ち上がり剣の柄に手をかけていて、警戒態勢になっていた。


 一度落ち着くためにと、エリオがメイドさん(仮)をよんで飲み物を持ってこさせた。

 見た目と匂いは紅茶っぽいそれを恐る恐る飲むと、紅茶のような味わいの中に何か心が落ち着くような懐かしい味がした。それが何の味か思い出せなかったが、再びエリオが話し出したことによって、意識をそちらへと戻した。


 丸っこい石の説明をもう少しだけ詳しく聞くと、この世界には、大きく六つの魔力があるらしい。

 主に、火・水・地・風の力があり、そのどれもなかったとしても、この国に生まれればすべての生き物が聖魔力を持っていて、闇と絶望の都「ブイオ」に生まれると闇魔力を宿すんだと。

 火属性が強いと赤く、水属性が強いと水色に、地属性が強いと茶色に、風属性が強いと緑になるらしい。

 そして、聖は金に闇は紫に。

 強すぎる聖は白く、強すぎる闇は黒くなるらしい。

 よって、白く光り輝いた紗希は聖女なんだと。

 因みに、なにも起きないのはおかしいらしい。

 この世界の人は、ルーシェやブイオに生まれなかったとしても、みな何かしら魔力を宿していて、無属性だとしても、ほんのりと黄色く光るらしいのだ。


 えっ!?私は?!

 このせかいの住人じゃないにしてもなんか寂しいよね?!何もなし!?


「生き物ではなく、命を持たぬものは、魔力が無いと言われるのですが、例として挙げるのであれば、そうですね...ここにあるカップや椅子、ヨシュア様たちが身に着けている剣、私たちすべてのものが身に着けている衣類などですね。ですが、そうなると、ユキ様もそのようなものと同じになるわけなんですが...


 なんとも言えぬ顔で説明をするエリオに対し、「いやいや、それはナイデスケド!?」と、流石に驚きを隠せない紗雪。

 とりあえず、紗雪に関しては、たまたま、聖女様と一緒に召喚されてしまった、何の力もない異世界の住人、として、処理されることになった。あんまり嬉しくないけど、物よりかは良いのか?



「さて、本題に戻りますが、」


 コホンと咳ばらいをしながらエリオが話を戻すと、一呼吸置いた後に、ヨシュア様へ目配せすると、ヨシュアは真剣な顔で紗希の方へ顔を向ける。



「聖女サキ様。この国を守るために、魔王を倒すために、力を貸してくれないか」


「イヤデスケド」


即答する紗雪に、その場にいる全員が、それこそ紗希も含め皆が紗雪を見て驚き叫んだのだった。





「「「「「「「え、えぇーーー?!」」」」」」




三日に一度くらい更新のつもりでした。

話も亀のような進みですが、お付き合いいただけると嬉しいです。

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