休日が暇 松村さんの場合
今日も休日が暇である、さてどうしようか、私の名前は松村だ、とにかく暇なのである。
「よしちょっとネットで暇つぶしの方法でも調べてみるか」
「何々、暇な時は散歩しましょうと書いてあるな、正直面倒臭いけど行ってみるか」
松村は近くの河川を歩いた、その日はとても天気が良かった。
「うーん、確かに天気は良くてある程度気分がいいな、ただ歩くと疲れるし別に楽しいわけではないな」
「ん?あそこに散歩している女性がいるな、暇だしちょっと声をかけてみるか」
「こんにちは、今日は天気がいいですね」
「え、ええ」
相手は困惑した顔をしている
「犬可愛いですね、なんていう種類なんですか?」
「柴犬です」
更に困惑している
「・・・・・・」
話す事なくなったな
「では、また散歩はじめるのでこれで」
「ええ」
相手はスタスタ急いでどこかに行ってしまった
「ネットでは勇気を出して声をかけないと駄目だって書いてあったからそうしたのになんだよ、ガセネタかよ」
松村は考えた、いやたった一回失敗しただけで諦めては駄目だ、もっとチャレンジしないといけないんだ。
「お、後ろからジョギングしてくる女性がいるぞ、よし声かけてみるか」
松村も走った、そしてその女性の後ろを並走した
「今日は良いジョギング日和ですね」
シーンとしている
「あの、あなたに話しかけたのですが」
「え、私に話しかけたの?」
そういって女性は走るのをやめて歩き始めた
「ええ、なんか今日いいジョギング日和だなと思って」
「ええ、確かにそうですねー」
すごく、避けたがっている顔をしている
「よくここ走られるんですか?」
「いえ、ここはほとんど走りませんね、今日はたまたまです」
おどおどしながら言っている、多分嘘である。
「ジョギングはいいですよね、健康的になれるし」
「ええ・・確かに」
「まあ私は今日が初めてなんですけどね(笑)」
「ああそうなんですか・・・」
そして女性はスマホをちらっと見る
「すみません、ちょっと時間が押しているものでちょっと失礼します」
「ああそうですか、では頑張ってください」
女性はまた急いで走って行った
また、なんかあまりよい感じではなかったな、これだけ失敗するとちょっとショックだな
いやまてよ、いきなり知らない男性が後ろから走ってついてきて声をかけたらそりゃ怖いな
ほんと僕ってそのあとに気が付く事が多いんだよな、よし次は改善して自然に声をかけるぞ
すると次は、おばあちゃんがゆっくり歩いてきた
「こんにちは」
「こんにちは」
お、なんか今回は良い感じだぞ
「今日は天気がいいですね」
「そうだね、こういう日は散歩すると気持ちがいいね」
お、うまく会話出来てる感じがする
「いつも散歩には一人でくるの?」
「ええ、旦那も天国に行ったし、一人息子は東京にいってしまったしね」
「それは大変だね、1人でやっていけるのかい?」
「ええ、旦那が残してくれたお金があるからね、何とかやっていけるよ」
今日初めてうまく会話が進んでる感じがするぞ
「俺この近くに住んでるんだけどもしなんか手伝えることあったら呼んでよ」
「いいえ、そんな事までしなくていいよ、私も出来る事は自分でするから」
どうしようかな、もしかしてこれ遠慮して断ってるのかなそれだったら心配だな
「姉さん、今日時間あるし家の片付けとか手伝えることあったら何か手伝おうか?」
「いいよ、私の家にはヘルパーさんもたまに来てくれるし大丈夫だよ」
おばあさんはにっこり笑った
うーん、おばあさんこう言ってるけど、誰もいない所にいるというのは寂しいと思うんだよな
やっぱり強がりで行ってるんだと思うんだよな、ここは少し強引でも手伝ってあげた方がいいのかも
「姉さん、俺今日時間あるから姉さんの手伝いをしたいんだよ、どうせ家帰ってもやることないからそれなら手伝いたいんだよ」
するとあの笑顔のおばあさんの顔が変わった
「あんたしつこいんだよ、今はやりのアポ電でしょ、私の家に資産があると分かったから狙ってるんでしょ、しかもいきなり姉さんなんて言い始めて怪しいのよ!さっきからいいって言っているのが分からないの、それでも住所知りたいのかい、次はオレオレ詐欺で私の息子にでも成り済ますつもりかい!」
「いやそんな事考えてないよ」
「うるさい、私はもういく!」
そういっておばちゃんは怒ってどこかに行ってしまった
まあ、ああやって怒るのも仕方ないか、今人を信じてお金取られる事件が多いからな、疑われるのもしかたない、今日は帰ろう
「今日は、結構色々あったな、でも改善点も少しずつ分かってきた今度は頑張るぞ」