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日本語→英語→日本語 自動翻訳で綴るテンプレなろう小説  作者: フェフオウフコポォ


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17話:花子?(原文)

「なぁーーーーーっ!」


「な、なにっ!?」

「て、敵っ!?」

「ふわぁ……」


 ケイティさんの叫び声により飛び起きる。ただ花子だけはゆっくりと欠伸をしている。


「こ、こここ、こ、これは、ど、どういう状況なんですか! タローさん!?」

「うぇっ!? 状況……えっ!? 誰っ!?」

「ふ~……やれやれ。誰とはひどいワン。ご主人。」

「えっ!? ……もしかして……ハナ? 花子なのか?」


「何を言ってるんですかタローさん! そんな誤魔化しは私許しませんよ!」

「いえ誤魔化しとかそういうわけじゃ……」

「はっ! ま、まさか、この人は愛玩用のペットとかそういう意味ですか!? あの後クォンさん以外にも買ったんですか!? そういうことなんですか!?」

「ちょ、落ち着いてください!」

「私は冷静ですっ! 落ち着いてます!」


「ふぁあ……落ち着いてる女はキンキン声を上げる事なんてしないワンよねぇ。」

「ふぐぐっ!」

「……おかしい……私がこの状況で熟睡するなんて……」


 クォンが首を傾げながら呟いている。

 大方花子の癒しの妖精の能力のせいで熟睡してしまったのだろうけれど、そんなことよりなにより、まずは前を隠してほしい。


 いつまでたっても上半身を起こしたまま隠す素振りがないので、シーツを引っ張りクォンの前を隠させる。


「いや~~ん。ご主人のえっちぃ~」


 花子(仮)のシーツがめくれ上がり、その肢体が露わになる。大事な部分を器用に両手で隠しながら悪戯をした子供のように微笑む花子(仮)。


 その小悪魔のような色香に惑わされそうになりつつも鑑定をしてみる。


--*--*--


名前:佐藤 花子(超進化形態)

年齢:秘密

職業:意外と嫉妬深い忠犬


レベル:99


生命力:99999/9999

魔力:99999/9999

持久力:999

筋力:999

体力:999

技量:999

精神力:999

運…神の加護

スキル:言語理解、鑑定、偽装 、念話、ストレージ、広域地形把握、敵勢探知、闘神覚醒、癒しの妖精、超進化、超退化


--*--*--


「やっぱりハナなのか……」

「くっふふふ。そうだワン。前世からの深い絆で繋がったパートナーの花子だワン。」


 花子が言葉と同時に起き上がり、勢いよく抱き着かれる。


「なっ!?」

「むっ!?」


 ケイティさんとクォンの声が聞こえた気がしたけれど花子の胸に顔を挟まれたことで、その感触に意識がゆっくりと違う世界へと旅立とうとする。流石は癒しの妖精。


「な、なにしてるんですか!?」

「それは私の役目です。」


 後頭部も柔らかいマシュマロで包まれてゆく。


「おっ? クォンもなかなかやるワンね。まぁハナの方が大きいワンけど。」


 極楽はここにあったのだ。


「こ、こらーー!! はしたないです! 不潔です! やめなさいっ!」


 ケイティさんが花子とクォンを引き離そうとするが離れず、しばらく悪戦苦闘するのだった。

 もちろん私は抵抗などしない。



--*--*--



「……なんでまたハナはそんな姿に?」

「ご主人がハナの事は違う方面でだけ好きとか言って乙女心を傷つけたから、ちょっと思い知らせてやろうと思ったワン。」


 クォンが服を着て、代わりに花子がシーツを身体に巻いた状態で笑顔で答える。

 花子とクォンの抱擁から解放された後、花子は一度犬の姿に戻り、その後また人の姿に戻ったことで、ケイティさんもクォンも花子であることを理解せざるを得なかった。


 ただあまりの事態にケイティさんは未だ混乱の中にあり、ぶつぶつと何やら「なんでまたライバルがどんどん増え……」とかなんとか呟いては自分自身に何かを納得させようと言い聞かせている。

 クォンはといえば本能的に花子との力の差を感じ取ったようで、静観を決め込んだのか静かにしている。


 そんな二人を気にすることなく花子がシーツをめくり、そのむっちりとした太ももを露わにする。


「くっふふふ。どうワン? ご主人? ハナの魅力に目覚めたワン?」


 少し生唾を飲みたくなったけれど我慢して目を逸らす。

 これは美少女ではなく、花子。犬の花子なのだ。大事な家族だ。


「はいはい魅力的です魅力的です。魅力的ですから、とりあえず何か着てください。目のやり場に困るんで。」

「むふ~。仕方ないワンねぇ。まぁとりあえずケイティが騒いでお仕置きはできたしご主人の言う通りにするワン。時間も時間だし。」


 そういってシーツを頭から被りもぞもぞし始めた。

 おおよそストレージから何か服を出しているのだろう。


 バサっとシーツを投げ捨てると、花子はセーラー服姿へと変わっていた。


 ピンク色の髪にセーラー服。顔立ちも幼いから、どう見ても中高生のように見える。

 ただし胸だけは、どう考えてもそうじゃないことを盛大に主張していた。


「……変わった服ですね」


 ようやく現実に戻ってきたのかケイティさんが呟いた。


「くっふふふ、これがご主人の大好きな服だワン。」

「なっ!?」

「むっ?」


「ちょ、ハナっ!? いきなり私の変な印象をつけないでください!」


「ご主人、心配しなくても大丈夫だワン。こっちにはセーラー服はないから別に『セーラー服を好き』と言っても何も問題はないワン。自分に正直になっていいワンよ。」


「しょ、しょ、正直って、わ、私はいつも正直ですよ!?」

「ん。そうワンね。別の服に着替えろとか命令しないものねぇ。くっふふふ。」


 とりあえず口を噤んで黙っておく。

 なぜなら今は自分の名誉や誇りよりも、可愛い女の子が制服を着ているという事の方が重要だからだ。


「ハナさん……いえ、花子さん。その服に予備はありませんか? 私も着たいのですが。」

「な、クォンさんっ!? いきなり何を言ってるんですか!?」


「くふふ、あと一着ならあるワンねぇ。」


「では私にもその服を貸して頂けませんか?」

「ちょっと待ってください! 私も着たいです!」

「くっふふふ。ハナはご主人の言う通りにするワン。ご主人がクォンに渡せと言えば渡すし、ケイティに渡せと言えばケイティに渡すワン。」


 二人が一気にこっちを向く。


「ご主人様! 私にあの服を!」

「た、タローさん! 私にあの服を。」


「ちょ、えぇっ!?」


 銀髪美女セーラー、ブロンドシスターセーラーなんて選択肢だと? そんなの選ぼうにも選べるはずがない。

 思わず頭を抱える。


「まぁ? 服はハナサイズだから二人には身長的にキツくて着れないワンけどね。」

「「なら言うな。」」


 二人が花子に突っ込みを入れつつ沈下する。

 ただ、私としては小さいサイズのセーラー服を着て、ぱっつんぱっつんのへそ出しセーラ服になったとしても、それはそれでありじゃないか? と思う。

 ただ思っただけですぐに心の奥深くにその思いは封印するのだった。



--*--*--



「ロレッタお嬢様は――」

「今回の授業の間はローリーとお呼びくださいな。長い呼び名では面倒もあるでしょうし他の冒険者に目を付けられる可能性もございます。」


「そうですね。ではローリーと呼ばせていただきますね。」

「敬語も不要です。仮にも先生のようなものですし、私の方が年も下ですし違和感がでてしまいますし。」

「ではそのように。」


 しっかりとした返答に思わず苦笑いをしてしまう。教育水準が高いという事だろうか。


「しかし……人の姿にもなれるとは……シヴァ犬とは素晴らしい種族なのですね。」

「はーなーれーるーワン。」

「はっ!? 申し訳ございません! 私ったら身体が勝手に……花子さんがあまりに可愛らしかったもので……」


 流石は癒しの妖精だけあって、私、ケイティさん、クォン、花子のパーティの中で花子が一番ロレッタに懐かれている。

 気が付けばロレッタは、いつの間にか花子の隣にいるのだ。


 私としても花子がこの中で一番強いから、そこに居てもらった方が都合がよく特に戒めたりはしない。花子もそれをわかっているから多少は大目に見ているようだ。


 さて、どうして貴族のお嬢さんが一緒だというのに下男やメイドが付いていないのかと言うと、これから向かうのは『ダンジョン』だからだ。


 今回のロレッタお嬢様のレベリングの依頼は、街から最寄のダンジョンに一週間籠り上げられるだけレベルを上げるという内容だった。

 必要な物資などはクリスさんが揃えてくれていたので、まるっと預かり全部ストレージにしまってある。


 ダンジョンは魔物が住みついたり湧き出たりする場所で、今回向かう森のダンジョンは地下五階層までしかないダンジョン。

 ただ、はるか昔に探索などはされ尽くしており今は腕試しの冒険者なんかが時々立ち寄る場所となっているらしい。

 人の出入りがそんなに多くないことから時には無法者なんかが隠れ家にすることもあるらしく腕に覚えのないものは近づかない場所とのこと。


 危険ではあるけれどその分敵対する魔物との遭遇率も高くレベリングには最適の場所なのだとか。


 正直なところゲームのような場所の存在にワクワクしている自分もいる。


「しかし……ご主人様、私はこんなに良い品を使っても良いのでしょうか?」

「ん? クォンの能力から考えると、それくらいの装備をしてないとバランスが悪いでしょう?」

「ですが、ご主人様は全くご自分の物を買われていないではないですか……」

「私は愛用している武器もあるし離れてても攻撃できるからね。気にしないで。」


「いえ、この御恩に報いる為にもご主人様には敵を一切近づけさせません! お任せくださいませ!」

「いやそこは私も戦いたいから無理はしないようにね。」


 ギルドに立ち寄った際にワニの報酬をもらう事になったのだが、思いの外に高額報酬だった為、クォンの装備を一揃え揃えたのだ。


「私まで新調してもらっちゃって良かったんでしょうか……」

「ケイティさんにはお世話になってますからね。報酬の出たワニを倒す事になったのも、ある意味でケイティさんのおかげですから。気にせず使ってやってください。」

「有難うございます……」


 買い物に出てクォンだけに装備をプレゼントするのも気が引けたので、ケイティさんにも欲しそうな顔をしていた魔法効率を良くするらしい杖をプレゼントしたのだ。


「ご主人はハナには何もプレゼントしてくれなかったワン……」

「ハナに武器は不要でしょうが。」


「また乙女心が傷ついたワン。くっふふ。今晩を楽しみにしているワンご主人。お仕置き野外バージョンワン。」

「もう勘弁してください。」


 夢が膨らむ言葉を聞きつつも進んでいると夕方にならないくらいに聞いていた森のダンジョンに到着した。


「ふぅん……これは楽しいことになりそうワン。」


 ダンジョンの入り口を見ながら放たれた花子の一言に、どうしようもなく嫌な予感がするのだった。


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