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日本語→英語→日本語 自動翻訳で綴るテンプレなろう小説  作者: フェフオウフコポォ


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7話:依頼受諾(原文)

原文です。

 少し騒がしい食事を終えると宿はすっかり準備を終えていたようで、ケイティさんと別れ部屋に入る。

 部屋自体はベッドしかない作り、広さも東京の安いビジネスホテルといった程度。ただそれでも個室というのは安心できる。


「おいで花子」

「ワフン!」


 ベッドを叩くと花子が飛び乗ってきたので、満足するまで撫でた後、久しぶりに花子と一緒にベッドで休んだ。


 翌朝、花子に顔を舐められる感触で目覚めると扉がノックされていたので慌てて開くとケイティさんが立っていた。


 昨日、食事の際に翌日の行動を決めてあったのだが、早くも約束の頃合いになっていたようだ。


 今日のケイティさんは護衛した貴族令嬢の執事ことクリスさんに報告に行く予定しかないらしく、私が昨日ギルドカードをもらった事もあり、今日はギルドで簡単な依頼を一緒に受けてもらい、お金を稼ぐ一連の流れを手伝ってもらう事になっていたのだ。やはり先立つ物が無ければ安心は出来ない。

 そして依頼の帰りには街を案内してもらう流れになっている。


 ケイティさんと朝ごはんを食べに向かう途中、なぜかミーナちゃんに「昨晩はお楽しみでしたね」とからかわれ、食堂に入ればナーミちゃんにも「昨日の『タローさんの白濁液』美味しかった?」とからかわれ、ケイティさんが顔を真っ赤にしていた。


 なんとなくだけれど、ミーナちゃんとナーミちゃんは10歳くらいに見えているだけで、本当は私よりも年上なんじゃないないかと思う。なにせよくよく考えれば宿の現金管理を任されているのだから子供がそんなことできるはずもない。 それになにより一々言動がセクハラ親父臭いのは年を重ねたせいだと考えるとしっくりくる。


 ここは異世界。

 もしかすると彼女達は『ハーフリング』などと言われるような小人の種族なのかもしれない。


 焼き立ての大きなパンと肉入りシチューという豪華な朝ごはんを頂き、ケイティさんとギルドへと向かう。



 ギルドの扉を開けると、中に居た数人がビクっと体を反応させ、こそこそと小さく話をし始めていた。

 話し方の雰囲気からしてどうにも私が『危険人物』認定されているような気がする。


 自分自身やり過ぎた結果だから反省はしているけれど、余り良い雰囲気ではない。

 苦笑いしながら受付にいたアメリアさんに声をかける。


「おはようございます。アメリアさん。」

「およよ? お二人揃ってという事は? もしかして……」

「えぇ。私がこの街に不慣れなので、ケイティさんに慣れるまで先生をお願いしたんです。」


 ミーナとナーミのセクハラに慣れてしまったせいで、自然と先手を打ってしまう。


「あらら……色気のない話ね。それじゃあ早速仕事の勉強ってところかしら?」

「はい。」

「あらそう。ではギルドの為に頑張ってください。依頼はあっちに貼り出してあるから選んで持ってきてね。」


 ケイティさんと紙が画鋲でとめてある掲示板に向かい眺める。

 スキル『言語理解』があるおかげだろう、読むに苦労する事は無かった。

 一通り目を通していくと、目が留まる依頼があった。


「これは……」

「翼竜討伐ですね。」


 ケイティさんが翼竜に襲われていた事を考えると、どうかとは思った。

 だが1体あたり中金貨8枚という高額報酬。スルーするにはもったいない。


「太郎さんは翼竜を難なく倒す事ができるのは分かっていますが……問題は運搬ですね……倒してから人夫を手配して護衛しながらとなると……」


 ケイティさんの言葉から、ストレージというスキルはかなり希少なスキルなのであろうことが推測できた。

 密輸等にも使い放題なスキルだと思っていたけれど、どうやらその可能性は高いようだ。あまり知られない方が良いスキルなのであれば、まずは普通のやり方を学んだ方が良いかもしれない。


 ちなみに先に倒した翼竜は価値の高い魔石だけを回収し放置する事になっていたので、花子と再開した時に回収してきてもらってある。だから翼竜の素材はハナコのストレージに仕舞ってあるのだ。


「ケイティさんが良ければこれを受けてみたいと思うんですが……」

「私は構いません。」


 依頼票を掲示板から取り、アメリアさんの所に向かい差しだす。するとアメリアさんの眉間に皺が寄った。


「この依頼はランクC以上じゃないと受けられないのよ……ゴメンなさいね。」

「え?」


 そっと返却された依頼票をよく見れば『C』の判子のような物が押されている。


 疑問なのは何故ケイティさんが、こんな初歩的とも思える事を知らなかったのかだ。

 その疑問を乗せた視線をケイティさんに向けると、当の本人は顔を赤くしながら下を向いていた。

 様子を察したアメリアさんが口を開く。


「ケイティさんは、ほら。こういった依頼とかは受けてなかったから知らなかったんだと思うわ。

 討伐系はランク制限があるの。無駄死にを避けるという意味も含めての処置だから我慢してもらえる?

 配達や近場でできる採取依頼なら制限はかかってないから、まずはそれで実績を積んだらいいと思うわ。」

「す、すみません……太郎さん。」


 そうだった。

 ケイティさんはゴースト系に強いらしい聖魔法のスキルだから、本来討伐には向いていないんだった。

 昨日の絡まれ方から見ても、ギルドで彼女が安心して討伐に同行できる人間も少なそうだったから、おおよそこれまでは一人でも可能な依頼を黙々とこなしていたに違いない。


 納得し返却された依頼票を受け取る。


「いえ、いいんです。私が知らないばかりにお世話をおかけします。

 今日はとりあえずの勉強で来てますし、日帰りでできるような手軽な依頼のお勧めを教えてもらえませんか?」

「は、はい! それなら薬草採取です! 薬草採取なら任せてください!」


 ようやく笑顔が戻り、改めて掲示板に向かおうとする。


「あ~ちょっと待って。」


 アメリアさんに止められた。


「……翼竜の依頼票を選んで持ってきたって事は、太郎さんが狩れるって事なのかしら? そういえば昨日も襲われたのは翼竜だって言ってたみたいだし……」

「はい! 太郎さんは凄いんです! 翼竜を一撃で――」

「あぁ、すみません。さっきのは私が分かってなくて間違えて持ってきてしまっただけなんです。すみません。」


 ケイティさんの声を遮って返答し、すぐにケイティさんに顔を寄せてこっそり耳打ちする。


「昨日、ギルド内で威圧してしまった件もありますし、あまり悪目立ちしない方が良いような気がするので、ここは話を合わせてもらってもいいですか?」


 慌てたようにコクコクと頷くケイティさん。

 二人で適当にアメリアさんを誤魔化しつつ薬草採取の依頼を受け、その後クリスさんの所へケイティさんと向かい滞在場所を伝言してから、早速薬草採取に街の外へと向かうのだった。


 

*****



「まったく昨日は舐めたマネしてくれやがって……」

「ウィルマの旦那……ちょっとマズくねぇですか? アイツら翼竜討伐の依頼を受けようとしたって噂じゃねぇですか。」

「はっ! んなもんただのポーズに決まってるだろうが! 虚仮威しだよ! 実際に受けてるのは薬草採取じゃねぇか!」


 薬草採取の為に街を出て近場の森に入った二人の後をつける男達の姿があった。 

 ギルドで絡んだ巨漢の男ウィルマと、その仲間の男達、合わせて4人。


「旦那ぁ……虚仮威しだったとして、あいつらつけてどうする気なんで?」

「安心しな! 別に犯罪者になるつもりはねぇよ! だが恥かかされた礼はしなきゃなるめぇ。」

「まさか……」

「おう。モンスターの『押し付け』をやるぞ。」

「へへっ、こえぇ人だなぁウィルマの旦那はよぉ。」

「はっ! 楽しそうな顔して何を言ってやがる! 行くぞ!」

「へい!」


 男達は太郎達を追い越すように森の奥へと入っていくのだった。

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