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雪の雫の花束を  作者: 鏡田りりか
プロローグ
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プロローグ

この小説を開いていただき、ありがとうございます。

頑張って行きますので、よろしくお願い致します。

 それは、花曇りの空の下で行われた。

 桜が咲き誇る朝。仕立下ろしの制服を身に纏う少女達の笑顔が咲き乱れる。

 薄らと湿った風が、少女達の間を駆け抜けると、小さな花弁は風に舞い、見事な桃色の空間を作り上げる。

 そんな中、桃色の髪をした少女が一人、門の前に立っていた。

 つまらなそうな、濁った瞳。髪を揺らす風を一切気にせず、ただただ立っていた。

 何故、彼女に目を付けたのか。それは、『同じ目』をしていると思ったから。

 桜の花弁が舞う中。何故か、彼女がとても美しく見えた……。






 彼女は、いつも私の事を『フラン』と呼ぶ。

 そんな彼女を、私はいつも『ロズ』を呼ぶ。


 愛称というのは不思議なもので、それだけで特別な存在にしてくれる。

 名前を呼ぶ時、呼ばれる時。心の中が、じわりと暖かくなるような気がした。

 その度に、この感情の正体に気付くのだ。


 私は、彼女に特別な思いを抱いていた。


 それは、初めて出会ったときから、既に抱いていた。

 しかし、そんなはずはない、と否定し続け、本当に受け入れられたのは、つい最近の事。

 私は、彼女の事を……。






 春になると、いつも、初めて会った時を思い出す。そして、彼女の事も。

 ぼんやりと、舞い落ちる桜を見ていると、後ろから肩を叩かれる。

「おはよう、フラン!」

 桃色の髪が風に舞う。キラキラと輝く瞳の彼女に、私はそっと目を細める。

「おはよう、ロズ」

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