表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
3/3

page.2

駅の改札口を抜け、三十段くらいの階段を登り切った先、約60m離れた所に零也が通っている私立高校が見える。








ぼけっとしながら歩く零也の襟に誰かの手が伸びる。徐々に近づいてくその手に零也が気づく様子はない。

手があと少しで零也に届こうとした時だった。

突然、零也は振り返って手を掴み捻りあげたのだった。


「いたたたたっ!いたいっ!かんべん、ギブギブぅ!!」

「やっぱりお前か、安堂(あんどう)。」


手の持ち主は一人の少女だった。茶髪のショートに黒の瞳をし、156cmくらいの身長で元気に満ち溢れた印象の可愛い少女だ。


「か弱い女の子の手を捻りあげるなんて!」

「お前のどこがか弱い女の子だ。」

「ひどい。一条(いちじょう)が冷たい……水輝(みずき)師匠、助けて!」


少女が傍の人物に駆け寄り抱きつこうとすると、師匠と呼ばれた人物はさっと避けた。


流和(るな)、いちいち抱きつこうとしないで。おはよう、一条。」

京賀(けいが)、おはよう。」


零也に挨拶をしたのはストレートの漆黒の長い髪に黒の瞳をし、凛とした雰囲気を身に纏う少女だった。

さらっと少女をスルーして挨拶をする二人を見て、安堂(あんどう) 流和(るな)はぶつぶつと呟きはじめた。


「くっ……やはり、二人は結ばれる運命なのか。無表情クール×無表情クールの組み合わせはなかなか無いけれ……いったあ?!」

流和(るな)、次、それを口にしたら……」

「し、したら?」

「部活で、楽しいことが待ってるかもね。」

「ひいっ。お先に失礼します!……って、前に進めない?!」


安堂(あんどう) 流和(るな)は叩かれた頭を抑えながら逃げようとしたが、一条 零也と京賀(けいが) 水輝(みずき)はそれを許さなかった。

カバンを零也が捕まえ、流和の襟首を水輝ががっしりと掴んで動けないようにしたのだ。


「逃げたら、今日の部活がとっても楽しくなるぞ?」

「ふふふっ。」

「に、逃げません逃げません、絶対に逃げません!!」


そう、実は三人は同じ部活に所属しているのだ。

零也たちの部活に今年入った一年生は零也と水輝と流和の三人のみなので必然的に仲良くなり、駅から学校までの登下校は一緒。

そして毎朝毎朝、流和が零也にちょっかいを出すのもいつものこと。流和が零也と水輝に捕まるのもいつものこと。


「じゃあ、行くか。」

「了解。」

「うわわっ!ちょっと、放して!」


そして、流和が零也と水輝に引きずられるのもいつものことだ。

今日も、三人のいつもの朝が過ぎていくのだった。

ありがとうございました。


今回、登場した二人の女の子たち紹介


京賀(けいが) 水輝(みずき)


別の作品の主人公。

この話は彼女が異世界に巻き込まれ召喚される少し前の出来事。


安堂あんどう 流和るな


初登場。

彼女の名前は、折鶴夏葵様に付けていただきました。

折鶴夏葵様、ありがとうございました!


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ