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赤き十字を切る→黒き民
黒死病が蔓延した時、ある村から人が居なくなった。村人達は病に陥る者か村から逃げ出すものに分類できた。 やがて村に残った人々は病に倒れ、死んで逝った。
時が経ち、家屋も姿を消した村。 村の周りには森が広がり、その村は誰の目にも触れることは無かった…。
村の跡地に何かを突き刺す音が響く。
土に突き刺さる、十字架。
何十本とある十字架を刺して行く影は赤い色をしていた。 黒の中でもはっきり見ることができる赤。
その赤は同じようなアカを一つ一つ突き刺していく。 アカはこの森の木で作った十字架に括り付けてあるらしい。
全ての作業が終わった赤い影は纏っていたコートを脱ぎ、
赤から黒に変わり闇に溶けていった。