始まりは何故かトイレから
<注意>
この小説はたくぽん、バナナンヌ、
かいとん、のぶてるの四人で書いています。
文の終わりにある<たくぽん>などは
そこまで書いた人の名前なので
お気になさらないでください!
二巡目から、頭文字だけになります。
ではノシ
「……ということであなた達、
トイレ掃除の当番をやってもらおうかしら。」
空はいつも通りの青でして、今日という日は、
特に何も起こらず、放課後を迎えた。
……ウソ。
前言撤回。
非日常には到底到しないが、
嫌な出来事なら、今…起きようとしている。
「えー。」
「はぁ、意味わからんし。」
「なんでうちらだけしやなあかんの?」
各々が不満の声を上げる。
それもそのはず。
私だって、皆の声に混じり、不満を吐き出していた。
帰り際に下された、トイレ掃除という命令。
しかも、選ばれたメンバー、全員が先生との
じゃんけんに負けた運無きクラスメイト達。
自分を入れて、総勢8名。
あーあ。面倒くさい。
運はなくとも、バカではない。
ここにいる誰もが、椎名先生がもう聞く耳のない事。
この不満講義が時間を食うだけの事は知っているし、
ちゃっちゃと終わらせて帰りたいものだと思っている。
突然編成されたパーティー御一行。
不満顔でのろのろとトイレへと直行。
「よし。うちここ担当ー!
はし、決定ーーー!」
誰も使っていない。
放課後は人気のなくなったトイレに高橋アヤの声が響いた。
彼女は真っ先に一番人気がない故、一番綺麗な個室を、
自分の担当場所に決定した。
すると、今までブスッっと口を開かなかったメンバー全員、
ハッと目覚めたかのように急いで自分の担当する場所を指定し始める。
出来るだけ、掃除が面倒くさくない場所を探して。
「ウチ、ここー。」
「じゃあ、あたしココで。」
アヤに続き、急いで声をあげて宣言したのは、
井森ユズキと田川ミキ。
順に奥ばかり埋まっていく。
「えっと、うちは…。」
自分も早く決めなくては。
そう焦りながらも冷静にどこが残りで一番ましか
見極める。
……どこも汚いな。
まぁ、ひとつ言える事。
右側の手前から三番目は絶対に嫌だ。
さっきちらりと見た。
いや、見るまでもなかった。
異臭。
このトイレ全体に漂う異臭の原因はあそこからする。
きっと白い便器の上には…想像もしたくない。
自重します。
そこまで考え、
自分は左側の手前の一番目の個室を掃除しよう!
と高良は思った。
そして、宣言するべく、口を開けた瞬間。
「……はいっ!高良時間切れー!
君は右の三つ目。
花子さんの出てくるあのトイレに決定ー!」
高らかな宣言は、ものの見事にアヤにとられてしまった。
「ちょっ、そんな勝手に。」
嫌だ!絶対にあそこは嫌だ!
なんとか取り消そうとするが……
どうやら自分には誰一人味方がいないようだ。
「それでいいんじゃない?」
「うわー。高良さん。」
「ガンバー!」
「まー残念だね。ドンマイ。」
笑いを含んだ声で高橋賛成派である乃木ユイナ、関根マコト、栢山ルカ、楠ミサキは、
残りの個室を埋めながら言った。
「はぁー…。分かったよ。
うちがすればいいんでしょ。」
別に空気が読めないわけじゃない。
高良は、他のメンバーがブラシを取る中、
+バキュームを持って指定された個室へととぼとぼ向かった。<たくぽん>