ポケットの中の交差点
誰のポケットの中にも、自分だけの「絶対的な協力者」が潜んでいるのかもしれない。
……もっとも、それが自分の思い通りに動いた結果、自らの手の甲に激痛が走るハメになったとしても、それを「罰」ではなく「成果」と呼べるくらいには、あたしたちはしたたかで、少しだけ愚かなのだ。
指先ひとつで世界を動かしているつもりになりながら、結局は自爆の針に身を悶えさせる。
そんな、可笑しくもちょっと痛い「あたし」と「あの子」の身勝手な全能感の物語へ、ようこそ。
あたしのポケットの中には必ずあの子がいる。あの子は必ずあたしの思い通りに動いてくれる。
あの子があたしの指示通りに動けばきっと、ハリセンボンが突き刺さる、それは罰かって?違う。寧ろあたしの悪戯の成果なのではないだろうか?
だからこそ、ハリセンボンの針は、ポケットに突っ込んだあたしの手の甲に突き刺さるのだ。
当たった罰は、その日の内に忘れ去る。あたしの指は、あの子の運命を司るミトコンドリアみたいなものだ。進化の過程で飛び出したとんでも珍兵器なのに違いない。あ、誤解しないでね。珍兵器の珍て、あのことじゃないかんね。
最後までお読みいただきありがとうございました!
本文中の「珍兵器」の「珍」ですが、決して他意や変な意味はございませんので、どうか深い邪推をなさらないよう固くお願い申し上げます。
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