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つらつらと  作者: 藍香
嫉妬
8/13

スエナガクお幸せに

上を向いて溢れそうなものをこらえて それでも溢れてしまったときも 声だけは漏らさないで

そうやって そうやって 我慢するようになってしまったあなたに 私がどんな気持ちでいたかなんてきっとわからないでしょう


所詮私は元凶で あなたの心を解き放ちたいと切望しても結局はできなくて あの子はたやすくその場を取って行って...



あのとき私はまだ未熟で、バカで、あなたの気持ちも考えられずに、守るどころか 傷つけた

あなたは最初、とても傷ついたような顔を一瞬覗かせて、それからすぐにいつもの顔でたいしたことないような顔をした

あのときはその顔のムカついて助けようとすら思わずにいたの

ただ、あなたが一瞬覗かせたあの顔だけがまぶたに焼き付いて離れなくなっただけ 

ただソレダケだった


私が自分の気持ちに気がついたのはもう手遅れだってわかってからだった

あれから何年ものときが経っても気づかなかった私はバカだね

なんにもあの時と変わらぬまま バカなままの私で

あの子が現れてからようやく気がついたの


わかってるよ。あなたの閉ざされていた心があの子によって開かれたときから

それでも私は相変わらずバカで、前と何も変わらぬまま

ただ対象をあの子に変えただけ 私が始めたダケ

一つだけ違うのはあなたがそこにいたこと それも前とは違う立場で あの子のヒーローとして 私を憎む人として

あなたがあのとき私に向けてくれた久しぶりの言葉は 夢に描いたものとは程遠く 湧き上がる感情もかけ離れていて 何より状況が夢は叶わないとはっきりと告げる

そう その言葉は 深く深く 胸の奥に突き刺さって 今も私の胸をジクジクと痛ませているの

まぁ 私を目覚めさせたのもソレだけれど



なんで、なんで。あなたが苦しんでいるときにそばにいて、支えて、励ましてあげられなかったのかな?

私のちっぽけな世界と天秤では、数ヶ月のつきあいのアノヒトタチと数年の付き合いのあなたとでは釣り合うどころか前者に傾いて

結果 あなたを苦しめ、傷つけた


今更後悔しても、何も変わらないのは知ってる”許して”なんて言いやしないから

だから、だから、今度こそは、あなたはあの子と幸せに幸せに過ごして

あなたの開いたばかりのその暖かい心をもう二度と閉ざさぬように


どうかどうか幸せに..


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