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お勉強【適正魔法 ②】

――目を開けると、自分の部屋のベットの上だった。


(あのまま寝ちゃったんだ……また心配かけちゃったなぁ)


 上半身を起こしてゆっくり伸びをしてから魔力を体中に巡るように流してみる。

 もう脱力感もなく、魔力もすっかり回復してるようだ。


 私はベットから降りて鏡で身嗜みを確認してから部屋を出た。


「いつのまにか寝ちゃった。心配かけてごめんなさい!!」


 テーブルに座る二人を見つけて近付きながら笑顔で言うと、二人もホッとしたような笑顔になった。


「良かった。もう体は大丈夫かい?」


「ルイの薬のおかげでとっても元気!! 結構な時間寝ちゃってた?」


「それほど時間は経っていない。この短時間でそこまで回復するとは……さすがはルイの薬だな」


 ルイに笑顔で返事をした私を見て、ダイアは関心したように言った。


「良かった。じゃあ、また魔法のテストの続きが出来る?」


 笑顔で問いかける私に、二人は苦笑いをしている。


「時間はあるが、さっき魔力切れになりかけたばかりだろう? 大丈夫なのかい?」


「お薬のおかげで元気になったもん。早く私に何が出来るのか知りたいし、もっとお勉強したい」


 ルイは心配そうに言うが、私は早く魔法を使ってみたかった。

 起きて魔力を体に流した時に、魔力が今までより多いような濃いような気がして、魔法も今までよりもうまく使えるような気がするのだ。


「わかった。でも無理はダメだからね」


「うん!! ありがとう」


 苦笑いのルイに笑顔で答え、私達はまた庭に出る。


「次は付加魔法の適正を見るよ。この石に魔力を流して、閉じ込めるように意識しながら光魔法のライトをかけてごらん」


 ルイから受け取った石に魔力を流して、今回は石が光るのを想像して光魔法をかける。

 石が一瞬光って消えた。魔力がそのまま石に留まっているように感じるが……見た目は変わらないので、私はこちらを見てる二人に首を傾げる。


「カナ、出来てるよ。この石にカナの光魔法が閉じ込められている。石をダイアに渡してみな」


 言われた通りにダイアに石を渡すと、ダイアは石に《ライト》と唱える。石が電球みたいに光りだした。


「光ってる……」


「カナが石に光魔法を込めたからな。私のように光魔法の適正がなくても、光魔法の《ライト》が付加された石に魔力を流せば使う事が出来るんだ。物に魔法を施す事が出来る魔法が付加魔法なんだよ。適正があったね。よく出来た」


 ダイアが笑顔で褒めてくれて、嬉しくなる。


「ここまでの適正魔法はすべて使える事が分かったね。次は空間魔法を見よう。お手本はダイアが見せてくれるよ」


 ルイの言葉にダイアは頷いて《ボックス》と唱えると、空気中に小さな亀裂のようなものが出来る。

 ダイアが亀裂に手を入れてから出すと、手には今までなかった革の鞘に入った小さめなナイフが握られていた。


「これが空間魔法だ。見えない箱や部屋を作り出して出し入れする事が出来る。適正があると、荷物とかを入れて歩けるのは便利だな。まず手のひらに魔力を集めて、頭で空間に亀裂が入るのを想像してから《ボックス》と唱えてごらん」


 ダイアに見せて貰った亀裂を思い浮かべて、魔力を集中して呪文を唱える。


「《ボックス》…………あれ?」


 何度やってみても亀裂は出来ず、魔力が減る感覚もない。


「どうやら空間魔法の適正はないみたいだな。でも別におかしな事ではないからな」


「そうさ。適正魔法は出来ないものがあるのが普通さ。だから落ち込まなくて大丈夫だよ」


 落ち込む私を見て、ダイアとルイが慌てて慰めてくれる。


「一度終わりにして夜になったら闇魔法の適正を確認しようね。闇魔法は夜の方が見やすいんだ」


 笑顔のルイに頷いていると、ダイアがクロヒョウの姿になった。


「私は一度森の見回りに行ってくる。カナ、夜までゆっくりするといい。それから、これはカナへ渡そうと思っていたのだ。いろいろと使えるだろう」


 二本足で立つクロヒョウ姿のダイアに、さっき取り出していたナイフを渡された。重くなく、持ち手の所に赤い石がはめ込まれた綺麗なナイフだった。


「ありがとう!!」


 笑顔でお礼を言ってから、森へと向かうダイアをルイと二人で見送って家の中に戻った。

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