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第二章:第十二話:ついに目的地へ到着

ついに前回で100分を超えました…

なんかすごく嬉しいです…


 

第二章:第十二話:ついに目的地に到着

 

・・・・・・

 

ファミーリエの村を出発した三人は次の街、アポーテケを目指し西へ行く。

 

「〜♪」

 

メートヒェンはユンゲラー夫妻と和解したことで周りも幸せにするような笑顔を振りまく。

 

「すごく幸せそうだな…」

 

「ユンゲラーさん達と和解できたからね…私も二人を安心させられるように頑張らないと…」

 

「そうだな…でも、もう立派に母親をしてると思うけどな…」

 

「そんなことないよ…本当の親子なら本音で言い合えないと…」

 

「その内に本音で言い合えるようになると思うけどな、それに俺達は俺達の家族のカタチを築いていけばいいんだよ、他の家族と比べる必要はないさ。」

 

「そうかな…」

 

「始まりから他の家族と違うんだからさ、俺達はただお互いを大切にすればいいだ、それにシュヴァさんも俺達のことを家族だって言ってたろ…大丈夫だ、誰がなんと言おうと俺達は家族だよ…」

 

「うん…」

 

「メーヒはママたちのむすめだよ…」

 

いつの間にか話を聞いていたメートヒェンが胸中を吐露する。

 

「そうだね…うん、私達は家族だよね…これからもよろしくね!ヴィオ、メーヒ」

 

「あぁ」

 

「うん♪」

 

アプリルが家族の在り方を確認していると、

 

「よぅ、楽しそうだな…」

 

「「!?」」

 

「?」

 

空間が歪み、そこから悪魔トイフェルが姿を表した。

 

「なっ、お前死んだんじゃ…」

 

「だって心臓に剣が…」

 

「バ〜カ、悪魔がそのくらいで死ぬかよ…俺を殺したかったらこの首を跳ねてみろよ…」

 

トイフェルは不敵な笑みを浮かべ、親指で首を切る動作をする。

 

「だれ?」

 

「さっきから気になってたがそのちっこいのはなんだ?」

 

「メートヒェンだよ…」

 

「あっそ」

 

トイフェルはたいして興味なさそうに返す。

 

「さて…先日は世話になったな、お返しを返さないとな…」

 

槍を何も無い空間から取り出し、矛先をヴィントに向ける。

 

「返り討ちにしてやるよ…」

 

ヴィントも剣を構えトイフェルに切っ先を向ける。

 

「おっと、昨日の奴らの分も返さねえとな…また死体を残さずに殺しやがって…」

 

「待て、昨日の奴らってお前…」

 

「ハンッ、そうだよ…昨日の魔物達はお前らを狙ってあの村を襲ったんだよ…」

 

「何だと…許さねぇ…」

 

ヴィントはトイフェルに斬り掛かる。

 

「ハッ」

 

「フッ」

 

剣を槍で受け止めトイフェルはバックステップすると、空間転移をする。

 

「またかよ…【ツークンフト・フォーアヘーア・ザーゲン】(未来予知)」

 

―――どこに………っ!?

 

「リルッ!後ろからトイフェルがっ」

 

「えっ?」

 

アプリルが後ろへ振り向いた時には、すでに槍での刺突が放たれる瞬間だった。

 

「遅ぇよ…」

 

「だめぇ〜!」

 

ブゥオン

 

メートヒェンが昨日使った不可視の力がアプリルをトイフェルの攻撃から守った。

 

「なっ!?」

 

「メッ、メーヒ…」


「良くやった、メーヒ!」

 

ヒュン

 

ヴィントはトイフェルが驚いた隙に距離を縮め、トイフェルに斬り掛かる。

 

「チッ」

 

左肩にヴィントの剣が襲い掛かり、血飛沫を上がる。

 

「その餓鬼、ただの餓鬼じゃねぇな…魔族か?」

 

「吸血鬼と人間のハーフだ…」

 

「ハッ、混ざりモノ同士仲良く家族ごっこか?天使と悪魔と人間の混ざりモノのヴィント王子?」

 

「うるせぇよ…それに、何故リルを狙ったっ?」

 

「フンッ、その方がお前にはいいと思ったからさ…大事なモノを壊されたらお前はどうなるかな?」

 

トイフェルは邪な笑みを浮かべアプリルを見る。

 

「クソが…」

 

「それに、ただお前を殺すだけじゃオレの気持ちが収まらねぇ…ソイツらも嬲り殺してやるよ…」

 

「巫山戯るなよ…コイツらには指一本触れさせねぇよっ!」

 

「すぐにお前らを殺してやるよ…

『Himmer brennen fegefeuer flamme an(空焦がす煉獄の炎)』」

 

「なっ!?」

 

「キャッ」

 

地面から空まで昇るかと思う程の火柱が四本、ヴィント達の周りに現れる。

 

「そのまま焼け死ね…」

 

ドクンッ

 

ヴィント達に火柱が襲い掛かる瞬間、ヴィントの血が脈打つ。

 

「『All absage Gott haodflache(全て取り消す神の掌)』」

 

火柱が何かに押し潰されたように消え失せる。

 

「はっ?お前…神語魔法使えたのかよ…」

 

「これで二回目だ…」

 

「チッ、吸血鬼の餓鬼に神語魔法…」

 

「まだ闘るか?」

 

「いや、興が削がれた…」

 

トイフェルは槍を仕舞う。

 

「良いのか?俺達を殺すんじゃなかったのか?」

 

「次の機会に完膚無きまでに潰してやるよ…それまでにくたばんなよ…」

 

バッと翼を広げ、勢い良く飛び立ち東へ飛んで行く。

 

「とんでちゃった…」

 

「うん、飛んでちゃったね…」

 

「もう会いたくないな…」

 

三人はトイフェルが飛んで行くのを見届けると西に歩を進める。

 

・・・・・・

 

日が暮れようかという時間にアポーテケの街に着いた。

三人はアプリルの母親の薬を求め、薬を扱う店を探す。

 

「リルは薬を手に入れたらどうする?」

 

「う〜ん、とりあえず、すぐにでもお母さんに薬を持って行きたいんだけど…」

 

「そうだな、弓も扱えるようになったし、一人でもなんとか帰れるだろ…」

 

「ママどこかいくの?」

 

「うん、ママのママにお薬を持って行かないといけないの…」

 

「ママのママ?」

 

「そう…ママのお家にお薬を持って行くの…ママのママが病気になってるの…」

 

「はやくよくなるといいね♪」

 

「ありがとう、メーヒ」

 

「メーヒもママのママにあいたいな〜」

 

「ヴィオ、メーヒはどうするの?」

 

「俺が連れてくよ…リルは一人で帰るのが精一杯だろうしな…」

 

「パパ、ママとバイバイするの?」

 

「少しの間だけな…その間は俺と二人旅になるけど我慢してくれるか?」

 

ヴィントはメートヒェンとの目の高さを合わせ頭を撫でながら優しい声で言う。

 

「うん、がまんする…」

 

「良い子だな、メーヒは…」

 

「うん、メーヒはいいこ…」

 

「ごめんね…メーヒ、すぐに会えるからね…」

 

「うん」

 

その後三人は薬屋を見つけ、店に入る。

 

「すみませ〜ん」

 

「は〜い」

 

奥から女の店員さんが出てくる。

 

「あのメディカメントって薬が欲しいんですけど、ありますか?」

 

「ごめんなさいね…今ね、在庫を切らしてるのよ。」

 

「えっ、いつなら店にきますか?」

 

「それがえぇっと、メディカメントってヴェステンから仕入れてるんだけど…」

 

「はい、ヴェステンの魔法薬ですよね…」

 

「えぇ、けど…つい先日ヴェステンとノルデンとの間で戦争が始まって薬とかが仕入れられなくなったのよ…」

 

「えっ…そんな…」

 

アプリルは言葉を失った…

 

第二章、完

 

第三章へ続く

 

 


今回は、アプリルの目的である薬、メディカメントですね…これはそのまま【薬】です。

作中で出てきた神語魔法ってのは、神の系譜(神、天使、悪魔)だけが使える魔法で、人間が使う魔法より上位に位置します。

それと、これで第二章(シェントゥルム編)は終わり、間章を入れて第三章(ヴェステン編)に入ります。

次回もよろしくお願いします。

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