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第二章:第二話:アンファング到着

評価お待ちしております。

 

第二章:第二話:アンファング到着

 

・・・・・・

 

シェントゥルム共和国、北西の街アンファング

 

ヴィントとアプリルは馬から下りて、街中を馬の手綱を引きながら歩いて行く。

日が沈んだ後も街には街灯が灯り、人々も商売や買い物に精を出している。

 

「もう夜になるのに賑やかだね!」

 

「あぁ、ここはオステン王国とズューデン自治区に近いから貿易で街が発展したんだろうな…」

 

「明るいね…ヴィオ、あの光ってるのって何か知ってる?」

 

「あれは街灯って言って、ズューデン自治区の技術だ。

詳しくは、知らないが昼間に光を集めて夜になると光を灯す仕組みらしい…」

 

「へぇ〜、ウチの村にも欲しいな…」

 

「オステンでも王都では、もう普及してるぞ」

 

「やっぱり王都は田舎とは全然違うな〜」

 

「人がたくさんいるからな…えぇ〜とっ、あっ、スミマセン」

 

ヴィントは道行く女性に声を掛ける


「はい?私に何か用ですか?」

 

「はい、少し教えていただきたいんですが…馬を取り扱う商人がどこにいるか、わかります?」

 

「あぁ、プフェーアトさんとこね?このまま真っ直ぐ進んで右側に宿屋があるからそこを右に曲がって10分ぐらい歩いたらその方の店が見えてきますよ…」

 

「教えていただきありがとうございます。」

 

「気にしないで、この街は広いから初めて来る方は大抵迷うの…」

 

「そうなんだ〜やっぱりわかんなくなっちゃっ」

 

ごつっ

 

「目上の人には、敬意を払えっ、リル」

 

「いっひゃ〜い、ちちゃきゃんじゃぁ〜」

 

「スミマセン、コイツ、田舎者なんで…」

 

「ふふっ、可愛い恋人さんを叩いちゃダメよ…」

 

「教育的指導なので気にしないで下さい。」

 

「うぅ〜〜〜〜〜〜」

 

「彼女、あなたのこと睨んでるわよ。」

  

「(スゥ〜)ハァ、悪かったよ、叩いて。

けど目上の人にはちゃんと敬意を払えよ。」

 

「うっ、はぁ〜い」

 

「ふふっ、仲良くね。」

 

「スミマセン、お見苦しいところを見せてしまって。」

 

「いいえ、気にしてないわ。」

 

「では、ありがとうございました。」

 

「えぇ、迷わないようにね。」

 

「失礼します。」

 

・・・・・・

 

「ったく、気をつけろよ…」

 

「う〜、ラント村じゃそんなことあまり気にしなかったから、つい…」

 

「まあいいか、ついでに宿屋の場所もわかったし、先に馬を売りに行こうか。」

 

「うん」

 

二人は教えてもらった道のり通りに歩を進める。

 

・・・・・・

 

馬を売り、店から出て来た二人

 

「120万ゴルトか…」

 

「スゴい金額だね♪」

 

「まあまあか、さて宿屋に行くか。」

 

二人はきた道を並んで戻り、宿屋に向かった。

10分程して宿屋の前に着き、ドアを開けて中に入る。

受け付けに行きヴィントがベルを鳴らすと奥から受け付けの人が出て来た。

 

「いらっしゃいませ、お客様。

本日は、二名様ですか?」

 

「はい、二人分のベッドがある部屋をお願いしたいんですけど…」

 

「はい、少々お待ち下さい」

 

受け付けの人が奥に入って行く

 

「リル、節約の為に同じ部屋にするけどいいよな?

ベッドも二人分ある部屋にしといてもらえると思うから」

 

「うん、宿のお金出してもらうのに文句なんか言わないよ…

でも、変なことしないでよ?」

 

「逢ったその日に手を出す程、節操無しじゃねぇよっ!」

 

「そうだよね、その言葉信じたよ、ヴィオ」

 

「あぁ、初めては王族御用達の高級宿屋の方がいいもんな?」

 

「ちっがうわよっ!

それに、私の気持ちは無視?」

 

「冗談だ」

 

「ヴィオの冗談って冗談に聞こえないんだけど…」

 

「さてね」

 

ヴィントがそう言うと、

 

「お待たせしました、お客様。

大変申し訳ないのですが…」

 

受け付けの人が出てきたが、なにか言いにくそうに話してきた。

ヴィントは部屋を取るのが遅すぎたのかと思い、尋ねる

 

「えぇ〜と、満室ですか?」

 

「いえ、部屋はあるのですが、ベッドが一つの部屋しか空いてなくて…」


 

―――あぁ、一人部屋かダブルベッドの部屋しかないのか…

リルがなんと言うやら…

 

「えっ、それしかないんですか?ベッド一つだけ?」

 

「落ち着け、リル」

 

「でも…」

 

「スミマセン、こちらはその部屋で大丈夫です。」

 

「ヴィオ…」

 

「大丈夫、信用しろって」

 

「よろしいでしょうか?」

 

「「はい」」

 

「有難う御座います。

では、こちらが204号室の鍵になります。

食事等は街のレストランなどをご利用下さいませ。」

 

「わかりました。

リル、行くぞ。」

 

「は〜い」

 

「ごゆっくりどうぞ。」

 

二人は受け付けの右側にある階段を昇り、204号室を探す。

 

「あっちかな?」

 

「部屋を覗いてみたら夕飯に出ようか?」

 

「うん、手荷物が無いならそのままご飯に言っても良かったね…」

 

「手ぶらってのも変だし鞄ぐらいは持っておいた方がいいかもな?」

 

「そうだね、お財布やハンカチ、よく使うものとかを仕舞う鞄がある方が便利じゃない?」

 

「あぁ、よし二人で手頃な鞄でも買うか?」

 

「私のもいいの?」

 

「あった方がいいだろ?」

 

「ありがとう!ヴィオ」

 

話していると部屋の前に着き、鍵を鍵穴に差し込む

 

「わっ!フカフカのベッド〜♪」

 

ベッドに飛び込みゴロゴロするアプリル

 

―――ベッドが一つしかないのを渋ってた様には見えないはしゃぎ方だな…


「っと、忘れない内に金を仕舞うかな、【ウン・エントリッヒ・シャハテル】(無限の箱)」

 

昼間に出した【箱】が出現し、ヴィントは使う分のお金を取り出してそれ以外のお金を仕舞う

 

「戻れ」

 

ヴィントが命令すると【箱】が空間に飲み込まれていった

 

「何時までもそうしてないで食事に行くぞ。

それは帰ってきてからでいいだろ?」

 

「は〜い」

 

二人は部屋から出て、鍵を閉めて一階へ

 

「リル、迷子になるなよ…」

 

「随分な言いぐさだね…」

 

「いや、初めての外国、初めての街、さらに人が多い、オマケに夜だ。

リルじゃなくても心配だ。」

 

「そうだね、気をつけるよ。」

 

「頼んだぞ、食事処がわからないから受け付けで場所を聞いておくか。」

 

ヴィントはまたベルを鳴らす

 

「はい、何かご用ですか?」

 

「えぇ、この街の食事処を聞きたくて。」

 

受け付けからいくつか教えてもらい、二人は宿屋から出ていった

 

「どこにするの?」

 

「一番豪華なレストランって言いたいけど、この服装じゃ入れてくれないだろうし、少し贅沢なレストランってところにしようか?」

 

「私はどこでもいいけど…

節約しなくていいの?」

 

「普段は安い店にするさ。

今日は俺がリルと逢った日だからそのお祝いみたいなもんだ。」

 

「なんか、恥ずかしいな…」

 

・・・・・・

 

〜レストラン内〜

 

「いらっしゃいませ、何名様ですか?」

 

「二名で…あれ?先程道を教えてくれた方ですか?」

 

「あら、先程振りね二人共、ウチで食べていってくれるの?」

 

「はい、美味しい料理をお願いします。」

 

「えぇ、サービスするわよ♪」

 

「本当ですか?ありがとうございます♪」

 

「では、席に案内するわね。」

 

二人は席まで案内されて行く

 

「また会うとは思わなかったわ、私の名前はフラウ、あなた達は?」

 

「私は、アプリルって言います。」

 

「俺は、ヴィオ(・・・)って言います。」

 

「アプリルちゃんにヴィオ君ね、よろしく♪あっ、ここね。

はい、この席にどうぞ。」

 

「ありがとうございます。」

 

「オススメは、ズューデンの海の幸を使ったパスタよ♪」

 

「あっ、じゃあ私それでお願いします。」

 

「俺もそれでお願いします。」

 

「はい、かしこまりました。」

 

「明るい人だね…」

 

「あぁ、きっとこの店の看板娘とかじゃないか?」

 

二人が雑談をして待っていると

 

「お待たせしました。

シーフードのパスタが二つとこちらがサービスになります♪」

 

二人の前にパスタとデザートが置かれた

 

「わぁ〜、ありがとうございます♪」

 

「どういたしまして。

ねぇ、二人は何時までこの街に居るの?」

 

「明日の昼過ぎには出ますね。」

 

「そう、気をつけてね。

この前もこの街にくる途中で盗賊にあった人がいるのよ…」

 

「そうなんですか。教えてくれてありがとうございます。」

 

「いいえ、では、ごゆっくりどうぞ♪」

 

二人はフラウを見送りパスタを食べ始める

 

「美味しいね♪このパスタ」

 

「あぁ、オススメ料理なだけはあるな。」

 

二人は雑談を交えながら食事を進めていった。

食事を終えた二人は、フラウに別れを告げて街へ行き、鞄や食糧、旅に必要な物を買い、今日泊まる宿屋に戻っていった。

 

 



今回は前回分の由来と今回出てきた登場人物の由来をいきたいと思います。

まず前回分のグロース湾とベルク山脈から、グロース湾のグロースは【大きい】という意味です。次にベルク山脈、これは【山】という意味でした。

今回登場したプフェーアトさんは【馬】です。

看板娘のフラウさんは【女】です。ちなみに彼女は25歳、独身ですが一ヶ月後には結婚、という隠れ設定があります。

街の名前の由来は【最初】です。

辞書を見てると物語に必要な固有名詞が楽に見つかるので重宝します。

次回もご愛読お願いします。

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