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第七十五話 ジャンク屋

 さて、カイザーさん達と別れて今日は女子チームでおかいものだ。オルトロスも居ないから荷物持ちに困りそうだけど、旅の資材はあんまり買わないで済みそうだし個人的な買い物を自重すればまあ……なんとかなるかな?


 女子チーム、と言っても私とマシューが好むお店と言ったらお察しだし、頼みの綱のミシェルはフォレムに詳しくないから結局私たち任せのショッピングになってしまう。


 あーあ、カイザーさん達も小さくなれたら楽しいのになあ。


 そんなわけで、特に女子らしいお店に行くわけでもなく私たちの足はジャンク屋さんに向かっていた。流石に今回は1か月も開けることになる。予めおっちゃんに顔を出しておかないと今度はさすがにめちゃくちゃ怒られてしまうだろう。



 といった感じでなんとなくやってきたジャンク屋さん…というと怒られるんだよね。パーツ屋さんに到着。ギルドでは買い取らないような部品も買い取る貴重なお店なんだけど、解体された騎兵についていたパーツが大量に売っているからみんなジャンク屋って呼ぶんだよね。


「ちわー、おっちゃんいますか?」


 と、挨拶するや否や奥からガタタンと音が聞こえてきた。


 ガチャガチャとジャンクパーツをかき分ける音がだんだんと近づいてきて……、おっチャンが店に顔をひょこっと出す。


「その声はやっぱりレニーか!聞いたぞ!悔やみの洞窟踏破したんだろ?どんな魔獣が居たんだ?何か珍しいパーツは?あったら買い取るから見せてみろ!」


 遠くからでも唾が飛んでいるのが目に見えるほど興奮して矢次に質問を飛ばしてくる。おっちゃんには申し訳ないけど、念のため差し障りが無い所だけ説明しよう。


「なんでえ、魔獣じゃなくて奴の巣だったってわけかよ」


「それでも危険な罠はまだいっぱい残っているからね。おっちゃんも行っちゃだめだよ?死んじゃうような罠がいっぱいあるみたいだし」


 それでもまだ興味深そうな顔をして私から情報を得ようとしている。うんうん、わかるよおっちゃん、未踏の洞窟ってロマンがあふれてるものね。でもね、おっちゃんでもあそこはそっとしておいてほしいんだ。


「でさ、危険と解っていても近づく人が出るのを防ぐためにね、ギルドでも立ち入り禁止令を出すそうなんだ。危険なのもそうだけど…、あそこはこのミシェルのおうちの所有物……、あのルストニア家の所有物だからね。あんなに大きな商会が管理する場所だとなれば近づくのはまずいっておっちゃんでもわかるよね?」


 ルストニアの名前を出した瞬間おっちゃんが肩を下す。ああ…、禁止令が出てても行く気満々だったんだね……。噂が広まれば近づく人はいないと思うけど、やっぱりルストニアの名前は凄いな。


「ル…ルストニアかあ……、さすがにそれは敵にしたくねえなあ…ってか…」


 と、顔を私の耳元に寄せて小声で囁く。


「レニーよ、おめえすげえな?あの子ルストニア商会の娘さんだろ?凄い子と友達になったな!」


「凄いのはおうちでミシェルはミシェルだよ。別にあたしは凄くないからね?」


「…いやあ、レニーはレニーだな。それはそれですげえよ!」


何が凄いのか……。ミシェルのおうちが凄いのはあたしでもわかるけどミシェルはミシェルだもんね。


「と、今日は別に何か用があってきたわけじゃないんだよ」


「なんでえ、それをはやくいいなよ」


 言葉とは裏腹にあんまり残念そうには見えない。ほんとに今日は挨拶に寄っただけなんだけどな。


「ミシェルを送ってルナーサまで行くんだよ。行って帰ってくるまで結構かかると思うからさ、行く前にご挨拶にーって」


「そうかよ、そんなわざわざいいのによ」


 嘘だ!来なきゃ来ないで絶対へそを曲げるに決まってるんだ。その証拠に急に機嫌が良くなってるし。


「まあ、そんなわけで暫く留守にするからさ、リックと喧嘩しちゃダメだよ?」


「わーってるよ!つーか、好き好んであのクソ爺んとこなんかいかねーっつーの」


 嘘だ!ちょいちょい二人で飲んでるの知ってるんだからね!きっとそのうちあたし達の事を肴に旨い酒を飲むに決まってるんだ!


「あ、そうそう。留守中にカイザーさんに合いそうなパーツあったら一応取っといてね?折角機兵を手に入れたのに殆ど何もしないままだからさ」


「おうおう、任せとけ。面白そうなのあったらとっとくよ」


 ニコニコなんだかニヤニヤなんだか分からない顔のおっちゃんに手を振り店を後にする。


「お?終わったか?」


 静かだと思ったらマシュー達は外でパーツを見ていたらしい。ミシェルはつまらなかったろうにと思ったけど、何が琴線に触れたのか夢中になってジャンク箱を弄くっていた。


「ほらほら、ミシェルー?行くよー」


「あら?もういいんですの?面白いですわね,このお店!機兵の部品がこんなに!うちの機兵に使えないかしら?」


 ミシェルんちの機兵につけたら性能下がりそうだよ……と、口に出すとこだった。そんなこと言うとまーたおっちゃんが飛んでくるからな。


 

 結局この後は何時もの流れ。食料と日用雑貨を買ってカフェで休憩。


 旅の前だから仕方が無いけど、もう少し女の子らしい1日を過ごせない物かと我ながら呆れてしまう。


 ルナーサについたらミシェルに色々案内して貰わなくっちゃ。

 

 



 


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