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異世界輝神 シャインカイザー  作者: 未白ひつじ
3章

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第六十五話 洞窟到着

今日もガタゴトガタゴトと馬車が走り、ノシノシノシノシと双頭の犬が歩く。


 昨夜の話は俺とスミレで止めておいて暫く静観することに決めた。

 俺達が知らない誰かとやり取りをしている,と言うのは気になるが、例の連中見たいに陥れようとしているわけでも無さそうだし、取りあえずは何も知らない顔で様子を伺うことでスミレと意見がまとまったのだ。


 こう言うときロボだから助かる……と言いたいところだが、俺の場合ある程度表情に出ちゃうんだよな。顔があるロボは好きだけど,こう言うとき困るな……。 


「そういや、ミシェルって商会の娘さんなんだろ?自分用の機兵とか持ってなかったのか?護衛依頼を出すにしても機兵に乗ってた方が安全だし、受けるハンターもいたんじゃ無いかな?」


 確かにそれは気になる。商会の娘ともなれば結構立派な機兵を持っていてもおかしくは無い。いや、娘だから持ってないのか?でもレニーやマシュー以外にも機兵に乗ってハンターをしている女性も沢山居るし、乗って悪い訳では無いと思うんだけどな。


 寧ろ逆に商会の娘さんだからこそ、そういうのダメ!とか有るのかもしれないけどさ。


「私の機兵ですか?うーん……一応お家には練習機はありますの。なんて言ったかしら、ヴィクトル二型?とかなんとか……」


「ヴィクトル?めっちゃ高い奴だよそれ!ここのギルマスですらそんな立派なの乗ってないもん!」


「あたいはそこまでは知らんが、そんなのを練習機に?それに乗って来ちゃダメだったのか?」


 俺も知らんが、ギルマスすら乗れない高級機って凄まじいな。石油王が乗ってるようなスーパーカーみたいな物か?それを練習機……?ミシェルさんって凄まじいお金持ちなんだな……。


「そうなんですの?お祖父様からこれで練習しろと渡されたので知りませんでしたわ。正直私としましても、ヴィクトルじゃなくても、何か適当な専用機が欲しいとお祖父様に言ったのですが……」


 急に困ったような顔になるミシェル。これはもしかして今回の依頼に関係しているのかもしれないな。


「何度言っても今はまだ我慢しろとおっしゃるばかりで、けして首を縦に振ってくれませんの。今回の旅だって、危険だから機兵が欲しいと言ったのですが、護衛を雇うからと……」


 最もその護衛はフォレムで詳細を話したら逃げ帰ってしまいましたが、と苦笑いをするミシェル。

 その護衛も良い度胸だな。そこまでのお金持ちの依頼を途中でほっぽっちゃったらルナーサで形見が狭くなりそうなもんだが……。

 

 それに違約金だって発生するだろ?悔やみの洞窟……、一体どんな場所なんだよ……。


 

「よし、街道を走れるのはここまでだ。ここからはバックパックを収納して馬で行くぞ。レニー、ミシェルを後ろに乗せてやってくれ」


 ほんとアニメの謎設定は便利だ。馬車形態から馬形態になると謎の技術でバックパックが馬の荷物に変形する。両脇にそれぞれカバンをつけたような形状になるのだが,どう考えてもサイズが合わない。


 玩具になった時は流石に完全変形とはいかず、別パーツ扱いになっていたのは仕方が無い話だな。


 馬形態と言っても普通の馬と比べたらかなりデカい。世紀末的な覇者的な人が乗っている馬とか、やたら傾く人が乗っている馬とかそんな感じの大きさである。


 ただし、その額からは立派なツノが生えているわけだけれども。


「この馬……いえ、カイザーさんは揺れませんのね?馬車に乗った時も不思議な感じでしたが、どうしてこんなに揺れませんの?」


「うーん、俺も良く分からんが衝撃を吸収する仕組みが身体にあると思ってくれ。その他にもジャイロとかなんとか色々あるんだが、説明するのが難しい」


 難しいというか出来ない!設定資料に色々書いてあったと思うけど細かいところまで読み切ってないし、何より,何より……、最終版の資料集を読むことは叶わなかったのだから……


 

 街道から外れた,と言っても洞窟にチャレンジしたハンターがそこそこ居たようで洞窟までの道は踏み固められ、迷わずいけそうだ。


 ちょいちょい遺跡というか、かつて家だったろうものや、井戸などの人工物が目に入る。これらは恐らくミシェルのご先祖様達が暮らした家……というか、これだけあれば集落でもあったのだろうな。



「おっ!あれじゃないか!?」


 先行するマシューの声にミシェルが反応する。


「おそらく、アレだと思いますが……、思ったより……大きな洞窟?ですわね……」

 

 洞窟と言うよりはトンネルといった方が良さそうな巨大な横穴が目の前に広がっている。


「ひゃあ~でっかい洞窟だねえ」


『これは……?信じられませんが、天然の洞窟ではありませんね。旧機兵文明時代に機兵で掘った……のでしょうか?しかし、それでもかなり時間がかかったでしょうに……』


「こ、これが人工物だあ?昔の人は何考えてんだよ……」


「わ、私も家の者達がかつて使っていた倉庫だとしか聞かされてませんでしたわ!こんなに大きいなんて……」


 俺やオルトロスが楽々入れるその洞窟はどう考えても倉庫としてはオーバースペック過ぎる。

 倉庫は倉庫でも機兵をしまっておいた倉庫だったりするのだろうか?しかし、それならそれで中に入ったハンター達からそういう噂が立ってもおかしくは無い。


「こうやって立っていてもしかたが有りませんわね……、では皆さんよろしくお願いしますね」


 神の山にぽっかりと空いた大空洞とも言える洞窟……、悔やみの洞窟にいよいよ突入する。


 さて……なにが出迎えてくれるのやら。

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