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第五十話 またまたハンターズギルドへ

「はい、本日はどのようなご用件……ってまた来たんですか!今度はなんでしょうか」


 案の定、シェリーさんは呆れ顔でそう言った。もう、だから別の人のところに行くっていったのに……マシューとカイザーさん、絶対こうなるの予想してシェリーさんとこに行けって言ったんだろうな。


 カイザーさんは外に居るからわからないけど、横に居るマシューは笑いをこらえているし、後で覚えてなさいよ……。


「えっと、明日にでもクエストに出かけようかなって思ってですね、そのついでに3サードの昇級クエスト内容を聞きに来たんですよ」


「今日帰ってきてもう明日でかけるの?っと、すいません、つい地が」


「いえいえ、お気になさらず。ため口で良いですよ。それに出かけてる間はマシューの所にお世話になってましたので、ずっとクエストをしてたって訳でもなくて余り疲れてないんですよ」


「訓練だ狩りだって色々やったけどな!」


「ちょ、マシュー……」


 狩り、の所にシェリーさんが反応して何か言いたそうだったけど、聞き流してくれて良かった……。

ギルドはいつでも素材は大歓迎だからね。この間はおっちゃんのとこに持ち込んだけどギルド経由で売ればパーティへの加点になる。次からはこっちにも少し流さないといけないなあ。


「はいはい!まあそれは追々聞くとして!3サードの昇級クエストですが、盗賊退治は免除……、この間言ったとおり既に条件を満たしてますからね。で、今月のオーダーはキランビ討伐ですね」


「キ、キランビ!」


「知っているのかレニー!」


「うん、キランビは蜂の様な魔獣で……といってもそこそこでっかいんだよ?ちょっとした小屋くらいあるからね。それがブンブンと飛ぶんだよ。

基本的に単体で哨戒してるけど、運悪く巣に近づいちゃったら2セカンドパーティでもかなり痛い目に遭うはず……」


「だろうな、うちのメンバーも何人か酷い目に遭ってたぜ。幸い命は無事だったがね」


「知ってたの!?マシュー!じゃあ何で聞いたの!」


「心がそうさせた」


「はいはい、後でやってねー。と言うわけで今回あなたに受けてもらうのはそのキランビの討伐。さっき言ってたとおり危険な相手だけど一匹ならそこまで苦労しないはずよ」


 しまった、ついマシューのペースにはまってしまった……恥ずかしい……。しかしキランビか。図鑑でしか見たことは無いけど……きっとマシューが戦い方知ってるよね……。


(キランビなー、逃げ帰ったメンバーの話しか聞いてないが、まあ物知りのレニーなら対策知ってるだろ)


「じゃあ、それを受託しますね。あ、あと先にクエストボード見てきて良いですか?何かあったら一緒に受けたいので」


「ええ、この時間は余り人も来ないからね、ゆっくりみてらっしゃい」


 さて、と。お言葉に甘えてボードをっと……。うーんいいのが無い。いや、この間までのことを考えると4級のクエストを受けられるようになってるから随分と稼ぎやすいんだけど……。

うーん、この報酬額なら狩りをして素材を売った方が実入りが良いなあ。


 でも、素材を取れるように狩るのは結構大変なんだよね。おっちゃんに売ったブレストウルフだって沢山倒した中からようやく売れるパーツを集めたようなもんだしさ。マシューは器用だからなんとかなりそうだけど、きっと私が壊しちゃうからな……


「おっ、レニー見てみろよこれ、金貨2枚だってよ」


「え!どれ?」


 思わずおっきな声を出しちゃったけど金貨2枚は凄い。マシューが指さす紙を見ると……護衛任務で金貨2枚?うわ、これいいなあ。場所次第で一緒に受けられそうだけど……ってこれはだめだあ……


「マシュー、だめだよこれ」


「ん?なんでだ?詳細は分からんが護衛任務で金貨2枚は破格だぞ」


「そうなんだけど……ほら、ここを見てよ、3サードって書いてるでしょ」


 そう、条件の所に3サードとしっかり書かれている。つまり最低でも3サードまで上がってなければこのクエストは受注できない。


「あー、そうだな。レニーは3サードだもんな。でもなあ」


「もー!3サードになってから受けたら良いでしょ!」


 マシューに悪気があったわけじゃ無いのだろうけど、ついつい責めるような口調になってしまった。反省反省。そんなもんだから、シェリーさんに気を遣わせてしまった。


「まあまあ、でもその通り、3サードになってからでも遅くは無いわよ?」


「いや……いいんですよシェリーさん、慰めてくれなくても他のクエストをコツコツやればいいんだし。それに明日急いで終わらせてきても、こんな美味しいクエスト即無くなっちゃいますよ」


「それがね……っていうか、レニーあなた今まで気づかなかったの?」


 シェリーさんが不思議そうな顔で見ている。一体何に気づかなかったのだろう?


「それね、所謂焦げ付きクエストよ?貼り出されてからもう1ヶ月近く経つのにだーれも受託しないの。依頼主さん、よく諦めずに待ってるわねって噂の種よ」


「え?一体何でまたそんな」


「ふふ、知りたかったらはやく3(サードに上がる事ね。残念ながら受注資格が無いハンターにはクエストの詳細を話せない規則だからね。3サードまで来ればいよいよ一人前!そこから先は腕が無いと上がっていけない世界よ。がんばってねー」


 と、シェリーさんがヒラヒラとキランビ討伐の書類を振っている。私たちがワイワイやってる間に手続きを済ませてくれてたみたい。


 うー!気になる!気になるし、金貨2枚は美味しい!明日、明日1日で片付けてやる!

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