表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
50/498

第四十八話 パーティ結成 そして

「はい、こちらがパーティーカードです。リーダーはレニーさんで間違いないですね?」


「は、はい!それでおねがいします!」


「ふふ、お願いも何も、もうそれで作っちゃってますからね、ほらこれ。

しかし、機兵を手に入れたと思ったら即4フォースに上げて、さらに3サードの資格の半分と、パーティメンバーを、しかも機兵付きで見つけてくるなんて……レニーさん、やはりあなたは…!なんてねー」


「やだなあ、シェリーさんはまたそんなこといってー」


 善は急げとギルドに向かい、パーティー登録をすることにした。受付の係員が同じ人で、今度はなんだという顔で見られたようだが、にこやかに手を振りながら出てきたところを見るときちんと登録が済んだようだ。


 リーダーを誰にするかという話になった時、全員一致で俺の名を上げたが、こいつら何も考えてないなと思ってしまった。そもそも俺は人間ではなく、ここで言えば機兵だ。どこにそんなパーティーがあるのだというのか。


 なので、「じゃあ俺のパイロットだからレニーでいいだろ」と言うと、はじめからリーダーなどやりたくなかったマシューがそれに乗り、元々2択だったリーダーはレニーに決まったのだった。


 「こ、これ無くしたら…再発行にぎ、銀貨50枚だって…」


「まあ、妥当だな。そうでもなきゃ管理が杜撰になりかねない。トレジャーハンターギルドはギルド自体がパーティみたいなもんだからそう言うのはないけど、もしもあったらうちでもそうすると思うよ。他人に悪用されたら管理してるギルドとしてもめんどくさいからなあ」


「とと、というわけで、か、カイザーさん預かっておいてくださいね。真のリーダーはカイザーさんなんだから…」


 何が真のリーダーなのかはわからないが、確かになくすると色々面倒なことになりそうなのでしっかりとバックパックにしまっておく。


「そうだ、おっちゃんやリックさんに報告にいかなくっちゃ」


「なんだ?レニーの知り合いかい?」


「うん、この街で私に良くしてくれてる人達なんだよ。マシューの紹介もしなくちゃね」


「それなら今日は先にリックの所に行ってやれ。この間は先におっちゃんとこに行っただろう?」


「そうだね、リックさん心配してるだろうしそうしよっか」


 工房に向かう間、レニーはとても嬉しそうにマシューに観光ガイドをしていた。マシューは時折この街に来ることがあったようだったが、それでもこの街はそこそこの規模があるため、知らない店やスポットが紹介される度、関心したように話に聞き入っていた。


 しかし、白と紫の"人形"機兵はこの街ではかなり目を引く。レニーが俺と訪れたときでさえかなり話題になったのにそれが1機増えてともに歩いているのだ。すれ違う人たちが二度見をしたり、ライダーが並走して話を聞こうとしたりなんだか賑やかなパレードのようだった。


「仕方ないさ。人形機兵なんて個人で使ってるやつあんまりみないからね」


「そうだね、この辺は軍機が来ることはあまり無いし、カイザーさんやオルちゃんたちはその軍機ともまた雰囲気違うからね」


「レニーは俺を見つけた時、軍機と思わなかったのか?」


「一瞬だけそう思ったんだけど、直ぐに違うと気づいたよ。軍機にしては鎧っぽいデザインじゃくてスマートだし、マスクもついてないしね。だからほんと……、機兵の神様かと思ったよ」


 神様とは大層なことだ。そういや神様元気かな……どうにか俺にボックスを見させてくれないものだろうか。アレを見れば失われた記憶が甦るばかりか、まだ見ぬエピソードを見られるというのに……。


 そういえば、タイトル。カイザーカイザーと言っていたけど正式タイトルなんだっけ?そんな大切なことまで忘れてしまったのか……。くそう、早く"足"を見つけて完全体になりたいもんだ。


「あ、見えてきましたよー」


 レニーの声で考え事をやめ懐かしい顔をカメラに収める。何か作業をしていたらしいリックが足音を聞いてこちらを向いた。


「リックさああああああああん!!!たっだいまあああああああ!!」


 ハッチを開け、レニーが手を降ってみせる。


「おお、レニー!随分遅かったじゃねえか……って、おい!なんだ?増えてんじゃねえか!?」


  そのまま格納庫まで誘導され、これまでの出来事と共にマシューが紹介される。


「へえ、トレジャーハンターの頭領たあ、良い奴と友だちになったな、レニー!マシュー、こいつのこと頼んだよ」


「へへ、任せてくれ。カイザーはたまに頼りないからね。しかし、リックさんの格納庫すげえなあ!うちのと大違いだ」


「お、わかるかい?そうか、トレジャーハンターだもんなあ、そうそう、丁度いいや、この間こんな出物があってな…」


 なんだかさり気にディスられた気がするが……、さっそくマシューと打ち解けたようでなによりだ。レニーは二人の話があまり理解できていないようだが、嬉しそうに輪に加わっている。


 急ぐ旅でもないし、3サード昇格するまでここを拠点として活動するのも悪くないかもしれないな。この様子ならマシューのメンテスキルも上がりそうだし、ついでにオルトロスの武器を作ってもらうのも良いだろう。


 どれ、今のうちに今後の予定をしっかりまとめておくか。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ