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エピローグ その2 その後のブレイブシャイン 2

 さて、シグレが何をしていたかと言えば……、これはきっとびっくりするだろうね。


 リーンバイルと大陸本島との安全な航路の実現、その大事業を成し遂げてしまったんだ。


 といっても、もちろんシグレだけの力ではない。


 彼女から相談を受けたキリンとフィアールカは、シュヴァルツヴァルトが持つ高性能の次世代型魔導船にその役目を見出し、リックを始めとした基地の技師たちを巻き込んだ大改装を始めたんだ。


 結果として産まれた船は凄まじいもので、船自身に攻撃手段、砲台と魚雷を搭載した言わば船型の機兵といったものだった。


 これにより、魔獣から襲われた際に対処が可能となり、島との往復くらいであれば十分に船体の防衛が可能となった。


 そして、これまでリーンバイルへの渡船を難しくしていた問題、難解な潮流については、ポーラを用いた位置情報システムを使って解決された。


 それは新たに生み出された『思考魔導石』……ゴーレム技術の応用で作られた簡易なAIに現在地を割り出させ、オートパイロットにより難所を切り抜けられるようになったんだ。


 今の所、船は1日に2往復だけれども、リーンバイルの特殊な土地柄は様々な面で大陸の人々に受けていて、1年が経つ今でも渡船のためのチケットは結構な人気があるみたいだ。


 そして、外国との交流が再開されたリーンバイルはといえば、シグレの指導の元、観光客や商人の受け入れ体制が取られ、徹底したおもてなしでリピーターを増やしているそうだ。


 ……だから未だにチケットが手に入りにくいんだな。もう1便くらい増便したほうが良いかもしれないね。


 同じ様に、外国との交流が再開された場所といえば、レニーとフィオラ達の故郷である『グレンシャ村』もうそうだね。

 

 キリンから『シグレから船の開発を頼まれた』と事情を聞いたフィオラは『ならば私達の村も!』と、同じくキリンに頼み、元々存在していた巡礼用の道を整備することにしたらしい。


 というのも、あの村は既に村ではなく『機神国グレンシャ』と各国の同意で名付けられてしまっていて……その当主は不本意ながら私こと、カイザーだ。


 もちろん、私に国をどうこうする気は微塵もないし、その才能もないため、全ての権限は住人の方々に任せることにして、逃げることにしたんだ。


 代表については今までと変わらずレニーの両親に任せている。私は言ってしまえば国の象徴みたいなもので、何らかのイベントの際には顔をだすけれど、政には一切口を出さない存在、そんなポジションだね。


 そんな事があったものだから、フィオラが燃え上がるのは自然なことで。暇を持て余していたラムレットと共に、自らキリンを動かし土木作業に従事していたよ……。


 もちろん、彼女たちだけではなく、ルナーサやトリバから技術者や作業員の支援があったけれどね。これは存在を知らなかったとは言え、長い間何の支援もなかったことのお詫びと、大陸を守護する機神を祀る土地へのルート確立は不可欠であると言う声が多数上がった事から決まったそうだ。


 大陸を守護する機神とか誰が言い出したのか。大切な場所を護るために何か有れば再び戦うことはやぶさかではないけれども、神として祀り上げられるのはちょっと……なあ。


 そんな具合で始まった工事だけれども、荒れ果てていたとは言え、元々道があった場所なのと、キリンと言うチート重機の存在もあって工事は半年で竣工。


 今では聖地巡礼に向かう人々や、商機を見出した商人たちで結構賑わっているらしい。


 リーンバイルもそうだけど、グレンシャ村はより隔離された土地だったから、これで人口問題も解決しそうだよね。


 さて、私とスミレ、そしてレニーが何をしていたかと言うと……。


 あの後暫くの間は、各地を巡っての放映会をしていたよ。そりゃもう行く先々、どこもお客さんがたくさんでさ、それに関してはまあ良いんだけど。


 放映している作品に出てくる機体やパイロットが現地に居るわけで……。


 私もレニーもスミレまでもがお客さん達からもみくちゃにされてひどかったな。

 

 私はカイザーの身体に移れば、多少もみくちゃにされたところで何も感じなくなるんだけれども、それが出来ないレニーやスミレは大変そうで、時折恨めしい表情でこちらを見ていたっけ。


 いやあ、あれだけ狼狽したスミレを見れる機会はなかなかないからね。あれはあれで楽しかったなあ。


 それから暫くして、映画館を発案してその状況からは逃れられたんだけど、それでもキリンから


『ファンサービスは必要だよ』


 と、無理矢理説得され、定期的に各地を巡ってレニーと共に講演会をする羽目になってたな……。


 移動映画館の時と違って、お客さんとの距離があったからもみくちゃにこそされなかったけれど、大勢の前で語るとあって、暫くの間は慣れないレニーが悲惨なことになってたな。


 折角だから僚機やそのパイロット達もと、連絡を取ってみた物の、これまで話してきた『事情』により断られちゃったんだ。


 忙しいのは分かってたけどさ、あれ絶対それを言い訳にして逃げてたよね……。

もうちょっとだけ続きます

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