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第四百六十六話 尖兵

 避難所から出発した我らブレイブシャインは、分離をした状態で敵陣に向け移動をしている。何故合体して火力や機動力を上げてから移動開始をしなかったのかと言えば、予想通りの反応がレーダーに引っかかったからなのだ。


『こちらグランシャイナー。馬鹿の一つ覚えの様にワラワラとこちらに向かっているの』


 予想通りの反応……、それは眷属達の"大量召喚"だ。ルクルゥシアが丹精込めて作り出したスレイブ達を開放した今、奴が尖兵として利用できるのは眷属のみ。


 そして流石にルクルゥシアもこちらの動きには気づいているはずなので、それらを大量に差し向けるであろうと言うことはフィアールカやスミレ、キリン達のシミュレーションによって予想されていた。


「思ったとおりワラワラと現れたな。しかし……この数は……数えたくないな」


「うええ……レーダーマップに赤い点々がいっぱい……気持ち悪くなってきましたよ」


「レニー、見るのを辞めましょう。いくら見ても減りはしません」


 レーダーに表示されている、敵を示す赤点の数は1000を優に超えている。城……いや、ルクルゥシアの体内から次々に現れ、こちらに向かってぞろぞろと行軍しているのだが、無理をして住民の避難を終わらせておいて正解だったな……。


 TV版や、どうやら劇場版でもルクルゥシアが最終決戦で多くの眷属を放ったのを考えれば、それを再現する……いや、同じ行動をするであろうというのは、我が陣営の頭脳陣達のシミュレーションに頼らずとも、俺でも予測することが出来た。


 そしてルクルゥシアはこちらがスキャンをしたのに気付くことが出来るスキルを持っている。原作アニメで本拠地をスキャンされたルクルゥシアがこんな事を言っていたのを覚えている。


『我が城を視たか……。我が糧となることしか出来ぬ塵にしては良い目を持っているらしい。だが、貴様が視ている時、我もまた視ていると言うことは識る事はできまい。貴様等、塵の動きは全て我が手の内よ』


 元ネタであろう某邪神の様な設定なのか、ルクルゥシアは【スキャンカウンター】と掲示板で勝手に呼ばれていたスキルを持っているのだ。


 勿論、俺は勿論のこと、作中世界からやってきたフィアールカやキリン、俺と知識を共有するスミレもそれは知っていたし、視られた結果、城に攻め込む用意をしているのが察知されるのは予想がついていた。


 感づいたルクルゥシアが物量を持って防御行動を取るのは、TV版や劇場版での行動から予想がついていたため、念の為に帝都から人を退避させていた……というわけなのだ。


 無論、その他にも最悪の場合帝都が決戦に巻き込まれることも想定しての事なのだが。


『むー、眷属を創るリソースはそろそろ尽きるはずなの。だから恐らく無限に生み出すことは出来ないと思うけど……そろそ3000体を超えそうなの……気持ち悪いのー!』


 やや上空から監視をしているグランシャイナーからフィアールカの嫌そうな声が響く。先の平原戦では2000機を超える眷属等と戦ったが、まだこれだけの眷属を生み出せるリソースが残っていたとはな。


 そのリソース源となっていた海底に触手を伸ばしていたユニーク眷属は既に斃しているため、現在ルクルゥシアが使えるリソースはそれまでに貯蓄されていた物……そして、自らの身体となる。


 ルクルゥシアもそこまでアホではないので、我が身が弱体化するまで眷属を生み出すという行動に出ることは考えられない。すると、奴が放てる眷属は推定3000体強と言えるわけだが、現在最前線に居るのは我々ブレイブシャイン5機と、上空に控えるグランシャイナー1隻。


 圧倒的な戦力差が有るのだが……。


「よし、全機一度ここで待機。フィアールカ、眷属共が目標エリアに到達したら……頼むぞ」


『了解なの。またドドーンと派手にやってやるの!』


 現在地は避難所と帝都の中間地点からやや帝都寄りのポイントだ。連中の行軍速度を考えればもう間もなく先頭集団が目視できる頃だろう。


「シグレは上空より奴らの誘導を頼む」


「了解でござる!」


「ミシェル、マシューはフォトンランチャーで先頭集団を狙い、行軍の速度低下を狙ってくれ」


「わかった!」

「了解ですわ!」


「フィオラとラムレットは……ああ……なるほどキリンの指示に従って動いてくれ」


「うん!がんばるよ!」

「了解……!」

『ふふふ……私の秘密兵器……とくとご覧あれ』


「レニー、俺達はここで漏れ出た奴らを足止めするぞ」


「はい!カイザーさん!」


 以前のようにグランシャイナーに寄る攻撃で数を減らし、はるか後方で避難所防衛のために待機している友軍約300機の負担を軽くするのがこの作戦の重要な役割である。


 眷属共は、前にも言ったとおり単純な命令の実行しか対処することが出来ない。今回の場合は恐らく『草原に展開している敵を討ち滅ぼせ』あたりだろう。となれば、戦う相手は別に俺達、討伐隊じゃなくとも良い。俺達が去った後は後方の同盟軍、そして避難民達をそのターゲットとして狙うはずだ。


 であれば、ここでなるべく数を減らし、同盟軍による防衛負担を軽くする必要がある。


 数の差は圧倒的だが……俺達にはそれを覆すことが出来る力と策が有るからな。


『カイザー、そろそろ奴らが来るの』


「よし!それでは皆、作戦開始だ!」


「「「了解!」」」

 グラボはどうやら今の所大丈夫そうなのですが、今度はPCじゃなくて自分が……

 何ということはない花粉症なのですが、どうも今年は症状が重く……!

 更新されねえぞ!って時はお察しください(最近こればっかしですいません)

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