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第百九十八話 役割

 どうも、何かの手違いで、知らない内に前話「197話」の後半部分を吹き飛ばして上書きしてしまってたみたいで、気づけば中途半端な長さに減っていました……。

 なので、今回前話はそのままで、それを補う形で次話として書かせていただきました。

 間もなく、ドアが開かれヤアヤアとアルバートがやってきた。


「おう、来たぞ!リック!つうかレニーが来てんならさっさと連絡しろっつうんだ!」

 

 相変わらず元気でレニー大好きなおっちゃんだな。来るなり席について酒を煽り、レニー達に話しかけて近況報告をしあっている。


 せっかくなので、そのままレニーからアルバートに経緯とお願いをしてもらうことにした。


 レニーの説明は俺の話よりどうでもいい情報が多いが、アルバートにはそっちの方が楽しかろう。リックもまた、嬉しそうに目を細めて聞いているしな。


 一通り話を聞き終わったアルバートがグラスをテーブルに置き、こちらを見て言った。


「まあ、なんつうか話はわかったし、リックが行くっつうなら……いや、レニーが来いって言うなら俺は行くぜ。で、具体的な話……、今後出来る組織や俺達の立ち位置なんかを教えてくれるとありがたいんだが」


「組織……ね。そうだな、俺が考えているのはトリバ、ルナーサ、リーンバイルこの3国共同で作る機兵の基地だ。各国からそれぞれ惜しみなく協力をしてくれる旨を取り付けてあるから、機兵に関わるものとしてこれ以上無い環境になるはずだ」


 トリバからは主に人材。ルナーサからは資金と資材、そして聖典のオリジナル。リーンバイルからは1世代機の提供と情報。


 それぞれが出来る範囲で最大限の協力をしてくれることになっている。


「ザックには俺たちや聖典、1世代機を隅々まで調査してもらって改良の案を出してもらう。リックには其れを実現可能な範囲まで落とした設計をしてもらうのと、製造が主な役割になるんだけど、それは遺物に詳しいトレジャーハンターギルド、紅き尻尾と協力してやってほしい。

 最後にアルバートだけど、必要な資材の洗い出しをお願いしたい。例えば『軽くて頑丈な素材』がほしいと思っても、腕と脚では適切な素材が変わってくるだろう?その辺りの知恵を、入手場所を含めた情報をまとめてほしい」


 俺の話を腕組みをしながら聞いていたリックが酒をぐいっと煽って口を開く。


「紅き尻尾……ね。マシューの実家だったな。カイザーの武器を無理やり使えるようにして使ってたんだろ?連中からは一度話を聞きてえと思ってたんだ、一緒にやれるのは嬉しいねえ」


 アルバートも其れに続いてニヤリと笑う。


「リックから聞いたぜ?ヒッグ・ギッガの素材まだまるっと持ってるんだろ?それだけでもワクワクするのに、黒騎士とやりあえるほど強くなってると来た。こりゃあ、今まで仕入れたくても諦めてた素材を触るチャンスじゃねえか」


「あくまでも戦力強化のためだからな!趣味で俺たちを走らせようとするなよ?」


「はっはっは、わかってるよわかってるよ。ま、期待しててくれ。俺もリックもレニーやお前らに頼られて嬉しいんだ。全力でやらせてもらうよ」


「ありがとう……。出発は明後日を予定しているから、必要な道具や資材があったら明日纏めておいてくれ。俺が収納してもっていくからさ」


「そういうわけだから、今日は深酒しちゃだめだよ?わかった?リックさん!おっちゃん!」


 レニーに釘を刺されたおじさん達は何時もよりちょっとだけ早めに解散したようだった。



◆◇◆


 翌日、アルバートやリックに持って行く物を用意して貰っている間、俺達は久々のフォレムをぶらつき、そして例のカフェでティータイムとしゃれ込んでいた。


「これがレニー達行きつけの店か。こうして実際に味わうと何だか感慨深いな……」


 レニーカメラ越しに何度か見ていた景色ではあったが、そこからは味や香りは届かないからな。

 実際に五感で味わうのとは雲泥の差がある。俺が飲んでいるのはカフェモカの様な飲み物だが、コーヒーのような香りがふんわりと漂い、口に柔らかに甘みが広がった後、ほんのりとした苦味が通り過ぎる。


 日がなカフェインを飲んでいた前世を思い出す。まさかこんな身近な所に懐かしい味があったとはな。


「おいしーでしょ、カイザーさん。ここはほんとお気に入りなんだ-」


「これがレニー殿達お勧めのお茶ですか……。確かに凄く美味しいですね」


 以前レニー達がここに来たのはブレイブシャイン結成時だったか……。


 何か大きく事が動く前にここに来ているような気がするな。

 特にフラグというものではないのだが、なんというか、主人公たち憩いの食堂感があって良い。


「ほらほら、カイザーこれも食ってみろよ」


「これも食べて下さいな。まろやかですのよー」


 ……この穏やかな日常を護るためにも何としてでも黒竜の孵化は阻止しなければいけないな。

 それによって皆に多大な負担を強いることになるかも知れないが……


「ほら、カイザー。こんな場所で難しい顔をしてはいけませんよ」


 スミレに言われて少し反省する。確かに皆が楽しんでいる時に考えることでは無いな。

 


「ああ、そうだな!よし、今日は皆のお勧めの店を回るぞ。折角のフォレムだ、楽しまないとな!」


「「「「おー!」」」」


 明日からまたしばらく忙しくなる。今日はじっくりと遊び回ろうじゃ無いか。



 というわけで、ブラックホールクラスターによって吹き飛んだ前話後半を補う形で次話として書き直しました。

 ちょっと進行が遅れてしまってアレですが、多分次辺りからぽんぽんぽーんと話が動きますので……(動くとは言っていない)

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