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第百八十七話 ロボット軍団見学会

 翌日、シグレの両親達……リーンバイル夫妻からの希望で俺達の身体を見に行くことになった。


 とはいえ、俺の身体は演習場ではなく、『大きめの馬車』として宿屋裏に止めてあったわけだが、どのみち街中で変形するわけには行かないので敢えてその事は話していない。


 まあ、ちょっとしたサプライズだと思って頂ければ幸いである。


 ……しかし、流石に馬車がおかしい事には直ぐに気づかれるわけで。


 朝に屋敷まで馬車で迎えに行った際、既にバレた。


「むう……。これが噂の馬形態……。馬と言うには随分と大きな魔獣が引いているようですが、これもまたカイザー殿なのでござろう?」


 そうか、シグレが伝えていたか……。そうだよな……やっぱそうかあ。

 少々がっかりしたが、騒ぎになるより余程マシだと割り切ることにした。


「そうですね。機兵で街に入ると住民を驚かせてしまうと思いまして、馬で来たのですよ」


「成程成程。では同乗させていただきますぞ。タマキ、手を」


 先に乗り込み、タマキさんを引っ張り上げるゲンリュウ氏。さり気ない心遣いが憎いね。

 

 車内はかなり広いため、数人増えたくらいでは特に狭さを感じさせることはない。

 言ってしまえば近年妙なイメージが付いているワゴン車を馬で引いているような感じだからな。10人程度であれば余裕で収納出来てしまうのだ。


 無論これは荷物を積まなくても良いと言う我々ならではの特異な仕組みのおかげなのだが。


 移動中もリーンバイル夫妻は馬車の仕様に感心しきりであった。


「なんという馬車でござろう。揺れを全く感じぬ。恥ずかしながら拙者、馬車が苦手なのだがこれは快適でありがたいでござる」


 自分の馬車にも導入したいと言われたが、自動車の技術どころかその先を行く謎技術で衝撃吸収を実現しているので、残念ながら同等の物を提供することは出来ない。


 変わりにサスペンション的な方向で緩和する方法をスミレに纏めて貰って提供してあげた。

 全く揺れなくなると言うことは無いだろうが、通常の馬車よりぐっと乗り心地が良くなることだろう。


 この大陸は機兵の技術やそれに付随する魔導具はそれなりに発達しているくせに、生活周りは大して便利じゃない歪な所があるからな。中世にロボット技術だけぽんと提供された時点でおかしな事になってしまった上に、その後激しい大戦で一度文明が衰退してしまっているのが痛い。


 噂によれば帝国は生活的な部分にも機兵の知識を応用して便利にしようとしているらしいが、その帝国と仲良く出来るビジョンは今のところ無いからなあ。


 下手なことをすれば神様に怒られるのでは無いかとも思ったけど、よく考えてみれば神様は世界を引っかき回して欲しいと言っていた。そもそも俺達が来た時点で純粋なファンタジー世界は破壊されてしまったわけだから、今後は遠慮無く色々と技術提供していこう。


 ……ウロボロスがそこそこルナーサに知識を広めていたしね……。


 そんなわけで、車内で様々な情報交換をしていると時間が経つのはあっという間。

 見慣れたロボット達の姿が見えてきた。


「はー、久しぶりの我が家ってかんじだよー」

「そうねー、何だかんだ言って自分の身体が一番よ」


 と、2匹のぬいぐるみは言い残し、まだ停車をして居ないというのにさっさとそれぞれの身体に帰って行ってしまった。


 空を飛んで付いてきていたガア助も着陸したので、そこからやや離れた場所で停車し夫妻を降ろす。


「では、我々はそれぞれ乗り込みますのでここで見ていて下さいね」


 二人を残してロボ軍団のもとに。パイロット達がそれぞれの機体に乗り込んだのを確認し、レニーを御者台に座らせる。


 御者台はコクピットが姿を変えた物なので、このまま変形すれば手間が省けるというわけだ。


「よし、レニー!変形するぞ!」


「はい!カイザーフォームチェンジ!」


 シンプルな掛け声と共に俺の身体がロボに変形する。何だか久しぶりの感覚だな。

 声も……戻っているな。うん。


「改めてご挨拶させていただこう!ブレイブシャインリーダー、レニー機のカイザーだ!今日は我々の姿を見たいと言うことで、ご足労感謝する!」


「おお……凜々しい姿……そしてその力強い声……!本当にカイザー殿なのでござるか?」


「あの身体はあくまでも非戦闘用だ。こちらが本当の身体、カイザーだ」


「凄いわ……ねえ、貴方。あの色、あの威厳……やはり機神はカイザー殿なのでは?」


「うむう。カイザー殿が違うと申しても拙者はそうだと信じることにしましたぞ」


 なんだか勝手に納得しているが、あの神様のことを思えば俺を使って「度が過ぎるごたごた」を解消しようとしているような気がするので、実際そうなのだろうと実は勘ぐっている。


 神様は世界を引っかき回して欲しいとは言っていたが、滅亡してしまうのは神様としても本意では無いだろう。過去に大戦を巫女の力で止めたのも滅亡を恐れてのことだと思う。


 結果として黒龍を止められる力が失われたわけだが、そこは俺の復活を神の力で識っていたとかそう言う都合が良い何かが有るのではなかろうか。


 であれば、俺は機神の名を受け入れ、黒龍を討つしかあるまい。


「では、これより4機合体フォーメーションに入る!」


「フォームチェンジ!シャインカイザアアア!!」


 俺の掛け声と共に4機が天に舞い、分離と合体が始まる。謎の派手なエフェクトと共にそれぞれが正しい場所に合体し、光が止むと同時にそれらしいポーズを決めたシャインカイザーが姿を現す。


「おお……なんて神々しいお姿だ……」

「それにとても力強く大きい……これなら龍でも鬼でも倒せちゃうわね……」


 鬼……?鬼なんてのも居るのか?言葉の綾であることを祈りたいが、満足して頂けたようで何よりだ。

 

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