トアケユイ
十朱ゆい・・・。
あの夜出会った少女に良く似た彼女は、
ケラケラと笑いながら、初めましてと言った。
《トアケユイ》
昨夜は良く顔を見なかったが、雪のように白く整った顔立ちに、
透き通った瞳は深く青みを帯びているようにも見え、目が惹き付けられる。
店長が嬉しそうに言う。
「裕也、ゆいちゃんね、今日からバイト入ってもらう事になったから。」
彼女と目が合う。昨夜と同じ差し込むような目線だ。軽く会釈を返す。
「谷裕也です。よろしくお願いします。」
店長が顎をさすりながら言う。
「裕也は、高2だから君と同じ歳じゃないかな。こいつ頑固な無口君だから、
こんな明るくて可愛い子が来てくれると書店が華やかになっていいね〜」
店長は顎をかきながら僕と彼女を見比べる。
「ゆうゆいか、、二人とも名前似てるし、店の名前それに変えちゃおうかな。」
本気の顔だ。
「佐藤店長は、いつも安直で適当すぎますよ。」
エプロンを付けながら僕が止めると、彼女がけたたましく笑った。
「やだ〜その名前、夜のお店みたい!」
確かに昨日の少女のようだが、話すと印象ががらりと変わる。
作り笑いのような高い笑い声は好きになれなかった。
猫の事を少し聞いてみようと思ったけれど、聞く気が失せ仕事に入った。
ルビをふってくれるなんて、凄い機能が付いているんですね!